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2025-2026 冬〜新春のクィア・アート展
2025年12月〜2026年2月に開催されるLGBTQ(クィア)関連のアート展の情報をまとめてご紹介します。ドラァグの要素もあるネルソン・ホーの個展「鏡中花、水中月」などが開催されます

(ネルソン・ホー「鏡中花、水中月 - A Mere Reflection of Flower and Moon」より)
街はすっかりクリスマスムード。1年経つのがあっという間ですね。12月は何かと忙しいかと思いますが、ぜひ劇場や映画館などと合わせてギャラリーや美術館にもお出かけください。というわけで、2025年12月〜2026年2月に開催されるLGBTQ(クィア)関連のアート展の情報をまとめてご紹介します。
今後も新しい情報が出てくると思いますので、わかり次第、追加していきます。
(最終更新日:2026年1月9日)
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トピック
クィア×アートについての内外のトピックをご紹介します。
香港出身のコレクター/アートパトロン、パトリック・サンが設立したサンプライド財団による国際的なクィア・アート展シリーズ「Spectrosynthesis(スペクトロシンセシス)」が2027年に東京都現代美術館で開催されます。同シリーズはアジアにおけるクィア・アートの歴史と現在を可視化し、多様性と平等の推進を目的とした国際プロジェクトとして高い評価を得てきました。2017年の台北當代藝術館での初回展を皮切りに、2019〜20年のバンコク文化芸術センター、2022〜23年の香港・大館コンテンポラリーと続き、2026年3月からはソウルのアートソンジェセンターで開催予定です。今回、東京都現代美術館と協働して行われる第5回展では、日本および周辺アジア地域のLGBTQ+コミュニティを取り巻く社会状況に光を当てつつ、国際的な視野からジェンダーやセクシュアリティをめぐる現代的課題を掘り下げます。展示はサンプライド財団のコレクションを中心に、国内外のアーティストによる借用作品や本展のために制作される新作によって構成される予定だそうです。まだまだ先の話ですが、楽しみですね。
(美術手帖「クィア・アートの国際展「Spectrosynthesis」、2027年に東京都現代美術館で開催へ」より)
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~12月21日 小淵沢
中村キース・ヘリング美術館 世界エイズデー2025
中村キース・ヘリング美術館では、今年も世界エイズデーにちなんだ特別企画を実施します。
①キース・ヘリングが生前に制作したポスターや資料の展示
今年新たに米国のキース・ヘリング財団より寄贈を受けた1987年制作のポスター「セーフ・セックス!」をはじめ、キース・ヘリングのHIV/エイズ・アクティビズムに関する資料を公開いたします。
②HIV・エイズタイムラインの展示
1981年から2025年にかけてのHIV/エイズの歴史をまとめた年表を、館内のオープンスペースでご紹介しています。ぜひ資料とあわせてご覧ください。
③文化学園大学文化祭での資料展示
④マダム ボンジュール・ジャンジ氏と当館ディレクターによる対談映像の上映
文化学園大学文化祭で行なったディレクターのヒラクさんとマダム ボンジュール・ジャンジさんとのトークイベントの模様を館内のオープンスペースで上映。
⑤ミュージアムショップでのブース展開とコンドームの無料配布
今年も、相模ゴム工業株式会社ご協力のもと、ショップにてコンドームの無料配布を行います(11月22日より配布開始、無くなり次第終了)。館内のミュージアムショップでは、ACT UPのグッズや書籍なども販売します。
中村キース・ヘリング美術館 世界エイズデー2025
日時:2025年11月22日(土)〜12月21日(日) 9:00〜17:00(最終入館16:30) *会期中休館日なし
会場:中村キース・ヘリング美術館(山梨県北杜市小淵沢町10249-7)
入館料:1,500円、障がい者⼿帳等提⽰600円(ご同⾏者1名同料⾦)、16歳以上の学生800円
ミュージアムショップとオープンスペースはどなたでも無料でお入りいただけます。どうぞお気軽にお立ち寄りください!
〜12月8日 東京
時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989-2010
1989年から2010年まで、約20年にわたる日本の現代美術の展開をたどる「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989-2010」は、奈良美智さんや村上隆さん、石内都さんなど国内外の50を超えるアーティストを取り上げ、その表現を多角的に紹介する企画展です。
1989年を転換点として登場した新たな批評性と革新的なエネルギーにあふれた表現を取り上げる「イントロダクション:新たな批評性」では、森村泰昌さんがマネの「オランピア」の裸婦に扮した《肖像(双子)》が展示されます。
ジェンダーやナショナリティといった慣習や規範に挑戦するテーマをもつ作品から、再解釈された日本文化を映し出す作品まで、自他のまなざしの交換のなかで、さまざまな角度からアイデンティティを問う試みを取り上げる「レンズ2:自己と他者と」では、ダムタイプの《S/N》が上映されます(次いつ観れるかわからない、貴重なビデオです。この機会にぜひ)
ほかにも、ダムタイプ《S/N》にパフォーマーとして参加し、森永砒素ミルク被害者の木村年男さんへの性介助の経験を映した映像作品などを制作してきた高嶺格さん(今回は《God Bless America》が出展されます)、90年代から2000年代にかけて「拘束のドローイング」や「クレマスター」シリーズで現代アート界に旋風を巻き起こしたアーティスト。ビョークの夫でもあるマシュー・バーニー、、日本の消費社会の表層にひそむ「カワイイ」や「ピンク」に着目した作品を制作してきた西山美なコさんの《ザ・ピんくはうす》、沖縄の米軍基地のフェンスの前でブルーシールのアイスを扇情的に舐める(国立国際美術館の『ノー・バウンダリーズ』展でも上映されていた)山城知佳子さんの《I Like Okinawa Sweet》など、クィアの周辺だったり、CAMPと言えそうな作品が結構いろいろ展示されそうです。
時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989-2010
会期:2025年9月3日(水)〜12月8日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
開館時間:10:00-18:00(金土は20:00まで) ※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:火曜 ※9月23日(火祝)は開館し、翌24日(水)が休館
観覧料:一般 2,000円、大学生 1,000円、高校生 500円、中学生以下 無料 ※障害者手帳の持参者および付添者1名は入場無料
出品作家:会田誠、マシュー・バーニー、蔡國強、クリスト、フランソワ・キュルレ、ダムタイプ、福田美蘭、ドミニク・ゴンザレス=フォルステル、デイヴィッド・ハモンズ、ピエール・ユイグ、石内都、ジョアン・ジョナス、笠原恵実子、川俣正、風間サチコ、小泉明郎、イ・ブル、宮島達男、森万里子、森村泰昌、村上隆、長島有里枝、中原浩大、中村政人、奈良美智、西山美なコ、大竹伸朗、大岩オスカール、小沢剛、フィリップ・パレーノ、ナウィン・ラワンチャイクン、志賀理江子、島袋道浩、下道基行、曽根裕、サイモン・スターリング、ヒト・シュタイエル、トーマス・シュトゥルート、束芋、高嶺格、フィオナ・タン、照屋勇賢、リクリット・ティラヴァニャ、椿昇、フランツ・ヴェスト、西京人、山城知佳子、やなぎみわ、柳幸典、ヤノベケンジ、米田知子ほか
〜12月20日 東京
森栄喜・個展「Moonbow Flags」
2014年にオープンリー・ゲイの写真家として初めて、写真界の芥川賞と言われる木村伊兵衛写真賞を受賞した森栄喜さん。「intimacy」(2013年)で同性の恋人や友人との親密な関係を、「Family Regained」(2017年)では血縁に基づかない新たな家族のあり方を探求してきました。前回の個展「ネズミたちの寝言|We Squeak」(2023年)では、一人ひとりが眠るという受動的な行為を通じて抵抗の可能性を探るインスタレーションを展開しましたが、2年ぶりの個展となる今回の個展「Moonbow Flags」は、森さんが描いた白い図形とポートレートを組み合わせた新しい写真シリーズです。前回と同じく個の行為に着目しながらも、「眠る」ことから「旗を掲げる」ことへと視点を移し、一人ひとりの行為が社会の中でどのように機能し得るのかを問い直します。「ネズミたちの寝言|We Squeak」では静かな抵抗が集合することを示唆したのに対し、「Moonbow Flags」では、旗というシンボルが個々の存在によって流動し変化しうることの可能性を標榜し、個人と社会の関係性をより視覚的に浮かび上がらせます。
今回の作品の着想の一つとなったのは、1968年5月にフランスで起きた「五月革命」のスローガン「敷石の下はビーチ!」という言葉です。抑圧の下に広がる自由の可能性を示唆するこの言葉を起点に、森さんは国家や権力の象徴としての「旗」と、日常の中で見られるキッチンのタイル模様や壁紙の幾何学模様とを組み合わせ、固定されたシンボルの意味を再解釈する試みを行ないました。ちなみにタイトルにある「Moonbow(ムーンボウ)」とは、月光によって生じる虹を指し、通常の虹とは異なり、目を凝らさないと見えないほど微かに浮かび上がる現象です。「Moonbow Flags」というタイトルには、既存の旗が持つ権威や象徴性を解体し、偶然性や遊び心を取り入れることで、固定観念にとらわれない新たな視点を提示する意図が込められています。
森栄喜・個展「Moonbow Flags」
会期:10月10日(金)〜12月20日(土)
会場:KEN NAKAHASHI
開廊時間:火–土 13:00-20:00
休廊:日・月
オープニング:10月10日(金)18:00-20:00 ※森さんも在廊します
12月6日〜12月27日
ネルソン・ホー「鏡中花、水中月 - A Mere Reflection of Flower and Moon」
ネルソン・ホーはマレーシア出身で、多摩美術大学日本画専攻を卒業し、LGBTQやメンタルヘルスといった現代社会の根源的な課題に向き合う、繊細かつ詩的な表現を生み出してきました。今回の展覧会「鏡中花、水中月 - A Mere Reflection of Flower and Moon」は、濃密な宗教文化の中で育ったLGBTQの人びとにとって「美」がどのように精神的な拠り所となり得るのか——その内的世界とクィア(Queer)の美学を独自の視点から掘り下げるものです。
本展のテーマ「鏡中花、水中月」は、中国の慣用句「鏡花水月」に基づいていて、美しいものが儚く手に入らないことを象徴しています。ホーが「イスラム宗教色の強いマレーシアに育ったゲイの私にとって、美は宗教に代わるものでした」と語っているように、彼の体験から生まれた作品群は、濃密な宗教文化の中で生活するLGBTQの人々にとっての精神的な拠り所を探るものです。ホーの作品は、現代社会が直面する根源的な課題に対する丁寧な答えを提供しており、美は単なる贅沢品ではなく、精神的な「サバイバルの必需品」であると訴えています。彼は、クィア文化を通して美の概念を再構築し、すべての現代人が抱える心の痛みに共鳴する作品を作り上げています。会場では、ホーの新作ペインティングや立体作品が展示されるだけではなく、戦後日本のデザインスタイルを代表するイサム・ノグチや水之江忠臣、柳宗理の家具も配置され、日常に溶け込む美しさが表現されています。ギャラリーが「クィアの聖域」として再構成され、来場者は日々の中に潜む美を再発見することができるのです。
会期中には記念行事も多数予定されています。初日の12月6日には、内海潤也氏を招いたギャラリートークが行われ、彼の視点からクィアアートについて深く掘り下げる機会が提供されます。さらに12月13日には、Nixie HumidityとAndromedaによるドラァグクイーンパフォーマンスも開催され、まさにクィア文化の美を体感できる贅沢な時間となることでしょう。(サードニュース「ネルソン・ホー個展「鏡中花、水中月」に潜む深いテーマ」より)
ネルソン・ホー「鏡中花、水中月 - A Mere Reflection of Flower and Moon」
会期:2025年12月6日(土)〜12月27日(土) ※オープニングレセプション:5日(金)17時〜
会場:√K Contemporary(ルートKコンテンポラリー)(東京都新宿区南町6)
開場時間:13:00–19:00
休廊日:日月
〜2026年1月7日 恵比寿
総合開館30周年記念 遠い窓へ 日本の新進作家 vol.22
「東京都写真美術館では、写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘するとともに、新たな創造活動を紹介することを目的として、2002年より継続的に「日本の新進作家」展を開催しています。第22回となる本展では、人と時代の流れ、場所、風習といった物事との結びつきから生まれる小さな物語に焦点をあてた5名の新進作家の作品を紹介します。今日、多様性の尊重やインクルーシブな社会が求められています。異なる価値観を持つ人々とのコミュニケーションや共に生きることの想像力が重要になっています」との趣旨で選ばれた5名の新進作家のうちの一人が、寺田健人さんという1991年沖縄県生まれの写真家です。今回展示されている《想像上の妻と娘にケーキを買って帰る》という作品は、公園が舞台で、娘の靴などもあるけれども、写っている人物は寺田さん一人だけという写真で、「生まれ持った性によって決定され内面化される性的規範や社会規範、セクシュアリティ、男性性、そこから排除されるクィア的な性/生のありようなどが多重化された批評的な作品」です(TOKYO ART BEATより)。「社会の枠組みやジェンダーへの問い。小道具としての子供服や玩具には、女の子として生きてみたかったという思いも含まれている」そうで、この作品は「「ステイホーム」「家族との時間」が推奨されたコロナ禍に、社会から置いてきぼりになりそうという不安から、LGBTQ+というアイデンティティーと向き合うように制作を始めた」のだそうです(ぴあ「【展示レポート】『遠い窓へ 日本の新進作家 vol.22』5名のアーティストがつむぐ物語に思いを寄せる」より)
東京都写真美術館総合開館30周年記念 遠い窓へ 日本の新進作家 vol.22
会期:9月30日(火)~2026年1月7日(水)
会場:東京都写真美術館 3F展示室
開館時間:10:00-18:00(木金は20:00まで)
休館日:毎週月曜(月曜が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12月29日~1月1日)※1月2日(金)は10:00-18:00開館
観覧料:一般700円、学生560円、65歳以上350円 ※中学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料。TOPMUSEUM PASSPORT 2025提示者は割引または無料(回数上限あり)。第3水曜日は65歳以上無料。1月2日(金)、3日(土)は無料。 ※学生、高校生・65歳以上の方、各種お手帳をお持ちの方は、いずれも証明できるものをご提示ください。 ※各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。 ※各種割引の併用はできません。
12月6日〜2026年2月23日 渋谷
企画展「性別越境の歴史学-男/女でもあり、女/男でもなく-」
國學院大學博物館の企画展です。学外の方も入場できます。
「人類の最も自然的な側面と考えられがちな「性」は、極めて文化的な性格を有している。むしろ、生物学的な「男/女」に限定されない性のあり方こそ、動物と人間とを截然と分かつものだ。そして人々は、性別の垣根を越境してみせることで、超越した異能を身に付けることさえできると信じられてきたのである。とりわけ、祭祀や芸能に関わる世界では、異性装をはじめとする「性別越境」が重要な意味を持つことがあった。そこで本展覧会においては、「あいまいな性」を許さなくなった明治以降の感覚を問い直しつつ、歴史的な「性」に対する意識を瞥見した上で、今日まで命脈を保ってきた日本文化における性の多様性について明確にしていきたい」(公式サイトより)
企画展「性別越境の歴史学―男/女でもあり、女/男でもなく―」
会期:12月6日(土)~2026年2月23日(月祝)
会場:國學院大學渋谷キャンパス 國學院大學博物館 企画展示室
開館時間:10時~18時(最終入館17時30分)
休館日:毎週月曜(祝日、12月22日は開館)、12月21日(日)、12月24日(水)~1月5日(月)、1月17日(土)~1月19日(月)、2月2日(月)~2月4日(水)
無料
12月9日〜2026年1月24日 六本木
グループ展 “Pink”
これまでに何度となくクィア関連のアート展を開催してきた六本木のオオタファインアーツでグループ展 “Pink”が開催、ミン・ウォンやブブ・ド・ラ・マドレーヌさん、草間彌生さんらの作品が展示されます。ミン・ウォンはたいへんCAMPなテイストの作品が素敵なクィアのアーティストですし、ブブ・ド・ラ・マドレーヌさんはダムタイプの『S/N』に出演し、今もゲイコミュニティのすぐ隣で発信している方、草間彌生さんはストーンウォール以前の1968年、世界で初めて同性結婚式を執り行なったという、クィア的にもレジェンドな方です。
「オオタファインアーツ東京では、グループ展「ピンク」を開催いたします。本展は、ギャラリーに所属するアーティストたちによる“ピンク”を用いたさまざまな表現を紹介するものです。
女性性や可愛らしさと結びつけられてきた一方で、主体性、連帯、アイロニー、抵抗など、文化的・社会的文脈の中で多面的な意味を帯びてきたピンク。本展では、フェミニニティとクィアネス、享受と葛藤、可愛さと抵抗、欲望と幻想といった幅広い視点が、作品群を通じて立ち上がります。
色彩を手がかりに浮かび上がる多様な視点と表現をご高覧ください」(公式サイトより)
グループ展 “Pink”
会期 : 12月9日(火)〜2026年1月24日(土)
会場 : オオタファインアーツ東京
開館時間:11:00-19:00
休館日:月曜、日曜、祝日、12月28日〜1月5日
出展作家:ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、マリア・ファーラ、半田真規、草間彌生、嶋田美子、チェン・ウェイ、ミン・ウォン、¥ouada(ヨアダ)
〜2026年2月15日 表参道
アンディ・ウォーホル 「SERIAL PORTRAITS – SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」
一昨年、京都で大回顧展が開かれたことも記憶に新しいアンディ・ウォーホル。ポップ・アートの旗手と呼ばれる現代美術の巨匠であり、オープンリー・ゲイであるウォーホルの、セルフ・ポートレートに焦点を当てた展覧会が来年の2月まで表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催されています。注目したいのは、有名なシルクスクリーン作品の前にウォーホルが(おそらくゲイとしてのセクシュアリティを表現して)描いたドローイング作品です。「冒頭を飾るのは、1950年代にボールペンで描かれた若い男性のドローイングです。ほとんど公開されることのないこれらのドローイングは、彼が初期に手掛けていた広告イラストに見られた、表現豊かで個性が色濃く出たスタイルをうかがい知ることができる貴重な作品です。この卓越した描画力はその後の創作でも折に触れて現れますが、シルクスクリーン作品においては影を潜めます」(公式サイトより)。それ以外にも、「《Unidentified Male》の私的なスケッチ」や、「亡くなる前年に「フライト・ウィッグ(恐怖のかつら)」の名で親しまれる乱れ髪のかつらを被って証明写真機で撮った写真」など、クィア的に気になる作品が展示されています。表参道に行かれた際はぜひお立ち寄りください。
ANDY WARHOL
SERIAL PORTRAITS
SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION
会期:10月2日(木)〜2026年2月15日(日)
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京(東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7F)
開館時間:12:00-20:00
不定休
無料
12月20日〜3月8日
セカイノコトワリ―私たちの時代の美術
世界のグローバル化が進み、日本人作家の海外での発表の機会が増えた1990年代から現在までの美術表現を中心に、20名の国内作家による作品を紹介する展覧会です。世界と人間との関係をめぐるアーティストたちの考察や実践を「日常」「アイデンティティ」「身体」「歴史」「グローバル化社会」といったキーワードを手がかりに読み解き、展覧会での鑑賞者の作品体験が、あたかも航海上の潮流やうねり、未知の島との遭遇などを記録した「海図」のような物語として描き出されることを試みます。
本展では、ダムタイプの古橋悌二さんの遺作であり、『S/N』と対をなすような、儚くもかけがえのない没入体験をもたらす素晴らしい作品《LOVERS-永遠の恋人たち》(1994)が展示されます。
また、『S/N』にもパフォーマーとして参加していた高嶺格さんは、自身のパートナーとの関係を起点にした《Baby Insa-dong》(2004)を出展します。「2003年の展示「在日の恋人」の続編的な作品となり、「あなたのその、在日に対する嫌悪感は、なんやの?」というパートナーの問いに答えようとする作家と彼女の会話やモノローグのテキスト、結婚式の様子を記録した写真、余興で登場するドラァグ・クイーンの映像などで構成される。フィルムロールのように連続する写真とテキストを通して、歴史や国家、アイデンティティへの問いが私的な語りのなかで展開する」とのことです(TOKYO ART BEAT「「セカイノコトワリ―私たちの時代の美術」(京都国立近代美術館)レポート。90年代から現在まで、日本の美術表現と社会の30年」より)
セカイノコトワリ―私たちの時代の美術
会期:2025年12月20日(土)~2026年3月8日(日)
会場:京都国立近代美術館
開館時間:10:00-18:00、金曜日は20時まで ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜(ただし、1月12日(月祝)、2月23日(月祝)は開館)、12月30日(火)~1月3日(土)、1月13日(火)、2月24日(火)
1月16日〜31日 仙台
東北裸祭り写真展
仙台のコミュニティセンターZELで今年も「東北裸祭り写真展」が開催されます。2024年に終了した黒石寺蘇民祭をはじめ、熊野神社蘇民祭(岩手県奥州市江刺区)、七日堂裸参り(福島県河沼郡柳津町)など東北の裸祭りの様子を伝える写真を展示します。写真提供は「若褌~若者よ褌になれ~」さんです。約20点の展示のほか、展示作品以外も閲覧用ファイルで閲覧可能だそうです。
東北裸祭り写真展
会期:2026年1月16日(金)〜31日(土)
会場:community center ZEL
開館時間:月火金土18:00-22:00、日15:00-20:00
休館:水木
Gay Men Only
参加無料
2月11日~5月11日 東京
テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート
1980年代後半から2000年代初頭にかけて制作された英国美術に焦点を当てる企画。サッチャー政権時代(1979-90年)を経験して失業率が悪化するなど緊張感漂う英国社会では、既存の美術の枠組みを問い、作品の制作や発表において実験的な試みをする作家たちが数多く登場しました。当時「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれた作家たち、そして、彼らと同時代のアーティストたちは、大衆文化、個人的な物語や社会構造の変化などをテーマとし、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションなど多様な手法を用いて独創的な作品を発表してきました。約60名の作家によるおおよそ100点の作品を通じて、90年代の英国美術の革新的な創作の軌跡を検証します。
そのアーティストのリストにはフランシス・ベーコンやギルバート&ジョージ(公式サイトにギルバート&ジョージの全裸写真がモチーフになっている《裸の目》(1994)という作品が紹介されています)、デレク・ジャーマン(ホモフォビアとエイズフォビアに直面したデレク・ジャーマンが描いた絵画シリーズ「クィア」の展示があるようです)、ヴォルフガング・ティルマンスといった著名なゲイのアーティストの名前もあります(ティルマンスの《The Cock (kiss)》(2002)はフライヤーにも使われていて、今回の展覧会を象徴する作品として位置づけられています)。また、異性装者として知られるグレイソン・ペリーは「陶による作品や著書を通じて性に関する社会的規範に疑問をつきつける」そうです。
東京では2月11日から5月11日まで展示され、その後、6月に京都に巡回します。
テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート
【東京展】 ※6月3日から京都展も開催
会期:2026年2月11日〜5月11日
会場:国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
出品作家: ※姓アルファベット順
サラ・エインズリー、フランシス・ベーコン、リチャード・ビリンガム、スタパ・ビスワス、ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴ、ヘンリー・ボンド、クリスティン・ボーランド、アンジェラ・ブロック、ヘレン・チャドウィック、ディノス・チャップマン、ジェイク・チャップマン、マット・コリショウ、キース・コヴェントリー、マイケル・クレイグ=マーティン、マーティン・クリード、ジェレミー・デラー、キャシー・ド・モンショー、トレイシー・エミン、シール・フロイヤー、マーク・フランシス、アニャ・ガラッチョ、ギルバート&ジョージ、リアム・ギリック、ダグラス・ゴードン、ルーシー・ガニング、リチャード・ハミルトン、モナ・ハトゥム、ルベイナ・ヒミド、ダミアン・ハースト、デレク・ジャーマン、サラ・ジョーンズ、アニッシュ・カプーア、ジム・ランビー、マイケル・ランディ、マーク・レッキー、サラ・ルーカス、スティーヴ・マックィーン、リサ・ミルロイ、シーマス・ニコルソン、クリス・オフィリ、ジュリアン・オピー、コーネリア・パーカー、サイモン・パターソン、グレイソン・ペリー、スティーヴン・ピピン、マーク・クイン、ジュリー・ロバーツ、デイヴィッド・ロビリヤード、ジョニー・シャンド・キッド、デイヴィッド・シュリグリー、ジョージナ・スター、ヴォルフガング・ティルマンス、ギャヴィン・ターク、マーク・ウォリンジャー、ジリアン・ウェアリング、レイチェル・ホワイトリード、エリザベス・ライト
INDEX
- レポート:Queer Space Tokyo
- 特集:レインボーイベント2026(上半期)
- レポート:年忘れお楽しみイベント「gaku-GAY-kai 2025」
- 特集:2026年1月の映画・ドラマ
- レポート:BUFF Fetish Xmas
- 2026年への希望を込めて――年忘れ&年越しイベント特集2025
- レポート:高雄同志大遊行(KHPride)
- レポート:レインボーフェスタ和歌山2025(2日目)
- 2025-2026 冬〜新春のクィア・アート展
- レポート:涙、涙の院内集会「第8回マリフォー国会」
- 特集:2025年12月の映画・ドラマ
- レポート:東京トランスマーチ2025
- 2025-2026 冬〜新春の舞台作品
- レポート:レインボーフェスタ那智勝浦(2日目)熊野古道パレード
- レポート:レインボーフェスタ那智勝浦(1日目)
- レポート:みやぎにじいろパレード2025
- レポート:香川プライドパレード
- レポート:岡山レインボーフェスタ2025
- レポート:九州レインボープライド2025
- 特集:2025年11月の映画・ドラマ
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