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【婚姻平等訴訟】東京二次訴訟の控訴審が始まり、原告の山縣さんは「差別されたまま死にたくない」と訴えました

2024年09月26日

「結婚の自由をすべての人に」東京二次訴訟の控訴審が26日、東京高裁で始まりました。原告の山縣さんは「差別されたまま死にたくない」と、武田さん&一橋さんカップルは「手遅れになる前に私たち夫婦を家族にしてください」と訴えました。

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 東京二次訴訟は、2019年に北海道、東京、愛知、関西、九州で起こされた「結婚の自由をすべての人に」訴訟に次いで、2021年、トランス男性やパンセクシュアルの方を含む8名の性的マイノリティが原告となって起こされた訴訟です。原告のみなさんは法廷でそれぞれに、熱く訴えました。一次訴訟よりもさらに詳しい資料を提出したり、論の立て方も一次訴訟とは少し異なっていたそうです。
  そうして今年3月、東京地裁で判決が下され、東京一次や九州とほぼ同じ「違憲状態」判決となりました。原告は判決を不服として控訴し、このたび、控訴審(二審)の第1回の口頭弁論が開かれたのでした。
 
 26日、東京高裁で第1回口頭弁論が開かれました。原告や弁護団の方たちが裁判所に入っていく際、大勢の方がレインボーフラッグを振ったり声援を送ったりしました(「OurPlanet-TV」の動画でその様子が観られます)
 原告の(TRP元共同代表の)山縣真矢さんは、「同性パートナーと寝食を共にしてきた実態は、異性カップルと何ら違いのない『婚姻の本質』を伴っていると断言できます」「一度限りの人生で差別されたまま死にたくはありません」と訴えました。また、一審で、否定的な意見を持つ人が今も少なからずいることを挙げて、同性婚が「社会的承認が得られるに至ったとまでは言えない」と判断されたことに対し、「7割前後もの人が賛成している事実にこそ、焦点を当てるべきではないでしょうか」と訴え、また、同性愛者がナチスなどに迫害された歴史にも触れながら、地裁の判断は「理不尽で、怒りを覚え、恐怖すら感じた」と述べました。
 原告の武田さんと一橋さんのカップルは、判決が出た3月に武田さんが体調を崩し、入院した際、一橋さんが問診票の緊急連絡先に武田さんとの関係を「パートナー」と記入したところ、病院側に一方的に「同居人」と書き換えられ、怒りとやるせなさを感じたと語りました。トランス男性の一橋さん(戸籍上の性別は女性)と武田さんは法的に同性であると見なされるため、何かあった時に家族として扱われるのだろうかという不安がつきまといます。お二人は「待っている余裕はありません。手遅れになる前に私たち夫婦を家族にしてください」「他人のまま死にたくはありません」と訴え、はっきり違憲だと言い切る判断を求めました。
 
 閉廷後、代理人弁護士の沢崎敦一弁護士は、「婚姻の代替制度でもいいではないか」との見方に反論し、一審では「家族の制度がないことは違憲だ」と言っている、フランスのPACSのような家族としての身分形成ができない制度を作るのはおかしい、それに、ドイツなどでは異性間の婚姻と登録パートナーシップ制度(シビルユニオンのような同性パートナー法)との間に差があるのは違憲だとの判決も出ている、裁判所としての責任を放棄するのはやめてほしいと訴えた、と話していました。
 原告の山縣さんは「世論調査でも7割くらいは同性婚に賛成なのに、一審判決は、2〜3割の反対のほうに焦点を当てて、社会的承認がないという言い方をしている。マイノリティの人権に対して、社会的承認を根拠にして、それを憲法判断の材料にすること自体がおかしいという憤りを感じたし、恐怖も感じた」と語りました。

 今後、「結婚の自由をすべての人に」訴訟は、10月に東京一次訴訟の二審判決、12月には九州訴訟の二審判決が言い渡されることになっています。

 

参考記事:
差別されたまま死にたくない」同性婚めぐる控訴審で原告訴え(日テレNEWS)
https://nordot.app/1211981377339949770?c=768367547562557440

「世論」で憲法判断しないで〜同性婚訴訟(OurPlanet-TV)
https://www.youtube.com/watch?v=zxVc83IlF9E

病院で「パートナー」を「同居人」に書き換えられた。家族になれない不安や苦しみ、結婚の平等裁判で原告が語る(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/marriage-for-all-japan-tokyo-2-2-1_jp_66f4b7abe4b01c2b5009494a

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