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Madonna: Like A Prayer - For PARIS...Stockholm Show

マドンナが11月14日、ストックホルムでの「レベル・ハート・ツアー」公演の最中、6分間ショーを中断して、パリ同時多発テロについて語りました。思わず胸を打たれるような、素晴らしいスピーチをご紹介します。

Madonna: Like A Prayer - For PARIS...Stockholm Show

 マドンナが11月14日、ストックホルムでの「レベル・ハート・ツアー」公演の最中、6分間ショーを中断して、パリ同時多発テロについて語りました。誰もが胸を打たれるような、素晴らしいスピーチです。全文訳をご紹介します(聞き取りつつ、他の訳も参考にしつつ、まとめてみました。誤訳もあるかもしれませんが、ご容赦ください)

「ショーというのは、人生を祝福することについて、そして自分の権利を守ることや信じることのために闘うことについてのものよ。実は、今日はショーをするのがすごくつらかった。昨日起きたことが忘れられなかったから。だから、昨夜パリで起きた悲劇、殺害、無慈悲に尊い命を奪われた人たちについて語るこの時間が必要だった。今日1日中気になって仕方なかったから。ショーをするのがつらかった。いろんな意味で私の心は引き裂かれていた。愛する人を亡くして涙を流している人たちがいる時に、なぜ私はステージに立って踊って楽しんでいるのか?と思っていたから。
 だけど、それこそが彼らの狙いよ。彼らは、私たちを沈黙させようとしている。だけど、彼らにそんなことはさせない。絶対に、そんなことはさせない。なぜなら、私たちには結束の力がある。パリだけではなく、世界中で起きている混乱や、苦痛、無慈悲な暴力、テロ以上に、世界には、善良が存在すると信じている。私たちは今ここにいる。それを証明するために。
 私は今日のショーを本当はキャンセルしようかと思っていた。だけど、「なんで彼らのためにそんなことをしなくちゃいけないの?」と思い直した。彼らに、私を止めさせるわけにはいかない。そして、私たちを止めさせるわけにはいかない、と。自由を楽しむことを。
 昨日人が殺された場所はすべて、人々が楽しむための場所だった。食事を楽しむレストラン、歌を歌やダンスを楽しむ場所、サッカーの試合を楽しむ場所。それはもちろん私たちの当然の自由。強制されてるわけじゃない。でも、私たちは一生懸命働いているのだから、それを楽しむ権利がある。だから、世界の誰にも私たちが愛することを止めさせる権利はないわ。
 ほかにも言っておきたい、大切なことがあるの。世界には、人間の生命に敬意を持てないような人もいる。残虐で、品のない、許せないことを他人にする人も。でも、自分たちを変えない限り、絶対に私たちの暮らす世界を変えることはできない。日々の基準にしたがってお互いを扱う関係を変えない限り。そう、世界を変える方法は、別の大統領に投票することでも、100人以上の人を殺すことでもないわ。世界を変える方法は、単純に日々の基準にしたがってお互いを扱う関係を変えること。私たちはすべての人々を尊厳と敬意をもって接することから始めなければならない。それこそが世界を変える唯一の方法なの。それだけが唯一。世界を変えることができるのは愛だけなのよ。でも、無条件に人を愛するというのは難しいこと。理解できない人々や自分と違う人々を愛するのは難しい。でも、そうしなければならない。そうじゃないと、あんなひどいことが永遠に続いていってしまう。
 次の歌の前に、1分間、昨夜のパリの犠牲者のために黙祷を捧げる時間がほしいの。亡くなった方たちの家族のためにも…(黙祷)
 ありがとう(拍手)」

 このスピーチのあと、マドンナは、テロの犠牲者に捧げ、「Like A Prayer」を涙ながらに熱唱。途中で「No more war!」と叫んでいます。





 もはや説明不要かもしれませんが、マドンナは最も早くからゲイを擁護してきたセレブ(ゲイ・アイコン)の一人であり、今もなお、影響力を保ち続けながら、権力に屈することなく、ゲイの強い味方であり続けています。
 たとえば2012年、マドンナは、反同性愛の嵐が吹き荒れるロシアで、告訴も覚悟のうえで同性愛支援のメッセージを訴えました(詳しくはこちら)。2013年には、同性愛者を排除していると批判を浴びていたボーイスカウトの公式ユニフォームを着てGLAADメディア賞のステージに登場し、「差別撤廃のために革命を」とスピーチしました(詳しくはこちら)。それ以前にも、マラウィで逮捕されたゲイカップルのために声明を発表したり(詳しくはこちら)、10代のゲイの自殺が相次いだときには、全米に放映されるトーク番組で「ゲイのファンなしには今の自分はありえなかった」と語るなど(詳しくはこちら)、アクチュアルにゲイを支援するスタンスを貫いてきました。
 全く同様に、マドンナは一貫して戦争を批判してきました(『American Life』のPVを思い出しましょう)。「世界を変えることができるのは愛だけ」と彼女が言うとき、それは、何十年もの間、既成観念や道徳観や差別や暴力と闘い続けてきたアーティストだからこその重みを感じさせます。
 パリでテロが起こった直後、マドンナはTwitterInstagramに「私たちはみんな移民よ! そして同じ色の血を流す…。私たちはひとつ。パリの人々と世界中の人々の平和のために祈りを」と投稿しています。