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リル・ナズ・Xが「AMA」の受賞スピーチで、悩めるLGBTにエールを贈りました

 11月24日(現地時間)、米LAのマイクロソフト・シアターで「2019 アメリカン・ミュージック・アワード(以下AMA)」が開催され、ラップ&ヒップホップ部門のフェイバリット・アーティスト賞に輝いたラッパーのリル・ナズ・Xが、受賞スピーチでカミングアウトできずに苦しむ人たちに向けてメッセージを贈り、感動を呼びました。 

 AMAは、権威的なグラミー賞に対抗して創設され、ファン投票で受賞者が決まる大衆的なアワードです(アメリカの「紅白」とも言われます。2009年にはアダム・ランバートがトリをつとめ、バンドメンバーの男性とキスするというパフォーマンスで物議を醸しました)
 今年、ストーンウォール50周年記念のNYプライドマーチの日にゲイであることをカムアウトしたリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」が、全米シングルチャートで驚異の19週連続でナンバー1を獲得し、これまでの歴代最長記録を塗り替えました。そんなリル・ナズ・Xは、まさに「2019年の顔」と言っても過言ではないほど、何かと話題になることが多く、AMAでもラップ&ヒップホップ部門のフェイバリット・アーティスト賞を受賞しました。
 8月のMTVアワードでは、「短めにスピーチするね」と言ってポケットに手を入れ、スピーチ用の小さなメモを取り出すのかと思いきや、長い巻き紙をデロンと広げるというギャグをかましたリル・ナズでしたが、今回のAMAの受賞スピーチは(TPOをわきまえて)真面目に話しています。
 まず、この日、授賞式に出席することができなかったビリー・レイと、息子の勇姿を見に会場に駆けつけてくれた父親に、真っ先に感謝の言葉を捧げました。続けて、かつての自分のように自分の性的指向に関する悩みを抱え、カミングアウトできずに苦しむ人たちに向けてこんなメッセージを贈りました。
「あまり深い話をするつもりはないんだけど、たとえ君が15歳だろうが、30歳だろうが、55歳だろうが関係ない。『機会を逃した』と思ってる人たちに言いたい。『その時』はいつでも君のことを待っている」
 少年時代からゲイだという自覚があったリル・ナズは(映画『ムーンライト』がとてもよく描いているように)それを受け入れてもらえるような環境にいなかったため、誰にも本当のことを言えず苦しんでいた時期がありました。そんな彼の短いながらも真実味のある言葉に、「感動した」「たった20~30秒のスピーチだけど涙が出てきた」など、称賛する声が殺到しているそうです。
 
 リル・ナズ・Xは、11月13日(現地時間)開催のカントリー界最大のイベント「カントリー・ミュージック協会賞(CMA)」の協会賞にノミネートされ、「みんな、ありがとう!」と喜びを表明していました(一方で、あれだけ売れたのに、わずか1部門へのノミネートにとどまったのは、ほぼ無視されたに近い…という見方もありました)
 また、フォーブスの「最も稼ぐカントリー歌手」ランキングに、黒人として、ゲイとして初めてランクインしています。
 11月20日(現地時間)にはグラミー賞ノミネートが発表され、リル・ナズ・Xは年間最優秀アルバム賞、年間最優秀レコード賞、最優秀新人賞を含む6部門でのノミネートを果たしています(6部門ノミネートはリゾに次ぐ多さ、男性では最多です)

  
 話題をAMAに戻すと、30名近いクィア・タレントが出演する最高にレインボーなビデオとして支持されたテイラー・スウィフトの「You Need to Calm Down」が、フェイヴァリット・ミュージック・ビデオ賞に選ばれました。そのテイラー・スウィフトは、アーティスト・オブ・ザ・イヤーをはじめとする5部門で受賞し、故マイケル・ジャクソンが保持していた史上最多受賞記録を更新、そして2010年代を代表するアーティストとして「アーティスト・オブ・ザ・デケイド賞」を贈られました。
 また、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のサントラ(クイーン)が、フェイヴァリット・サウンドトラック賞に輝いています。

 
 それから、グラミー賞ノミネートについての詳報です。
 主要4部門を含む8部門での最多ノミネートを果たしたプラスサイズな女性ラッパー、Lizzo(リゾ)は、そのボディポジティブな生き様が共感を呼び、いま最も大人気なアーティストの一人となっていますが、アライとしても有名です(「Truth Hurts(トゥルース・ハーツ)」のMVもゲイだらけです)。今年のNYワールドプライドでは「Pride is not just a holiday」というプライドコンサートに出演していました。『バラエティ』誌のインタビューで、「なぜプライドで歌うことを重要だと感じてるの?」と聞かれて、「いろんな意味がある。私のライブは、とてもインクルーシブで誰にとっても安全な場所になるよう心がけてる。特にマイノリティ(周縁に追いやられがちな人々)にとって、その中でもLGBTコミュニティにとって」と答えています(「私はアライ」とも明言しています)
 同じくアライとして有名で、ゲイナイトでもその歌がヘビロテされるアリアナ・グランデは、年間最優秀アルバム賞、年間最優秀レコード賞などにノミネートされています。
 また、レディ・ガガは、映画『スター誕生』からの楽曲やサントラで年間最優秀楽曲賞をはじめ3部門にノミネートされました。最優秀サントラ賞には、『スター誕生』のほかにも『ロケットマン』も選ばれています。
 今年2月のグラミー賞は、たくさんのクィア・アーティストが活躍していましたが、今度はどうなるでしょうか。第62回グラミー賞授賞式は、2020年1月26日(現地時間)に米ロサンゼルスのステープルズ・センターで開催されます。
 
 
 


リル・ナズ・X、カミングアウトできずに苦しむ人に「メッセージ」をおくる【AMA2019】(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17320700

全米カントリーチャートから除外されたLil Nas Xの“Old Town Road”がカントリーミュージック協会賞にノミネート(FNMNL)
https://fnmnl.tv/2019/09/02/80081

最も稼ぐカントリー歌手 新星リル・ナズ・Xが初のランク入り(Forbes JAPAN)
https://forbesjapan.com/articles/detail/30710

テイラー・スウィフト、【2019 AMAs】で5部門受賞 史上最多受賞記録を更新(Billboard JAPAN)
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/82425

第62回グラミー賞のノミネーションが発表(HYPEBEAST)
https://hypebeast.com/jp/2019/11/grammy-nominations-2020-full-list

グラミー賞、ノミネート発表(BARKS)
https://www.barks.jp/news/?id=1000174352

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