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第30回GLAADメディア賞で『POSE(ポーズ)』が最優秀ドラマ賞を受賞、マドンナのスピーチも話題に

2019年05月12日

 GLAAD(中傷と闘うゲイ&レズビアン連盟)が主催する第30回GLAADメディア賞授賞式の第2部が5月4日、NYで開催され、ドラマ『POSE(ポーズ)』が最優秀ドラマ賞に選ばれました。
 
 『POSE(ポーズ)』は、『glee/グリー』のライアン・マーフィが手がけたドラマで、80年代ニューヨークのボールルームを舞台に、ゲイ、トランス、クィアな若者たちの群像を描き、かつてなかったくらいたくさんのトランスジェンダー俳優を起用したことでも話題を呼びました。5月13日(月)23時〜FOXチャンネルでいよいよ日本初公開されます。

 それから、『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』が最優秀TV映画賞を、『Love, サイモン 17歳の告白』が最優秀映画賞を、『ある少年の告白』が最優秀映画賞(限定公開)を受賞しています。
 
「この30年でメディアにおけるイメージは、LGBTQの人々のユニークさとダイナミックなストーリーをたたえるまでに進化し、LGBTQコミュニティの受け入れも加速されました」とGLAADのCEOサラ・ケイト・エリスはコメントしています。


 この授賞式ではまた、ストーンウォール50周年へのオマージュを捧げる新曲「I Rise」を発表した直後のマドンナが、栄誉ある「Advocate for Change賞」を授与されたことでも話題を集めました。
 マドンナは注目の受賞スピーチで「社会的に無視されたすべての人々のために戦うことは、自分が背を向けることができない責務であり名誉だった。これからも決して背を向けることはない」と語りました。
 そして、幼少期に「自分は社会のどこにもなじめない」と感じていたとき、彼女の人生を変えたのが、ゲイの先生、クリストファー・フリンだった、と語り始めました。
「彼は私のバレエの先生だったの」
 彼は、マドンナが出会った初めてのゲイだったそう。「些細なことかもしれないけど、彼が初めて私のことを美しいって言ってくれたのよ」 
 こうしてクリストファーへの信頼を深めていったマドンナに、クリストファーも心を開いていったそうで、彼はある日マドンナをゲイクラブに連れていき、その夜が、のちにポップの女王となるマドンナの人生を変えることになりました。
「男性が男性とキスしていて、女の子たちが男みたいな恰好をしていて、男の子たちがショートパンツを履いてた。それまでに見たことがないほど意味がわからなくて、自由で、楽しくて、幸せな光景だった。自分はひとりじゃないって、そして、他の人と違って良いんだって初めて思えた。希望をもらったの」
 のちに、マドンナが所持金35ドルでニューヨークに向かったのは有名な話です。このマドンナの決断を後押ししてくれたのもクリストファー先生だったそうです。
 マドンナはまた、デザイナーだったゲイの親友をエイズで亡くした経験も持っています。
 ニューヨークの旧セント・ヴィンセント病院のエイズ病棟を見舞った際に、自身もHIV陽性なのかとメディアに質問されたことを振り返り、「突然すべてにピンときた。恐れられていたり、誤解されていたり、周りと違っていたりする人たちの権利のために首を突っ込んで戦うつもりなら、周囲からの嘘、いじめ、たわごと、噂、憎悪、虐待に備えなければならないことにその瞬間に気づかされた」と語っています。
 授賞式の数日後のメディアのインタビューでマドンナは、ファンに対して「希望をあきらめないで、何があっても」とメッセージを送っています。

  

「POSE ポーズ」が最優秀ドラマ!第30回GLAAD賞(シネマトゥデイ)
https://www.cinematoday.jp/news/N0108472

ポップの女王マドンナを作り出したのは、たった1人の「ゲイの先生」(フロントロウ編集部)
https://front-row.jp/_ct/17271650

マドンナ、LGBTQへの支援に対し【GLAADメディア賞】で表彰「社会的に無視されたすべての人々のために戦うことは、自分が背を向けることができない責務」(billboard)
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/75369

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