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【婚姻平等訴訟】合憲とした一審・大阪地裁の判断を見直すよう求めた関西訴訟控訴審が結審、来年3月25日に判決が下されます

2024年11月13日

 京都府や香川県などの同性カップル3組が原告となっている「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟の控訴審が13日、大阪高裁(本多久美子裁判長)で結審しました。原告の方たちが意見陳述し、全国の6つの訴訟で唯一「合憲」との判断となった一審・大阪地裁の判断を見直すよう求めました。判決は来年3月25日に下されます。
 

 京都市の坂田麻智さんはパートナーのテレサさんがそばで見守るなか、意見陳述し、2022年に生まれた娘のことに触れ、「娘は日本国籍が与えられず、異性間の婚姻では当たり前に保障されている権利が私たちには何一つありません。明らかに差別です」と訴えました。また、「将来的に違憲となる可能性がある」とした大阪地裁判決について、「将来とは「いつ」なのか」と指摘し、「私たちは明日にでも事故にあって死ぬかもしれない。顔も実名も出し、今の話をしている私たちに向き合ってほしいです」と訴えました。「同性を好きになる性的指向で生まれただけで、愛する人と結婚できない。出産したほうにしか親権がなく、相続もできない。異性間の婚姻では当たり前に保障されている権利が私たちにはない。明らかに差別です」

 香川県三豊市に住む田中昭全(あきよし)さんは、2007年に読んだ雑誌のオランダの同性婚の特集に触れ、「(オランダでは)あくまで婚姻制度の対象を同性同士に適用させてるだけだから、『同性婚』っていう別のものを作っているんじゃないっていうことをはっきり書いてたりします」「日本でもすぐに実現すると思ったのですが、雑誌を読んでから17年経っても何の進展もありません」「司法にできることは違憲と宣言すること。婚姻の平等が進むことを期待しています」と訴えました。

 田中さんのパートナーの川田有希さんは、裁判後の記者会見で、「いい結果をいただけるように願って、3月25日、また判決をみなさんで聞けるといいなと思っています」と語りました。
 また、記者会見でテレサさんは、「同性愛者が異常者ではないということ、異常者ではないので、区別する理由がないから、差別になるということが伝わってほしい」と語りました。


 「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟の一審判決は、画期的だった2021年の札幌地裁判決に続き、全国で2番目の判決として2022年6月に大阪地裁(土井文美裁判長)で下されました。札幌に続く違憲判決を期待していた方たちは、婚姻の自由を定めた憲法24条にも法の下の平等を定めた憲法14条にも違反するものではないという合憲判決に悔しさをつのらせ、MFAJはこちらのような声明を出し、各方面から批判の声が上がりました。
 そういう意味で、この関西訴訟の二審・控訴審判決は、合憲とした一審判決を塗り替えるとともに、あの時にみんなが味わった悔しさ、無念さを晴らすようなものであってほしいという願いが込められています。
 来年3月25日、みんなが笑顔になるような素晴らしい判決が出ることを期待します。


参考記事:
「同性愛者は異常者ではない、差別になることが伝わって」同性婚訴訟めぐり原告らが訴え(毎日放送)
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20241113/GE00061729.shtml
「婚姻の平等進んで」香川・三豊市のカップルらによる同性婚訴訟 大阪高裁での審理が終結、2025年3月に判決へ(瀬戸内海放送)
https://news.ksb.co.jp/article/15506151
「今に向き合って」同性カップル訴え 一審は唯一の「合憲」判断(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASSCF0RXYSCFPTIL001M.html
同性婚訴訟、大阪高裁判決は来年3月 地裁は唯一「合憲」判断(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20241113/k00/00m/040/151000c

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