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特集:2025年9月の映画・ドラマ

2025年9月に上映・放送・配信されるLGBTQ関連の映画やドラマの情報をお伝えします。今月は大阪アジアン映画祭でたくさんのクィア映画が上映されるほか、話題作や大作が多数上映されます。

特集:2025年9月の映画・ドラマ

(『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』より) 


 まだまだ暑さが続きそうな9月ですが、週末は劇場やギャラリー・美術館とともに映画館にも足を運んでみましょう。今月は大阪アジアン映画祭でたくさんのクィア映画が上映されるほか、「オスロ、3つの愛の風景」三部作、『ふたりのまま』『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』『テレビの中に入りたい』『サラバ、さらんへ、サラバ』など、多彩なクィア作品が多数、上映・配信されます。週末は劇場ギャラリー・美術館とともに映画館にも足を運んでみましょう。 
 新たに情報がわかり次第、追加・更新していきます。
 ちなみに9月1日は「ファーストデー」。多くの映画館で1100円〜1200円で映画を観ることができます(特別上映等を除く)。『愛はステロイド』なども上映中です。
(最終更新日:2025年9月11日)

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<今月のトピック>
 8月29日に大阪アジアン映画祭が開幕しましたが、30日に映画『クィアパノラマ』が日本初上映され、舞台挨拶に監督のジュン・リー(李駿碩)が登壇しました。2025年のベルリン国際映画祭パノラマ部門に出品されたこの映画は、関係を持った相手になりすまし、出会いを重ねていくゲイの青年を主人公とするモノクロ作品です。ジュン・リー監督は「クィアの日常を描くためどのような準備をしたのか?」と問われ、「私自身が同性愛者であり、自分の日常生活を反映させています。また映画を観る際、クィアのことがちゃんと描けていないなと思うことがあり、それを自分なりに咀嚼して表現してみたりもしました。商業的なクィア映画はたくさんありますが、日常を描けていないものが多い。本作ではそこをきっちり表現したかったんです」「映画にも登場したマシューは自分のパートナーなんです。オープンなゲイカップルを描いた作品はないような気がするので、そのあたりは自分の日常をベースに盛り込んでいます」と語りました。セックスシーンのあと、長回しで繰り広げられる会話劇に話が及ぶと、監督は「とても詳細な脚本があって、長いリハーサルをし、役者の意見も聞いています」「映画に登場する人はSNSやアプリで出会った人が多いんです。本当に彼らの家で撮影もしています。主人公が初めて彼らの自宅に行くとき、ジェイデン(主人公を演じたジェイデン・チャン)も同じように初めて行くので、フレッシュな気持ちで演じられたと思います」と語りました。(映画ナタリー「【イベントレポート】「クィアパノラマ」でジュン・リーが表現したかったのはクィアの日常」より)

 1930年代にロサンゼルスからメキシコに逃亡する警官と若い男性のロマンスを描くゲイ映画『De Noche(原題)』。『ジョーカー』シリーズのホアキン・フェニックスが持ち込んだ構想やアイデアを基に、『ポイズン』『ベルベット・ゴールドマイン』『エデンより彼方に』『キャロル』などの作品で知られるゲイのトッド・ヘインズが脚本を書き、監督も務め、製作されることになっていましたが、なんと、撮影開始の5日前に主演予定だったホアキン・フェニックスがこの企画から降りる(理由は不明です)という異例の事態が発生し、頓挫していました。が、このたび『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』でイーサン・ホークとのロマンスを演じたペドロ・パスカルが主役候補に浮上し、制作再開に向けて動き出しました。相手役を務めるのはダニー・ラミレス(『キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド』『トップガン マーヴェリック』)です。続報が入りましたら、またお伝えします。(クランクイン!「ホアキン・フェニックス降板のトッド・ヘインズ監督ゲイロマンス映画にペドロ・パスカルが出演交渉」、THE RIVER「ペドロ・パスカル、ホアキン・フェニックスがドタキャンした役に挑戦か ─ 同性愛ロマンス、『キャプテン・アメリカ』ダニー・ラミレスと共演へ」より)
 
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上映中

愛はステロイド

 ステロイドで変わっていく身体と心、それでも逃れられない愛と暴力の連鎖…ルーとジャッキーに待ち受ける結末とは? A24が贈るクィア・ロマンス・スリラー『愛はステロイド』。『トワイライト』シリーズで世界的に有名になったクリステン・スチュワートと、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』でキーパーソンとなるコディアク役で出演しているケイティ・オブライアンが運命的な恋、そしてそこから広がる破壊的な展開を演じて見せていることで話題を呼び、世界各国の映画賞を席巻した作品です。二人ともクィアの俳優で、クリステン・スチュワートは今年4月に同性婚していますし、ケイティ・オブライアンも2020年に同性婚しています。そんな二人が演じる恋と破壊的な人間ドラマに注目しましょう。

<あらすじ>
1989年。トレーニングジムで働くルーは、自分の夢をかなえるためラスベガスへ向かう野心家のボディビルダー、ジャッキーと運命的な出会いを果たし恋に落ちる。しかしルーは、街の裏社会を仕切り凶悪な犯罪を繰り返す父親や、夫からDVを受けている姉など、家族にさまざまな問題を抱えていた。そんなルーをかばおうとするジャッキーは、思いもよらない犯罪網へと引きずりこまれていく…。

愛はステロイド
原題または英題:Love Lies Bleeding
2024年/英米合作/104分/R15+/監督:ローズ・グラス/出演:クリステン・スチュワート、ケイティ・オブライアンほか
8月29日より全国公開



 
<大阪アジアン映画祭>
 8月29日(金)から9月7日(日)まで開催される第21回大阪アジアン映画祭。毎回チケット発売後に即完売する上映が続出するなど全国の映画ファンの注目はもとより国内外映画関係者の注目も高まり続ける、大阪が最も熱くなる映画祭です(今回はオープニングセレモニーにジュディ・オングさんが登場するそうです)。プログラムが公開となり、今回もクロージング作品『好い子』をはじめクィア映画が何本も上映されることがわかりました。上映が9月となる作品もあるのですが、先取りしてここでご紹介しておきます。

9月4日上映 大阪
クィアパノラマ

 8月29日(金)から9月7日(日)まで開催される第21回大阪アジアン映画祭の「特別注視部門」で、都会で生きる孤独なゲイの青年を硬質なモノクロの映像で描き、ベルリン国際映画祭2025パノラマ部門でも上映されたジュン・リー監督の最新作『クィアパノラマ』が上映されます。

<あらすじ> 
関係を持った相手になりすまし、出会いを重ねていくゲイの青年。誰かになりきることでしか自分自身を表現できない彼は、次第に現実感を失っていく…。

クィアパノラマ
英題・原題:Queerpanorama [眾生相]
2025年|香港、アメリカ|88分|言語:英語、中国語|字幕:日本語、英語
監督:ジュン・リー Jun LI [李駿碩]
出演:Jayden CHEUNG、Erfan SHEKARRIZ、Phillip SMITH、Arm ANATPHIKORN、Sebastian Mahito SOUKUP
8月30日(土)20:50 テアトル梅田シネマ4、9月4日(木)21:00 T・ジョイ梅田スクリーン7


9月3日上映 大阪
ワン・ガール・インフィニット

 二人の少女を主人公に、疎外された中国の若者たちを大胆な色彩をまとってリアルに描いた、衝撃的で生々しい青春映画。アカデミー賞受賞脚本家エリック・ロスがエグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ねています。

<あらすじ>
10代の少女インジャーとトントン。万引きをし、車にオレンジを投げてはしゃぎ、同じベッドで眠る。やがてトントンが麻薬の売人と恋仲になると、インジャーは彼女への愛ゆえに、すべてを犠牲にする決意を固める…。

ワン・ガール・インフィニット
原題:1 Girl Infinite
2025年|米国、シンガポール、ラトビア|100分|言語:中国語|字幕:日本語、英語
監督:リリー・フー Lilly HU [胡嘉穎]
出演:チェン・シュエンユー CHEN Xuanyu [陳宣宇]、リリー・フー Lilly HU [胡嘉穎]、ヤン・ボー YANG Bo [陽博]
8月31日(日)16:20 ABCホール、9月3日(水)19:40 ABCホール


9月1日・6日 大阪
紅い封筒

 台湾映画界が世界に放った笑えて泣ける“同性冥婚”エンタメ『僕と幽霊が家族になった件』を、タイが誇るスーパースター、ビルキン&PPクリットを主演に迎えリメイク! 笑って泣けるキュートなホラーコメディ! 製作は『団地少女』『おばあちゃんと僕の約束』『いばらの楽園』(OAFF2025)等で知られるGDHです。 

紅い封筒
2025年|タイ|128分|言語:タイ語|字幕:日本語、英語
監督:チャヤノップ・ブンプラゴーブ
出演:プッティポン・アッサラッタナクン、クリット・アンムアイデーチャコーン、アラチャポン ポーキンパーコン、ピヤマース・モンヤクン
日本初上映 
9月1日(月) 19:00-、9月6日(土) 10:10- いずれもABCホールにて上映


9月1日上映 大阪
ラブポーション

 令和7年度映像(日本映画)<学部生対象>研究表彰 奨励賞受賞作。

<あらすじ>
学校の屋上で自殺しようとしていた美空はカップルの花と瑠奈に助けられ、友達になる。美空は優しい花に家庭の事情を打ち明けるが、瑠奈は二人の親密さに心が落ち着かなくなる。そんな中、”恋薬”の噂が流れる。

ラブポーション
2024年|日本|55分|言語:日本語|字幕:英語
監督:山田夏穂、出演:竹本柚香、田川月乃、大西結歌、北野七海、佐伯理紗子
世界初上映
9月1日(月) 入場無料・予約不要


9月6日上映 大阪
ソン・ランの響き

「アジア映画傑作選 Cinema Journey」という企画の中の一作品として『ソン・ランの響き』が上映されます。『さらば、わが愛/覇王別姫』に通じるようなベトナムの伝統歌舞伎にオマージュを捧げる作品で、素晴らしく美しく、そして大いに感情を揺さぶられる名作です。

<あらすじ>
1980年代のサイゴン(現・ホーチミン)。借金の取立て屋をしているユンは、ある日、カイルオンの劇場へ“仕事”に向かう。「払えない」という団長に暴力をふるい舞台衣装を燃やそうとするが、劇団のスター、リン・フンが止めに入る。翌日、舞台を観に行ったユンは、リン・フンの美貌と歌声に魅せられる。住む世界の違う二人だったが、あるきっかけから互いの来し方を話すうちに距離を縮めていく。カイルオンの伴奏者をしてい父親のソン・ランをユンが奏で、リン・フンが歌う。リン・フンはユンの思いに触れ、カイルオンの道に戻ることを勧めるのだが……。

ソン・ランの響き
原題:The Tap Box[Song Lang]
2018年/ベトナム/102分/監督・脚本:レオン・レ/出演:リエン・ビン・ファット、アイザック(365daband)
9月6日(土)18:20- 大阪市中央公会堂大集会室にて上映。無料


9月7日 大阪
好い子

 大阪アジアン映画祭のクロージング作品として、シンガポール発ドラァグクイーンと家族の再生を描いたヒューマンドラマ作品『好い子』が世界初上映されます。監督は、新世代のシンガポール映画界を牽引するワン・グォシン。金馬奨にノミネートされた『男兒王』など、シンガポールにおけるアイデンティティや社会的なテーマの作品で知られている方です。

<あらすじ>
自分を拒絶した父の死をきっかけに、実家に戻ったドラァグクイーン。認知症の母、理解しあえない兄。バラバラになった家族を繋ぎとめたのは、とっさについた「私はあなたの娘」という嘘。ドラァグクイーン姿の息子を“娘”と信じた認知症の母との時間が、過去を受け入れ、かたくなだった心をほぐしていく。

好い子
原題:好孩子、英題:A Good Child
2025年/シンガポール/105分
監督:ワン・グォシン (ONG Kuo Sin/王國燊)
出演:リッチー・コー(Richie KOH/許瑞奇)、ホン・フイファン(HONG Hui Fang/洪慧芳)、ジョニー・ルー(Johnny LU/路斯明)、チャーリー・ゴー(Charlie GOH/吳清樑)、シェリル・チョウ(Cheryl CHOU/周智慧)
世界初上映 World Premiere
9月7日(日)夜、ABCホールにて上映予定




9月5日公開
「オスロ、3つの愛の風景」

 ノルウェーのダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督の三部作『SEX』『DREAMS』『LOVE』が特集上映「オスロ、3つの愛の風景」として一挙公開されます。三作とも同性間の性や愛が描かれたりゲイが登場したりする作品であり、国際映画祭で高い評価を受けています。「歴代の名匠たちに続く北欧映画界の知られざる名手の渾身の3作品が、満を持しての日本初劇場公開となる」と称されています(cinemacafe.net「ベルリン金熊賞『DREAMS』から続く夢・愛・性の3部作を特集上映「オスロ、3つの愛の風景」」)

『SEX』
 『SEX』は煙突掃除を営む妻子持ちの男性2人が、とある出来事をきっかけに自分自身の「男性らしさ」について悩む異色のコメディ作で、ベルリン国際映画祭のパノラマ部門でエキュメニカル審査員賞など3部門を受賞しています。煙突掃除人の1人は、ゲイではないと言いながら「男性と初めてセックスをした」と淡々と報告し、友人が戸惑ったり、また、妻にそのことを告げたうえで「それでも好きなのは君だ」と言ったり、といったシーンが描かれているそうです。監督は「人の性の経験というのは、思っている以上に幅広くて、多様なものだと思うのです。そして、自分が属すると感じているカテゴリーが、その多様さを必ずしもすべて受け止めてくれるとは限らない。セクシュアリティというのはもっと曖昧で流動的なもので、世の中で一般的に描かれるものよりずっと多面的です」と語っています(スクリーンオンライン「第75回ベルリン国際映画祭にて最高賞<金熊賞>を受賞したダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督独占インタビュー!」より)
<あらすじ>
煙突掃除を営む妻子持ちの2人の男。1人は男性との衝動的なセックスを通じて新しい刺激を覚えるが、悪びれることなく妻にこの話をしたことで夫婦間がこじれる。もうひとりはデヴィッド・ボウイに女として意識される夢を見て、自分の人格が他人の視線によってどう形成されているのか気になり始める。良き父、良き夫として過ごしてきた2人は、この奇妙な出来事がきっかけで自らの“男らしさ”を見つめ直すようになる。
SEX
原題:Sex
2024年/ノルウェー/118分/G/監督:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード/出演:ヤン・グンナー・ロイゼ、トルビョルン・ハール、シリ・フォルバーグ、ビルギッテ・ラーセンほか


『DREAMS』
 今年の第75回ベルリン国際映画祭でノルウェー映画初となる金熊賞を受賞するという快挙を成し遂げた作品。女子高校生ヨハンネが女性教師に初恋をして、誰にも相談できない葛藤を描いた手記を綴り、その内容を見た祖母と母が衝撃を受けながらも、ヨハンネの作家としての才能に気づく…という物語です。女性どうしの恋愛がスキャンダラスではなく自然に描かれていること、三世代の女性たちの家族の会話の中に当たり前のように「父親」という男性が不在であるという点、教師と高校生との関係をめぐる倫理性が、もし男女の関係だったらもっと問われていたであろうところが、女性どうしであったために薄れているとしたら、それはそれで現代社会のある種の危険性をはらむかもしれない、といった点が興味深いと、鐙麻樹氏(北欧・国際比較文化ジャーナリスト、ノルウェー国際報道協会会員)は語っています(Yahoo!「この感情は「おかしい」のか?ノルウェー発・3つの愛が心をざわつかせる」より)
<あらすじ>
女性教師のヨハンナに初めての恋をした17歳のヨハンネは、この恋焦がれる想いや高揚を忘れないようにと自らの体験を手記にする。そしてこの気持ちを誰かに共有するため、詩人の祖母に手記を見せたことから、物語は思いもよらない展開へと進み始める。
DREAMS
原題:Drømmer
2024年/ノルウェー/110分/G/監督:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード/出演:エラ・オーバービー、セロメ・エムネトゥ、クリスティンアネ・ダール・トルプ、アンネ・マリット・ヤコブセンほか


『LOVE』
 ヴェネチア国際映画祭に出品された『LOVE』は、2人の医療従事者の物語。異性愛女性の医師・マリアンヌと、ゲイの看護師・トール。結婚を拒むマリアンヌは自由な恋愛をし、トールはマッチングアプリで一夜限りの関係を繰り返しています。恋愛に不器用な大人たちが、それぞれの本音をさらけ出しながら、さまざまな愛の形を模索し、肯定していく姿を映し出した作品です。
<あらすじ>
泌尿器科に勤める女性医師のマリアンヌとゲイの看護師のトール。共に独身でありステレオタイプな恋愛を避けている。マリアンヌはある時トールから、マッチングアプリから始まるカジュアルな恋愛の親密性を教えてもらう。興味を持ったマリアンヌは自らの恋愛の方法の可能性を探る。一方トールはフェリーで出会った男性を偶然勤務先の病院で見かけ――。
LOVE
原題:Kjærlighet
2024年製作/ノルウェー/120分/G/監督:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード/出演:アンドレア・ブライン・フービグ、タヨ・チッタデッラ・ヤコブセン、マルテ・エンゲブリクセン、トーマス・グレスタッドほか

「オスロ、3つの愛の風景」
9月5日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー

9月10日 京都
J・Triangular短編作品上映&トーク

 台湾の映像アーティスト、J・Triangular(ジェイ・トライアンギュラー)の作品上映会が開かれます。コロンビア出身で台湾を活動拠点とするJは、ジェンダーや社会における暴力の歴史や恐怖の記憶をテーマにした作品をVHSカメラと8mmカメラを用いて制作しています(Visual AIDSにも参加しています)。これまで台湾、日本、ベトナム、タイ、コロンビア、南アフリカなど、様々な地域でクィアやトランスジェンダーのコレクティブと連携し作品を発表してきました。京都では、トランスジェンダーの生存と愛を過激に祝福する「THE FIRST KISS OF THE NIGHT -PART I」をはじめ「THE MARTIAL FOREST」などホラーや音楽からなる5作品を上映します(ドラァグクイーンみたいなぶっ飛んだ人がいろいろ登場するそうです)。上映後には、クィア映画を研究する同志社大学の菅野優香さんとのトークショーもあります。

J・Triangular短編作品上映&トーク
日時:2025年9月10日(水)19:30-21:00 (受付/開場 19:00)
会場:アップリンク京都
入場無料
こちらからお申し込みください
主催:Queer Visions Laboratory、同志社大学菅野優香研究室



9月10日配信スタート
ヘルヴァ・ボス

 クィアでブラックなミュージカル・コメディ・アニメドラマ『ハズビン・ホテルへようこそ』のスピンオフ作品『ヘルヴァ・ボス』がアマプラで配信されることになりました。地獄を舞台に「即殺プロフェッショナルズ」(通称IMP、地獄に住む悪魔が営む暗殺会社で、地上の人間を殺すことが生業)というカオスな暗殺ビジネスを描くクィアだらけのミュージカル・ブラックコメディ・アダルトアニメです。ダークでコミカルなテイストながら、突然歌が始まったりするミュージカルでもあります。ハズビンホテルと同じヴィヴィアン・メドラーノが製作しています。プライド月間に公式に下記の(レインボーフラッグだけでなく、いろんなセクシュアリティのフラッグがデザインされていて、ゲイやレズビアンやパンセクシュアルやトランスジェンダーやアセクシュアルのキャラクターだということが窺える)画像が出され、7月のコミコンで正式にアマプラでの配信が発表され、米国のクィアの間で期待が高まっているようです。

ヘルヴァ・ボス
Prime Videoで9月10日配信スタート



9月19日〜25日 東京
ロボット・ドリームズ

 新宿武蔵野館で『ロボット・ドリームズ』が1週間限定で上映されます(レビューはこちら)。同館では昨年の11月8日から今年8月14日まで40週間にわたって、近年では異例の、稀に見る超ロングランを記録したそうですが、映画で印象的に使われていた「September」にちなんでもう一度アンコール上映するそうです。しかも、入場者「全員」にもれなくプレゼントがあるそうです。

<あらすじ>
1980年代のニューヨーク。ひとり暮らしで深い孤独を感じていたドッグは、通販番組で、ある商品に心をひかれて注文する。後日、大きな箱で届いた部品を組み立てると、ロボットが完成する。徐々に友情を深めていくドッグとロボットは、夏を迎え海水浴へ出かけるのだが……

ロボット・ドリームズ
原題:ROBOT DREAMS
2023年/スペイン=フランス/102分/監督:パブロ・ベルヘル



9月20日公開
ふたりのまま

 昨年のニュースで、子育てをしている(していた)性的マイノリティが242人に上ることが明らかになっていますが、日本で子育てをしている、あるいは子どもを授かりたいと願う4組の女性カップルを追ったドキュメンタリーがついに登場しました。親たちおよび精子提供をしてくれた友人と一緒に赤ちゃんを育てるふたり(精子提供者として海外のゲイの方も登場)、ステップファミリーになるため同棲を始めたシングルマザーとそのパートナー。長く不妊治療を続けてきたもののさまざまな「期限」に焦りを感じているふたり、精子提供により生まれた娘さんがまもなく成人を迎えるカップルという、4組4様の家族が抱く、子どもへの愛情、子育ての悩み、未来への願いを映し出します。同性婚が認められないがゆえにパートナーの子との間の法的関係がない(親権が認められない)ことや、特定生殖補助医療法案の問題などにも触れられていますが、こんなにたくさんのクィア女性が顔出しで映画に出ていること自体がすごいです。ハッとさせられたり、思わず見入ってしまったりの連続。画期的です。
 この映画を作ったのは、子どもを育てたい、あるいはすでに子どもがいるLGBTQを10年以上にわたってサポートしてきた一般社団法人こどまっぷの共同代表・長村さと子さん。ご自身も、パートナーの茂田まみこさんと一緒に子育てをしています。パレードで「 Family Pride」のフロートを出したり、今年は子育てするLGBTQを写した「シルエットファミリー展」のブースも出展していました。
 LGBTQコミュニティから生まれた映画が新宿K's cinemaという二丁目にも近い一般の映画館で上映されます。応援しましょう。

ふたりのまま
2025年/日本/88分/製作:こどまっぷ/監督・撮影:長村さと子
新宿K's cinemaで9月20日より上映

 

9月26日公開
ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男

 ザ・ビートルズを世に送り出した人物で“5人目のビートルズ”として知られるブライアン・エプスタインの短くも濃厚な32年の人生を、バンドの知られざる内幕と共に描いた、スリリングなサクセスストーリーにして、胸を打つヒューマン・トゥルーストーリー『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』。過酷なマネージャー業務を鮮やかにこなす一方、業務過多から薬物中毒に陥った心優しいビジネスマンだったエプスタインは、自身がゲイであるという事実と周囲の偏見から、次第に精神のバランスを失っていく…当時は他者に気軽に相談できるような時代ではなく、彼の魂の憂いは深くなる一方だった…というストーリーで(これはドキュメンタリーではなく、伝記映画です)、世界を変えたビートルズというモンスターバンドの裏で、人知れず悩み、闘っていた一人のゲイの姿が涙を誘う作品になっているようです。ブライアン役は『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』などに出演した新進俳優ジェイコブ・フォーチュン=ロイド。ブライアンを支える両親の役をエディ・マーサンとエミリー・ワトソンという名優がつとめます。

ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男
原題:Midas Man
2024年/英国/112分/PG12/PG12/監督:ジョー・スティーブンソン/出演:ジェイコブ・フォーチュン=ロイド、エミリー・ワトソン、エディ・マーサン、エド・スペリーアス




9月26日公開
テレビの中に入りたい

 A24製作のメランコリックスリラー『テレビの中に入りたい』は、1990年代のアメリカ郊外を舞台に、自分探しにもがく若者たちを描いた物語。2024年サンダンス映画祭のミッドナイト部門でプレミア上映されて以降、第74回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品され、第40回インディペンデント・スピリット賞では作品賞を含む主要5部門にノミネートされました。
 監督のジェーン・シェーンブルンはノンバイナリーであることをカムアウトしており、クィア映画の推進者でもああり、「隠していた本当の自分を心の中に戻し、見なかったフリをして半分死んだような人生を続けるか、未知と対峙するか。それは完全な社会的死を意味するのも同然で、本質的に自分が知る現実の終わりでもあります。本作のジャンルの要素と中心的なメタファーは、語りたいという私の願望から生まれました。そして他の多くのトランスジェンダーたちが、本当の自分を否定される世界の中で自分らしくいる方法を模索する経験をしてきたと思います」と語っています。

<あらすじ>
冴えない毎日を過ごすティーンエイジャーのオーウェンにとって、毎週土曜日の22時30分から放送される謎めいたテレビ番組「ピンク・オペーク」は、生きづらい現実を忘れさせてくれる唯一の居場所だった。オーウェンは同じくこの番組に夢中なマディとともに、番組の登場人物と自分たちを重ね合わせるようになっていく。しかしある日、マディはオーウェンの前から姿を消してしまう。ひとり残されたオーウェンは、自分はいったい何者なのか、知りたい気持ちとそれを知ることの怖さとの間で身動きが取れないまま、時間だけが過ぎていく。

テレビの中に入りたい
原題:I Saw the TV Glow
2024年/アメリカ/102分/PG12/監督:ジェーン・シェーンブルン/出演:ジャスティス・スミス、ジャック・ヘブン、ヘレナ・ハワード、リンジー・ジョーダン、フレッド・ダースト、ダニエル・デッドワイラーほか
9月26日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次ロードショー



9月26日公開
サラバ、さらんへ、サラバ

 茨城の⽥舎町に住む⼥⼦⾼⽣カップルの⽇常と別れを描く短編映画です。脚本家として活動してきた洪先恵さんが⾃らの体験に基づいて描き出した作品で、初監督も務めています。第20回⼤阪アジアン映画祭 インディ・フォーラム部⾨、第39回 BFIフレア:ロンドン LGBTIQ+映画祭 Daydreamer部⾨をはじめ各国の映画祭に多数選出され、韓国 第13回ディアスポラ映画祭では観客賞を受賞するなど⾼い評価を受けています。
 監督のコメントをご紹介します。
「いつの間にか終わってしまった初恋を思って作った映画です。同性の相⼿に⻑い間⽚思いして、やっと両思いだとわかった途端、ケンカも、話し合いもできないまま、親どうしの話し合いだけで無かったことにされてしまった記憶。その記憶は29歳の今になっても、解決できないモヤモヤとしてまだ私の中に残っています。だからこそ、本気で別れに向き合う⼥の⼦たちを描きたいと思いました。ダサくても、汚くても、二人にとっては真剣な、⾃分たちで決めた別れです。映画を観てくれる皆さんも、⾃分の真剣だった恋を思い出してほしいと思います」
 
<あらすじ>
16歳、茨城の⽥舎町に住む⼥⼦⾼⽣カップルの仁美と菜穂。アイドルになることを夢⾒る菜穂を、仁美は献⾝的に⽀えていた。仁美はある⽇、菜穂から「K-POP アイドルになるため韓国に⾏く」と告げられ、二⼈に突然の別れが訪れる。

サラバ、さらんへ、サラバ
2024年/日本/26分/G/監督:洪先恵/出演:蒔田彩珠、碧木愛莉、テイ龍進、石崎なつみほか


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