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レポート:第58回 Living Together のど自慢

6月19日(日)、二丁目のバー「九州男」で「2021年度akta活動報告会」と「第58回 Living Togetherのど自慢」が開催されました。のど自慢がリアル開催されるのは本当にひさしぶりでしたが、立ち見が出るほどの盛況で、終始あたたかな雰囲気で盛り上がり、本当によかったです。

レポート:第58回 Living Together のど自慢

特集「6月1日〜7日は「HIV検査普及週間」。今こそ検査を受けましょう!」でもお伝えしていたように、2022年6月19日(日)、二丁目のバー「九州男」で「2021年度akta活動報告会」と「第58回 Living Togetherのど自慢」が開催されました。のど自慢がリアル開催されるのは本当にひさしぶりでしたが、立ち見が出るほどの盛況で、終始あたたかく、長谷川さんの追悼の時間もあり、とても感動的でいいイベントになりました。簡単ではありますが、レポートをお届けします。


 17時に「九州男」に行くと(「九州男」といえば、「九州男」のかつきさんの『沖縄カミングアウト物語~かつきママのハグ×2珍道中!~』がニューヨーク国際映画賞でベストドキュメンタリーを受賞しました。おめでとうございます! 7月のレインボー・リール東京でも上映されるので、まだご覧になっていない方はぜひ)、結構席が埋まっている感じでした。
 「2021年度akta活動報告会」は、オンラインでも配信されていて(ハイブリッド開催)、あらかじめ録画した番組を「九州男」でも観るというスタイルでした。こんなにいろんな活動してるんだなぁとか、スタッフのみなさん本当に元気だなぁとか、デリバリーボーイズの方も登場した!とか、いろいろ見どころがありました。(↓YouTubeでぜひご覧ください)


 18時からは「Living Togetherのど自慢」がスタート。次々にお客さんが来られて、後半は立ち見の方も。大盛況でした。
 YUMEさんの素敵MUSICとジャンジさんの楽しいMCのあと、トップバッターの豪@セルライトさん(ゲイバー「野犬基地」店員)が登場。感染告知を受けて、もうセックスできないんだと、自分はもう二度と誰かに必要とされないんだと、生まれてこなければよかったなどと思ってしまったけど、その後、周囲の友人たちのおかげで、HIV陽性であることは“恥”でも“弱み”でもないんだと思えるようになったという、切なくも感動的な手記を読んでくれました(こちらからお読みいただけます)。豪さんは「自己肯定感」ということについて語り、ご自身も(一時期は低かった時期もあったけど)自己肯定感を得られて、検査を定期的に受けるようになったりという、とてもしっかりしたコメントをしてくれました。そして、椎名林檎の『罪と罰』を、さすがはミセコさんと唸らせる歌いっぷりで(歌詞も見ずに)熱唱し、喝采を浴びていました。素晴らしかったです。「野犬基地」のお客さんも応援に来てくださってました。
 続いて、元NHKアナウンサーで、2016年にRUSHの所持で逮捕され、懲戒免職になり、うつを経験したり大変な思いをしながらも、コミュニティのためにRUSH裁判を応援してくださっていた塚本堅一さんが登場。自己紹介をした後、友人である薬物依存の方の手記を読んでくれました。何度も逮捕され、有罪になったことも…という、とてもリアルで身につまされる手記でしたが、職場の方が、彼を「おかえり」と受け入れ、励ましてくれたというお話がジーンときました。塚本さんにもあたたかな拍手が贈られました。塚本さんが選んだ歌はキョンキョンの『あなたに会えてよかった』でした(名曲! ホントいい歌ですよね〜)。コメンテーターのバビ江さんが、警察から連絡があって友人のために着るものをユニクロで買って持っていったという経験を語ったり、若い子でも割と気軽に薬物に手を出してしまう人が多くなっているがコミュニティ内でどのように啓発していったらいいのかという問題提起をしてくれました。
 それから、長谷川さんの追悼の時間になりました。亡くなる直前、長谷川さんと大塚隆史さんの対談を収録していた(最後にお会いした)山縣さんのお話(映像)、aktaの岩橋さん、バビ江さん、そして「JaNP+」で代表理事を長谷川さんから引き継いだ高久陽介さんもコメントしました。みなさんそれぞれに、長谷川さんって若い人の背中を押すのが上手だったよね、とか、こういうところが素晴らしかったよね、と語っていましたが、長谷川さんが若い方たちを家に呼んでご馳走したことがあったけど、若い方がトイレに入ったら巨大なディルドが4つもあってビックリ…という話には笑わせていただきました。さもありなんという感じ。長谷川さんらしい、素敵エピソードでした。
 のど自慢のトリを飾ったのは、LGBT法連合会やプライドハウス東京でも活躍しているレズビアンの五十嵐ゆりさん。ゲイの方がメインのイベントでとても緊張していたご様子。名古屋の検査イベントで感染がわかり、一緒だった友達にもカミングアウトして、でも、突き放すでもなく、過度に悲劇的に受け止めるでもなく、いい距離感で支えてくれた、毎年6月に名古屋のイベントに行くたびにその時のことを思い出す…という手記を、涙ながらに読んでくれました。五十嵐さん自身、子宮のご病気を患い、つらい経験をしていたので、感情移入してしまったそうです。そして五十嵐さんは、渡辺美里さんの「10years」を歌ってくれました(これまた名曲。ていうか、今回歌われた歌は全部いい歌ばかり。名曲揃いでした)
 最後に、「九州男」のレジェンド、まっちゃんが登場し、ご自身が二丁目に出始めた20代の頃、どこに行っても長谷川さんがいて、ものすごくモテて、話もうまかったから取り巻きがいて、というお話をして、「あなたほどじゃないけどね」と目の前の豪さんに言ったりして(お上手。さすがです)、まっちゃんらしい追悼の言葉を捧げてくれました。
 終始あたたかな、HIVを持ってる人もそうでない人も、薬物などの依存症の経験がある方も、うつなどのメンタルヘルスの問題を経験したり、いま何かとてもつらい思いをしている方なども、独りじゃないんだと思えたり、励まされたり、元気をもらえるような、本当に素晴らしいイベントでした。

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