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特集:2026年5月の映画・ドラマ
2026年5月に上映・放送・配信されるLGBTQ関連の映画やドラマの情報をお伝えします。今月は『プラダを着た悪魔2』、アカデミー短編映画賞ノミネートのクィア作品などが公開されます

(『ドロシーのともだち』より)
いよいよGWですね。先行き不安な日々ではありますが、せっかくの5月の連休はクラブイベントとあわせて映画も楽しんじゃいましょう。というわけで、この5月に上映・放送・配信されるLGBTQ(クィア)映画やドラマをご紹介します。1日には何と言っても世界中のゲイが注目する『プラダを着た悪魔2』が公開。そのほかにも、アカデミー短編映画賞にノミネートされたり受賞したりした作品や、クィアなロマンスを描いた作品など、いろいろ上映されます。
新たに情報がわかり次第、追加・更新していきます。
ちなみに5月1日は「ファーストデー」(金曜ですが、お休みに入っている方もいらっしゃるかと)。多くの映画館で1100円〜1300円で映画を観ることができます(特別上映等を除く)
(最終更新日:2025年4月29日)
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<今月のトピック>
日本初のプライドパレード開催を実現した活動家のドキュメンタリー『熱狂をこえて』が6月公開
『沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!〜』の松岡弘明監督が、1994年に日本で初めてプライドパレードを実現させたゲイの活動家・南定四郎さんに4年間取材し、完成させたドキュメンタリー映画『熱狂をこえて』の上映がプライド月間の6月に決まりました。東京プライド前日の6月5日に東京で先行上映されたあと、6月26日よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開、とのことです。
南定四郎さんはゲイ雑誌『アドン』『MLMW』などの編集を経て、80年代にIGA日本を立ち上げ、ゲイリベレーションやエイズ・アクションに携わり、90年代には「ゲイアートプロジェクト」や映画祭、コミュニティセンター「hands on hands」を立ち上げ、94年に日本で初めてのプライドパレードを開催しました。(96年のパレードでは集会が紛糾するという事件に見舞われ、コミュニティ活動から距離を置くことになりましたが)南さんが主体となって推進した活動は、多方面で日本のプライド運動の礎となりました。この映画は、南さんの半生を通して日本のプライド運動の原点を記録するドキュメンタリーであり、同時に、次世代へと手渡される貴重なアーカイブでもあります。
4月8日には那覇市で試写会が開かれ、94歳の南さんが「私の人生の最後のつぶやきだと思って見てください」と挨拶したそうです(詳細はこちら)。6月の公開の際はぜひ観に行きましょう。
アジアンクィア映画祭が6月のプライドウィークに『ガールフレンズ』を特別上映
アジアの素晴らしいクィア映画を上映し続け、g-lad xxでも猛プッシュしている、先日の『3670』の上映回などは満席になったというAQFFですが、今度はTokyo Pride 2026が開催されるタイミングで「アジアンクィア映画祭 スポットライト Vol.1」という上映会&トークショーを開催するそうです。上映作品はマカオ、香港、台湾、タイによる国際共同制作作品で2026年香港電影金像奨(香港アカデミー賞)最優秀新人賞なども受賞している最新作『ガールフレンズ(Girlfriends)』です。あの王谷晶さん&溝口彰子さんという豪華ゲストが登壇するアフタートークも開催されます。
アジアンクィア映画祭 スポットライト Vol.1
日程:2026年6月6日(土)
会場:ユーロライブ(東京都渋谷区)
上映:2回上映
詳細およびチケットはこちら
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5月1日公開
プラダを着た悪魔2
ファッション界のレジェンド、アナ・ウィンター(『VOGUE』誌の伝説的な編集長)をモデルとした映画で、鬼編集長・ミランダ(メリル・ストリープ)に容赦なくシゴかれる新人アシスタント(アン・ハサウェイ)の悲哀やミランダの右腕であるゲイのナイジェル(スタンリー・トゥッチ)の存在感が世界中のゲイの琴線に触れまくり、たいへんな話題を呼んだ2006年の映画『プラダを着た悪魔』の20年ぶりとなる続編『プラダを着た悪魔2』がいよいよ劇場公開! 公開を前に『Out』誌のインタビューに応じたメリルは「LGBTQコミュニティなしにファッションはありえない」と語り、アン・ハサウェイも「撮影中、ずっとクィアコミュニティのことが頭にあった」とか「法の平等が実現しなければ意味がないし、私もそのために闘うつもり」などと語っています(ちなみにアン・ハサウェイは兄がゲイだとカムアウトしたのを受けてカトリック信者をやめ、また、結婚式の記念写真の売上から得た利益をLGBTQコミュニティに寄付するなど、アライとして活動してきた方です)。主要キャストがそんな感じですし、『チャーリーズ・エンジェル』シリーズや『キル・ビル』で知られるルーシー・リューなどもカメオ出演しています。LGBTQのことが直接テーマになっているわけではないものの、ゲイテイストであることは間違いないでしょう。(ちなみに今、Googleで「プラダを着た悪魔2」と検索すると、赤いハイヒールが歩いていくアニメーションが表示されるのでぜひ検索してみてください)
<あらすじ>
ニューヨークの一流ファッション誌「ランウェイ」のカリスマ編集長として、ファッション業界の頂点に君臨するミランダ。かつてそのアシスタントに採用され、厳しく完璧主義な彼女のもとで奮闘する日々を過ごしたアンドレアは、現在は報道記者として活躍していた。そんなある日、ミランダとその右腕ナイジェルが危機に直面していることを知ったアンドレアは、特集エディターとして「ランウェイ」編集部に舞い戻る。さらに、アシスタント時代の同僚エミリーとも再会するが、彼女はラグジュアリーブランドの幹部として「ランウェイ」存続の鍵を握る存在となっていた。それぞれの夢と野望がぶつかり合うなか、事態は思わぬ方向へと展開していく。
プラダを着た悪魔2
英題:The Devil Wears Prada 2
2026年製作/アメリカ/119分/G/監督:デヴィッド・フランケル/出演:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ、ルーシー・リューほか
5月1日よりロードショー公開
5月1日公開 東京
唾液を交わす二人
今年オスカーに輝いた唯一のクィア映画が5月1日から上映とのニュースでもお伝えしていたように、LGBTQ関連作品(クィア映画)の受賞がほとんどなかった今年のアカデミー賞のなかで唯一、オスカーに輝いたクィア映画『唾液を交わす二人』が他の短編とともに「SAMANSA presents 世界が認めた栄冠のショート傑作選」として上映されます。受賞スピーチで、ナタリー・ムステアタ監督は「奇妙でクィアな作品を支持してくれてありがとうございます」と述べましたが、この『唾液を交わす二人』は、平手打ちが通貨となり、キスを交わすことで死刑となる奇妙な世界における女性どうしの恋を描いた作品です。美術史家でもあるルーマニア出身のナタリー・ムステアタ監督と、MoMA収蔵作家でもあるアレクサンドル・シンがタッグを組んで手がけた異色の短編で、『聖地には蜘蛛が巣を張る』のザーラ・アミール・エブラヒミと『燃ゆる女の肖像』のルアナ・バイラミが出演しています。
<あらすじ>
キスが死刑に値する罪とされ、人々が物の代金を顔への平手打ちで支払う社会。不遇な女性アンジーヌは、デパートで衝動的な買い物を繰り返す中で、陽気な女性販売員にひかれていく。やがて2人は禁じられていると知りながらも親密な関係になっていくが、それは嫉妬深い同僚の疑いを招くことになる。
唾液を交わす二人
原題または英題:Two People Exchanging Saliva
2024年製作/フランス・アメリカ合作/36分/G/監督・脚本:ナタリー・ムステアタ、アレクサンドル・シン/出演:ザーラ・アミール・エブラヒミ、ルアナ・バイラミほか
ヒューマントラストシネマ有楽町、シモキタ - エキマエ - シネマ「K2」で5月1日より上映、キネカ大森で5月15日より上映(詳細はこちら)
5月1日公開 東京
ドロシーのともだち
実は今年のアカデミー賞の短編映画賞部門には、もう1作、その名も「フレンズ・オブ・ドロシー(ゲイを意味するスラング)」という直球すぎる名前のゲイ映画がノミネートされていました。監督を務めたのは映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』にも出演した英国の俳優、リー・ナイト。リー・ナイトは「無名だったけどなんとか役をつかみたいと思っていたクローゼットなゲイの俳優だった」けれども、俳優として一定の活躍をしたのち、カムアウトして、映画製作にも携わるようになりました。初監督作となるこの短編映画は、孤独な未亡人と一人の少年の心の交流を描く感動作で、彼は「ゲイで、子どもの頃にいじめられていた僕にとって、近所のおばさんとの絆がサンクチュアリだった。女性といると安心できた。このストーリーは僕らの人生におけるドロシー讃歌で、自分たち自身になるためのセーフスペースなんだ」と『ガーディアン』に語っています。英国の至宝とも言える名優ミリアム・マーゴリーズが主演を務め、英国の大御所ゲイ俳優であり活動家でもあるスティーブン・フライが共演しています。
<あらすじ>
物語の主人公は、孤独で静かな生活を送る未亡人のドロシー。ある日、彼女の家の庭にサッカーボールが飛び込んできたことをきっかけに、17歳の少年JJと出会う。年齢も境遇も全く違う二人。最初は警戒し合っていたものの、交流を重ねるうちに、お互いの抱える孤独や痛みに寄り添うようになり、やがて思いがけない絆で結ばれていく。
ドロシーのともだち
原題または英題:A Friend of Dorothy
2025年製作/英国/21分/G/監督・脚本:リー・ナイト/出演:スティーブン・フライ、オスカー・ロイド、アリスター・ヌワチュクウ
ヒューマントラストシネマ有楽町、シモキタ - エキマエ - シネマ「K2」で5月1日より上映、キネカ大森で5月15日より上映(詳細はこちら)
5月15日公開
チェイサーゲームW 水魚の交わり
ゲーム業界のリアルと女性同士の恋愛を繊細に描いたテレビドラマ「チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ」「チェイサーゲームW2 美しき天女たち」の続編となる映画版。ドラマから7年後を舞台に、時間の経過とともに変化していく関係性と、人生の選択に向き合う二人の姿を描きます。ドラマ版に引き続いてのキャストが出演。名作『his』の脚本を手がけたアサダアツシさんが脚本を担当しています。
<あらすじ>
樹と冬雨は中学生になった娘・月とともに、静岡県伊東市で暮らしている。家事や育児、仕事に追われる日々を過ごすうちに、一緒に過ごす時間は当たり前のものとなっていた。7年という歳月のなかで、樹と冬雨の関係は恋人から家族へと変わり、少しずつすれ違うようになる。お互いの何気ない言葉や態度に心を乱されながらも穏やかな家庭を保ち続けるふたりだったが、娘の月は両親の間に漂う違和感を抱いていた。そんなある日、トラブルに巻き込まれた月は、タクシードライバーの梢に助けられる。その出会いをきっかけに、樹と冬雨は初めて互いの本音と向き合い、すれ違っていた愛のかたちを見つめ直していく。
チェイサーゲームW 水魚の交わり
2026年製作/日本/84分/G/漫画原作:松山洋/漫画:松島幸太朗/監督:太田勇/出演:中村ゆりか、岡本望来、黒谷友香ほか
5月15日より公開
5月23日公開
イート・ザ・ナイト
MMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)に没頭する兄妹の姿を通し、現代の若者たちが生きる世界の不安定さを描いた青春スリラー。短編作品で国際的に高く評価されてきたフランスの若き映画作家デュオ、キャロリーヌ・ポギとジョナタン・ビネルが、MMORPGを「仮想世界」ではなく生きるための居場所としてとらえながら、ジャンルを横断する大胆な語り口で描き出します。兄・パブロが謎めいた青年ナイトと出会い、激しく惹かれていくというクィアなロマンスが描かれるそうです。
<あらすじ>
ドラッグディーラーとして生計を立てる青年パブロと、10代の妹アポリーヌ。兄妹はオンラインRPG「Darknoon ダークヌーン」を通じて固い絆を築いてきたが、ある日突然、ゲームのサービス終了が告げられる。そんな中、謎めいた青年ナイトに恋をしたパブロは彼との関係にのめり込み、妹をひとり置き去りにしたまま、サービス終了と向き合うことを放棄してしまう。やがてパブロの無謀な選択は敵対ギャングの怒りを買い、ゲーム内での人生の終わりが近づくにつれ、彼らの現実そのものが根底から覆されていく。
イート・ザ・ナイト
原題または英題:Eat the Night
2024年製作/フランス/107分/監督:キャロリーヌ・ポギ、ジョナタン・ビネル/出演:テオ・ショルビ、エルバン・ケポア・ファレ、リラ・グノーほか
5月26日より放送
100日後に別れる僕と彼
『腐女子、うっかりゲイに告る。』がドラマ化されて話題を呼んだものの、2023年に若くして亡くなってしまったゲイの作家・浅原ナオトさん。その遺作となった作品「100日後に別れる僕と彼」を原作とし、ドキュメンタリー「93歳のゲイ~厳しい時代を生き抜いて~」を手がけたMBSが制作したドラマです。脚本は『腐女子、うっかりゲイに告る。』の三浦直之さんで、監督は同小説を映画化した『彼女が好きなものは』の草野翔吾さんです。伊藤健太郎さんと寛一郎さんがW主演を務めます。
<あらすじ>
SNSで“理想の同性カップル”として注目を浴びた春日佑馬(伊藤)と長谷川樹(寛一郎)のもとに、同棲生活を100日間撮影するドキュメンタリー取材が舞い込む。二人はすでに破局していたが、佑馬が“同性愛者への理解を広めたい”という思いで受諾し、説得された樹もカメラの前で仲の良い恋人を演じることに。事情を知らないディレクターの茅野志穂(鳴海唯)は、ありのままを記録しようと意気込むのだが……。
ドラマイズム「100日後に別れる僕と彼」
MBS 2026年5月26日(火)スタート 毎週火曜 24:59~
TBS2026年5月26日(火)スタート 毎週火曜 25:26~
CBCテレビ 2026年5月26日(火)スタート 毎週火曜 25:20~
RKB毎日放送 2026年5月26日(火)スタート 毎週火曜 25:28~
HBC北海道放送 2026年5月26日(火)スタート 毎週火曜 25:29~
原作:浅原ナオト「100日後に別れる僕と彼」
脚本:三浦直之
監督:草野翔吾
LGBTQ監修:柳沢正和、河本みま乃(弁護士)
INDEX
- 特集:2026年5月の映画・ドラマ
- 特集:GAY NIGHT 2026 GW
- 特集:2026年4月の映画・ドラマ
- レポート:GAP6「2030年までのHIV流行終結を目指すPhoto&Movieプロジェクト」記者発表会
- 2026上期の舞台作品
- レポート:第4回岸和田レインボーパレード
- 春だから検査を受けよう! 東京都新宿東口検査・相談室レポート
- 2026春のクィア・アート展
- 特集:2026年3月の映画・ドラマ
- レポート:愛と結婚を考えるバレンタインパーティー in 新宿二丁目
- 特集:アジアンクィア映画祭2026
- 特集:衆院選2026 〜私たちの未来への一票を投じましょう〜
- 特集:2026年2月の映画・ドラマ
- レポート:Queer Space Tokyo
- 特集:レインボーイベント2026(上半期)
- レポート:年忘れお楽しみイベント「gaku-GAY-kai 2025」
- 特集:2026年1月の映画・ドラマ
- レポート:BUFF Fetish Xmas
- 2026年への希望を込めて――年忘れ&年越しイベント特集2025
- レポート:高雄同志大遊行(KHPride)
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