g-lad xx

NEWS

台北でLGBTQのためのスポーツ競技大会「アジア・プライド・ゲームズ」がキックオフ

2022年01月21日

 台北で4月29日から5月3日まで「亜洲同志運動会(アジア・プライド・ゲームズ)」が開催されることになり、1月18日、エントリー受付を開始するキックオフセレモニーが行なわれました。

 アジア・プライド・ゲームズは、台湾同志運動発展協会(Taiwan Gay Sports and Movement Association)と台北市体育局が共催するLGBTQのためのスポーツ競技大会です。本当は昨年開催予定だったのですが、コロナ禍の影響で延期され、今年の4月29日〜5月3日となったそうです。
 競技は3人制バスケ、ボーリング、テニス、バレーボール、水泳、陸上、ボディビル、ドッジボール、バドミントン、サッカー、卓球、ソフトボール、eスポーツ、ゴルフ、マラソンなど15項目で、約3,000人の参加が見込まれます。
 参加できるのはLGBTQに限られているわけではなく、LGBTQの権利擁護に賛同し、スポーツを愛する人なら誰でも参加できます。
 また、スポーツ界がよりLGBTQフレンドリーに、より平等な環境になるようにという趣旨のフォーラムや、たくさんのカルチャーイベントも開催されるそうです。
 
 台湾同志運動発展協会のYang Zhi-qun代表は、「今大会のハイライトのひとつはたくさんのノンバイナリー参加者のカテゴリーが用意されていることです」と語ります。
 また、アジア・プライド・ゲームズ連盟の代表で台湾の公民権運動の始祖である祁家威(チー・ジアウェイ)は、ジェンダー平等の精神で参加することを促しています。「過去には「有害な男性性」がスポーツ界にありましたが、今やオープンリーゲイのアスリートが活躍する時代です」と語ります。
 台北のTsai Ping-kun副市長は、「コロナ禍のため、登録は今は台湾の人に限られていますが、もし状況が改善されれば、東南アジアや他の地域の人たちにも開かれます」と述べました。
(GWでもあり、もし日本から台湾への入国が可能になれば、ひさしぶりに台湾に行く絶好の機会となったでしょうね…まだどうなるかわかりませんが…)
 

 なお、Taiwan Todayの記事では「アジア初のLGBT+のためのスポーツ競技大会」と書かれていますが、これは明らかに誤りです。
 2010年に国立オリンピック記念青少年総合センターでゲイのためのスポーツ大会「Gaysian Games」が開催されています(アジア初ではないでしょうか)
 2012年にはネパールで南アジア初のLGBTのスポーツ競技大会が開催されました。1984年のロサンゼルス五輪や88年のソウル五輪等の男子飛び込みで4度の金メダルに輝き、引退後にゲイであることとHIV陽性であることをカムアウトしたアメリカのグレッグ・ローガニス元選手が大会にゲストとして参加し、観客を沸かせました。
 台湾ですら、今回が初めてではありません。2016年に「台湾同志運動會(台湾LGBT運動会)」が開催されています。
 もしかしたら、イスラエルあたりでもっと早い時期からLGBTQのスポーツ大会が開催されていたかもしれません。いずれにせよ、今回が初めてというわけではありません。
 

 LGBTQのスポーツ大会といえばゲイゲームズですが、来年の11月にアジア初となる香港でのゲイゲームズの開催が予定されています。中国当局の圧力も予想され、本当に開催が可能なのかどうか不安視する声も上がっていますが、ゲイゲームズ香港は現在も開催に向けてエントリーを受け付けたり、寄付を募ったりしています。無事に開催されることを祈ります。
 一方、台湾では、2025年のワールドプライドが高雄で開催されることが決定しています。同性婚も承認し、国としてLGBTQ支援を打ち出したおかげで、国際的な信頼や評価が高まったことが幸いしています。ゲイゲームズなども今後、開催されるのではないでしょうか。日本も早くそういうふうになるといいですね。


 
参考記事:
「アジア・プライド・ゲームズ」、エントリー受付始まる(Taiwan Today)
https://jp.taiwantoday.tw/pics.php?unit=7187&post=38318&fbclid=IwAR15nHuohQVfeQJ-DfrLqWrfuSw62l5mfow_Gj9ELvy6tbQRL3o2yJ5FzU4
VIDEO: Registration for Asia Pride Games now open(Radio Taiwan International)
https://en.rti.org.tw/news/view/id/2006878

INDEX

SCHEDULE