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特集:2021年初春のオススメ映画

今年もLGBTQの映画やゲイ的にぜひ観ておきたい映画がいろいろ公開されます。1月〜3月に公開予定の作品をまとめてご紹介します。

特集:2021年初春のオススメ映画

(『天空の結婚式』より)

2021年もゲイをはじめとするLGBTQ(クィア)を描いた映画、ゲイ的にぜひ観ておきたい映画がたくさん公開されます。映画館で上映される作品も、オンラインで上映(配信)される作品もあります。緊急事態宣言が発令されるとのニュースに「またあのどこにも行けない鬱屈とした日々がやって来るのか…」と暗澹たる気持ちになった方も多いことと思いますが、今回は映画館が完全に閉鎖されるわけではなく、感染防止策を講じたうえで(座席も半分になることでしょう)夜20時までは営業できると見られています。映画や演劇、音楽、アート、クラブ、ドラマ、アニメなどのカルチャーは、ただの娯楽ではなく、ある人にとっては生きる意味でしょうし、ある人にとってはライフラインだと思います。感染予防に十分気を配りながらも、映画館や劇場が開いている限りは、できるだけ足を運び、エンタメ産業を応援することも意味があるのではないでしょうか。というわけで、(できるだけ上映が予定通り行なわれますように、との願いも込めて)2021年初春(1月〜3月)に公開される予定の作品をまとめてご紹介します(日付順)。新たな情報が入り次第、随時、更新していきます。
(最終更新 2021.2.26)
 


上映中
ザ・プロム

 オリジナルのブロードウェイ版の感動はそのままに、さらにハリウッドの豪華すぎるキャストが夢の競演を果たし、ゲイテイストな演出で楽しませてくれる、最高のカタルシスが得られるLGBTQ史上最高のミュージカル映画です。『glee/グリー』をギュッと濃縮したような(監督が『glee/グリー』と同じライアン・マーフィ)きらびやかさと青春感。何度となく感涙し、また、メリル・ストリープらのトゥーマッチ(ヤリすぎ)感あふれる演技、サービス精神豊かな活躍に笑わせていただくと同時に、それもまた愛だな、と思えて泣けてきたり。とにかく素晴らしい、大スクリーンで観ないともったいない映画です。おそらくもうすぐ映画館での上映は終わってしまうと思いますので、急いで劇場へ!(レビューはこちら

ザ・プロム
2020年/131分/アメリカ/監督:ライアン・マーフィ/出演:メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン、ジェームズ・コーデン、アンドリュー・ラネルズ、ジョー・エレン・ペルマン、アリアナ・デボーズ、キーガン=マイケル・キー、ケリー・ワシントンほか
ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで上映中(上映館の情報はこちら





上映中
詩人の恋

 韓国の済州島を舞台に、主人公の詩人が同性の青年に恋愛感情を抱いたことから、三角関係になった詩人とその妻、青年の3人が、もがきながら答えをたぐり寄せていく姿を描き、愛や夫婦のあり方について問いかける作品。いかにも「ノンケのおっさん」感の漂う、しかし純朴でナイーブな感性を持つ詩人が、複雑な家庭環境にある男の子に、なんとかしてあげたい、彼の将来のために手を差し伸べたいと願う、愛と呼ぶほかない真っ直ぐな思いは、とても切なく、心洗われます。涙なしには観られない名作です。
(レビューはこちら

<あらすじ>
自然豊かな済州島で生まれ育った30代後半の詩人テッキは、スランプに陥っていた。そして、稼げないテッキを支える妻のガンスンが妊活を始めたことから、平凡だったテッキの人生に波が立ちはじめる。乏精子症と診断され、詩も浮かばずに思い悩むテッキは、ある時、港に開店したドーナツ屋で働く美青年セユンと出会う。セユンのつぶやきをきっかけに新しい詩の世界を広げることができたテッキは、セユンについてもっと知りたいと思うようになるのだが……。

詩人の恋
2017年/110分/韓国/監督:キム・ヤンヒ/出演:ヤン・イクチュン、チョン・ヘジン、チョン・カラム、キム・ソンギュンほか
1月8日からアップリンク渋谷で、2月13日から下高井戸シネマで公開(ほか、全国各地で上映中だったり、これから上映が予定されています。詳細はこちら




1月15日(金)〜
こんなにも君が好きで -goodbye mother-
(オンライン上映)

 2015年に同性婚の禁止が撤廃されるも、LGBTに対してまだ保守的な考え方も残るベトナムでの現実を、繊細な脚本と、笑いあり涙ありの演出で魅せる、感動の社会派作品。釜山、ハワイ、カンボジアなど複数の国際映画祭にも出品されています。「Rakuten TV」にて独占先行配信。
 
<あらすじ>
ベトナムのある一族の初孫であるヴァンは、父の改葬のために9年ぶりにアメリカから帰国する。空港へ迎えに行った親戚一同は、彼がベトナム系アメリカ人のイアンと一緒にいるのを見て、歓迎しつつも困惑する。イアンがヴァンのボーイフレンドだとは誰も知らず…。未亡人のハインは、息子のヴァンに一族の後継者の義務を果たすため、結婚して子をもうけることを期待していた。一方で、認知症を患っている祖母は、イアンのことを孫と勘違いしてしまう。そんな中、ヴァンは母親が重病を患っていることを知ってしまい…。

こんなにも君が好きで -goodbye mother-
2019年/106分/ベトナム/監督:チン・ディン・レ・ミン/出演:ライン・タイン、ボ・ディエン・ジャオ・フィ、ホン・ダオほか







1月15日(金)~2月15日(月)
「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(MyFFF)」
(オンライン上映)

 「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(MyFFF)」は、「若手映画制作者によるフランス映画のショーケース」というコンセプトで実施され、選出された作品は1月15日からイベントのオフィシャルサイトや各動画配信サイトでオンライン配信されます。以前は男娼のリアルを描いた『SAUVAGE(ソヴァージュ)』なども上映されましたが、今回ラインナップされた30作品の中にも結構たくさん、LGBTQ関連作品が盛り込まれています。ここでは以下の4本をご紹介しますが、これら以外にも、男尊女卑な村社会から抜け出そうとする少女たちの姿を描いた「ミス・シャゼル」、性暴力を受けた青年を描くアニメーション作品「友だちの友だち」などの作品も上映されます。

オルフェ 
 ギリシャ神話のオルフェウス伝説を詩人ジャン・コクトーが現代に蘇らせた不朽の名作。ジャン・マレー(初代『美女と野獣』などにも主演)と女王を演じるマリア・カザレスの魅力がスクリーンから溢れ、哲学的で幻想的なスタイルが今なお新鮮に心に響くコクトーの代表作です。直接、同性愛を描いているわけではありませんが、ジャン・マレーはジャン・コクトーが長年愛した人であり、コクトーが恋人をどのように描いたか、という視点で鑑賞するのも素敵かもしれません。
<あらすじ>
 パリ左岸の『詩人カフェ』で詩作に耽るオルフェの前に突如、美しい『死の国の王女』が現れる。王女に心奪われたオルフェは、妻を忘れ、生と死の世界を往来するようになる。しかし、2人の愛の先行きを案じた王女はオルフェを妻のもとへと送り返し…。

1950年/1時間35分/監督:Jean Cocteau/脚本:Jean Cocteau/出演:Jean Marais, François Périer, Maria Casarès, Marie Déa


マダム
 ステファン・リートハウザー監督のホームビデオに刻まれた記録で紡ぐドキュメンタリー。保守的なスイス社会に深く根を下ろす『家父長制』に焦点を絞り、祖母と孫の、世代を超えた闘いを描き出します。ブルジョワ階級に属する90歳の祖母と、ゲイの孫息子の間で交わされる本音のやり取りは、ジェンダー、セクシュアリティ、アイデンティティの継承へと広がりを見せます。

2019年/1時間34分/監督・脚本:Stéphane Riethauser


ビューティー・ボーイズ
 多様性を受け入れようとしない社会に対し、敢然と怒りをぶつける、エネルギーにあふれた短編作品。
<あらすじ>
小さな村で生まれ育ち、17歳になったレオとその友人たちは化粧の楽しさに夢中になる。レオの兄ジュールは仲間からバカにされることを恐れ、弟の情熱を理解しようとしない。村でオープンマイクイベントが開催された夜、レオは兄の意見をきかず、ドラァグクイーンに扮してステージに立つ…。

2020年/17分50秒/監督・脚本:Florent Gouëlou/出演:Simon Royer, Marvin Dubart, Mathias Houn, Louise Malek


ソレ・ミオ ~ 私の太陽
 何もかもを一変させてしまう出来事を前にした家族の様子を、素晴らしいシナリオとシャープな映像により、やさしい目線で描いた短編作品。
<あらすじ>
父親からの連絡が途絶え、打ちひしがれる母親をなだめるダニエル。ある日、リザという女性として生まれ変わった父親が、性転換手術を控え、ダニエルの元に。ダニエルは真実を話すよう父親に迫り…。

2019年/22分48秒/監督:Maxime Roy/脚本:Maxime Roy, Gall Gaspard/出演:Gall Gaspard, Jackie Ewing, Marie Desgranges




1月22日(金)〜
天空の結婚式

 原作はアンソニー・J・ウィルキンソン『My Big Gay Italian Wedding』で、2003年にオフ・ブロードウェイで上演され、ロングランヒットを記録。やがてニューヨークだけでなく、英国やシドニー、香港などでも上演され、同性婚運動の支援や若者の自殺防止プログラムのチャリティとしてメジャーなセレブが出演協力したことも。この舞台作品を、イタリアのコメディ映画監督アレッサンドロ・ジェノヴェージが2018年、『天空の城ラピュタ』のモデルともなった観光地「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」をロケ地に選んで映画化したのが『Puoi Baciare Lo Sposo(You can kiss the groom)』です。イタリアで大ヒットを記録し、こうして日本でも公開されることになりました。バチカンのお膝元でありカトリックの影響が強いイタリアの厳しい現実が描かれるとともに、笑いあり涙ありのハッピーなゲイウエディング・コメディ作品になっているのでは?と期待されます。カップルの片方がBear系というところでも人気を集めそうです。
 
<あらすじ>
ベルリンに暮らすアントニオは、役者仲間で恋人のパオロにプロポーズし、二人は結婚を決意する。しかし、パオロはゲイであることをカミングアウトして以来、母親とは疎遠になっていた。一方のアントニオは両親にカミングアウトと同時に結婚の意志を伝えるため、イタリアで村長を務める父と母のもとに行こうとするが…。

天空の結婚式
2018年/イタリア/90分/監督:アレッサンドロ・ジェノヴェージ/出演:ディエゴ・アバタントゥオーノ、モニカ・グェリトーレ、サルヴァトーレ・エスポジト、クリスティアーノ・カッカモほか
1月22日(金)より YEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテほか全国順次公開




1月23日(土)〜
出櫃(カミングアウト)―中国 LGBTの叫び

 性的マイノリティの人々がおよそ7000万人いると推定されている中国。同性愛への偏見が未だに根強い親世代に向き合う中国のゲイとレズビアンの若者に密着したドキュメンタリーです。東京ドキュメンタリー映画祭2019の短編部門でグランプリを受賞した作品で、以前、NHKでも放映されました。
 
<あらすじ>
中国・江蘇省で教員資格の認定試験を控える谷超(グーチャオ)は、自身がゲイであることを父親に告白しようと決心する。一方、上海に暮らす安安(アンアン)は、19歳の時に母親にカミングアウトしたが、受け入れられないまま32歳になった。今はパートナーの丹丹(ダンダン)と暮らしていて、LGBT支援グループの助けを得て、あらためて母親と話し合い、受け入れてもらおうとするが……。

出櫃(カミングアウト)―中国 LGBTの叫び
2019年/54分/日本/監督:房満満
1月23日(土)より新宿「K's cinema」ほか全国で順次公開





2月26日(金)〜
ステージ・マザー

 田舎町のお母さんが、家族と疎遠になっているドラァグクイーンたちの「ママ」になっていくという感涙必至の話題作。『世界にひとつのプレイブック』などで知られるジャッキー・ウィーヴァー、『チャーリーズ・エンジェル』『キル・ビル』のルーシー・リュー、『プラダを着た悪魔』のエイドリアン・グレニアー、そして大傑作『タンジェリン』のマイア・テイラーなど、素敵なキャストが揃います。監督はオープンリー・ゲイのトム・フィッツジェラルド(『ハンギング・ガーデン』など)、製作は『キッズ・オールライト』やNetflix映画『シカゴ7裁判』を製作したJ・トッド・ハリスです。

<あらすじ>
テキサスの田舎町の主婦で、保守的な教会の合唱団を手伝ってりもしているメイベリンは、オーバードーズで亡くなった息子リッキーの葬儀に参列するためにサンフランシスコに向かいますが、その葬儀があまりにもゲイゲイしく、そして息子のパートナーだという男性ネイサンから、リッキーがドラァグクイーンで、「パンドラの箱」というゲイクラブを経営していたことを知らされ、ショックを受けます。さらにリッキーは遺言を遺さずに他界したため、破綻寸前となっているバーの経営権が母親のメイベリンにあることも発覚し、メイベリンは困惑。しかし、生前には愛する息子のことを理解してあげられなかったという後悔をバネに、ゲイバーの建て直しを決意。彼が自分らしく生きた街で、メイベリンもまた自分らしさとは何か、生きるとは何かを見つめ直す…。

ステージマザー
2020年製作/93分/カナダ/監督:トム・フィッツジェラルド/出演:ジャッキー・ウィーバー、ルーシー・リュー、エイドリアン・グレニアー、マイア・テイラー、オスカー・モレノ、ジャッキー・ビートほか
2月26日(金)より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開




2月下旬〜
MISS ミス・フランスになりたい!

 男性であることを隠したままミスコンに挑む主人公を描いた映画です。コンテストの厳しい戦いの中、夢だった美しく華やかな衣装を纏いながら、真の美しさや本当の自分と向き合い、自分だけの生き方を見つけようとする主人公のひたむきな姿が共感を呼ぶことでしょう。主演はフランスで"ジェンダーレス・モデル"として注目を集めるアレクサンドル・ヴェテール(初主演作品)。原案・監督はTVドラマを中心に多くの作品を手がけるルーベン・アウヴェス。俳優としても『イヴ・サンローラン』や『あしたは最高のはじまり』に出演してきた方です。
 
<あらすじ>
9歳の美少年アレックスの将来の夢は、ミス・フランスになること。しかし、自分を愛してくれていた両親を事故で失ってから、24歳になってもなお、自分を取り戻せずにいた。ある日、大好きだった幼なじみ・エリアスと偶然再会。彼が努力の末に幼い頃からの夢を叶えたことを知り、アレックスは忘れかけていた夢と再び向き合うことを決意する。下宿先の家主で、母のような存在のヨランダ、心優しいドラァグクイーンのローラに支えられながら、男性であることを隠したまま、過酷なミスコンの審査を突破していく…。

MISS ミス・フランスになりたい!
2020年/107分/フランス/監督:ルーベン・アウヴェス/出演:アレクサンドル・ヴェテール、イザベル・ナンティ、パスカル・アルビロ、ステフィ・セルマほか
2月下旬、シネスイッチ銀座ほか全国で公開

 



3月3日〜 配信
ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト

 『トワイライト』『チャーリーズ・エンジェル』のクリステン・スチュワートと『ターミネーター:ニュー・フェイト』のマッケンジー・デイヴィスが恋人役で豪華共演し、昨シーズンのホリデー映画のなかでも最も話題を呼んだ(米Huluではオリジナル映画のストリーミング初週実績で歴代1位の視聴記録を樹立した)ロマコメ『Happiest Season』が3月3日からデジタル配信されます。
 予告編をぜひご覧いただきたいのですが、『シッツ・クリーク』で一躍大人気となったゲイのダン・レヴィがアビー(クリステン・スチュワート)のゲイ友として登場し、大活躍します(ハーパーがカミングアウトしてなかったせいで彼女の家族に男と別れたばかりですと嘘をつく羽目になったアビーの「元カレ」のフリをする時のセリフが傑作です)。間違いなくゲイが見ても楽しめる作品です。
 
<あらすじ>
恋人の家族に初めて会う時は大変なもの。恋人ハーパーの実家に向かうアビーはプロポーズを計画していた。しかし当日、ハーパー自身がレズビアンであることや彼女たちの関係を家族に隠していると知る。想定外の事態で家族との初めての対面は、ますます大変なものに! さらに滞在中、アビーは彼女の家族や友人との交流を見て自分が思っていた人とは違うのではないかと疑問を持ち始める…。
 
ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト
2020/アメリカ/102分/監督:クレア・デュバル/出演:クリステン・スチュワート、マッケンジー・デイヴィス、ダニエル・レヴィほか
3月3日(水)よりデジタル配信 





3月5日(金)〜
キンキーブーツ

 ブロードウェイの傑作舞台を日本語字幕付きで映画館で楽しめる「松竹ブロードウェイシネマ」で本場ブロードウェイ・ミュージカル版の『キンキーブーツ』が上映されることになりました。イギリスの老舗紳士靴メーカー・ブルックス社が、倒産の危機に瀕していながら、ドラァグクィーン用のブーツを製作するようになって工場を立ち直らせたという実話に基づく大ヒットミュージカルで、トニー賞6部門を受賞(作品賞、楽曲賞など)。脚本は『トーチソング・トリロジー』で主人公のドラァグクイーン、アーノルドを演じたハーヴェイ・ファイアスタイン。音楽はシンディ・ローパー。演出は、三浦春馬さんの訃報に接して心からの追悼コメントを寄せたジェリー・ミッチェル(ゲイの方です)。感涙間違いなしの素晴らしい舞台をぜひご覧ください。
(レビューはこちら

<あらすじ>
イギリスの田舎町ノーサンプトンの老舗靴工場「プライス&サン」の4代目として生まれたチャーリー・プライス。父親の意向に反してフィアンセと共にロンドンで生活する道を選んだ矢先、父親が急死し、工場を継ぐことになってしまう。工場を継いだチャーリーは、父の工場が実は経営難に陥って倒産寸前であることを知り、幼い頃から知っている従業員たちを解雇しなければならず、思い悩む…。工場の若手従業員のローレンに「倒産を待つだけでなく、新しくニッチな市場を開発するべきだ」とハッパをかけられたチャーリーは、ロンドンで偶然出会ったドラァグクイーンのローラとの会話にヒントを得て、ドラァグクイーンのための“キンキーブーツ”を作ることにする。チャーリーはローラを説得して靴工場の専属デザイナーに迎え、試作を重ねる。ドンをはじめとする保守的な田舎の靴工場の従業員たちは、なかなかローラを受け入れられず、軋轢が生まれる。チャーリーはファッションの街・ミラノで行われる靴の見本市に“キンキーブーツ”を出展し、工場の命運を賭ける決心をするが…。

キンキーブーツ
2019年/122分/イギリス/監督:ブレット・サリバン/出演:マット・ヘンリー、キリアン・ドネリー、ナタリー・マックイーン、ショーン・ニーダム、コーデリア・ファーンワース、アントニー・リードほか
3月5日(金)、東劇、シネ・リーブル池袋ほか全国で公開

 

3/6〜3/13 逗子(神奈川)
であること/Being

 「情熱大陸」などこれまで数々のドキュメンタリー番組を制作してきた和田萌さんが監督を、テレビやCMの海外ロケコーディネーターなどを行っている西山ももこさんがプロデューサーを務め、9名のLGBTQ?性的マイノリティ?たちの声を丁寧に聞き、多様性の意味を問いかけるドキュメンタリー映画。西山さんが、ある番組の編集会議で『ゲイの話は触れられない』という言葉に強い違和感を持ち、「性的マイノリティと一括りにされている人たちは本当のところどう思っているのか」にスポットを当て、多くの人に届けたいと思い、クラウドファンディングを実施し、上映会を行なっているんだそう。ドラァグクイーンのビビー・ジェローデルさんらが出演しています。
 3月6日から13日まで、逗子市の「シネマアミーゴ」で、なんと無料で上映されます(1ドリンクオーダー制)
 
であること/Being
2020/日本/94分/監督:和田萌/出演:
・あべさきよ(俳優、ナレーター)
・伊藤あかり(朝日新聞社かがみよかがみ編集長)
・市川ひろし(パフォーマー)
・錦光山雅子(元新聞記者)
・匿名(テレビ番組制作)
・匿名(会社員)
・西村宏堂(僧侶、メイクアップアーティスト)
・セクシーDAVINCI(雑多エンターテイナー)
・ビビー・ジェローデル(ドラァグクイーン)
・Amanda Blumenthal(Intimacy Professional Association会長)




3/11、3/14 大阪
人として生まれる

 知られざる世界の作品を大阪から発信する大阪アジアン映画祭。LGBTQ作品も積極的に上映し、ここでひと足早く公開され、後に劇場でも公開が決まったり、話題作になることも多いそうです(『GF*BF』『先に愛した人』などもそうです)。今年の大阪アジアン映画祭は2/28〜3/20に開催され、計63作品が上映されます。韓国の『イニョンのカムコーダー』、ベトナムの『姉姉妹妹』、台湾の『愛・殺』などのレズビアン作品も上映されますが、ここでは『人として生まれる』という性分化疾患をフィーチャーした台湾映画をご紹介します。
 LGBTQ先進国・台湾では、ゲイやレズビアンを描いた作品はたくさん作られてきましたが、性分化疾患を正面から描いた映画は、これまでほとんどなかったようです。監督のリリー・ニーはアメリカで映画を勉強し、今回が長編劇映画デビュー。重く暗くなりそうな内容を、独特の軽みでさらりと表現する演出力に驚嘆させられます。この映画で最も注目すべきは主演のリー・リンウェイで、少年から少女へ、精神と肉体がアンバランスに変化していく難役を、舞台で培った圧倒的な演技力で表現しているそうです。

<あらすじ>
2008年、台湾・基隆の中学校に通う、ちょっと気弱でゲーム好きな少年シーナンの身に異変が起きる。度重なる血尿と貧血。膀胱癌を恐れつつ息子を病院に連れて行った両親に告げられた病名は、「性分化疾患」――シーナンは一つの身体に男性と女性、二つの生殖機能を持って生まれていたのだ。性染色体検査の結果、主治医は「性別適合手術を受け、女性として生きるべき」とシーナンの両親に伝えるが…。

人として生まれる 
原題:Born to be Human [生而為人]
2021年/台湾/105分/監督:リリー・ニー(倪曜)/出演:リー・リンウェイ(李玲葦)、ベラ・チェン(陳雪甄)、イン・ジャオトー(尹昭德)、リー・シュアン(李璇)ほか
3/11(木)18:15にABCホールで、3/14(日)13:00に梅田ブルク7で上映

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