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日本初の同性婚をテーマにした映画祭「レインボーマリッジ・フィルムフェスティバル」の招待上映作品とゲスト審査員が発表されました

2022年03月25日

 同性婚をテーマにした映画祭が2022年GWに初開催とのニュースでお伝えしていた「レインボーマリッジ・フィルムフェスティバル」の招待上映作品と審査員が発表されました。『ウエディング・バンケット』『愛で家族に~同性婚への道のり』『キッズ・オールライト』『ジェンダー・マリアージュ ~全米を揺るがした同性婚裁判~』といった、名作揃いの「夢の競演」的なラインナップです。コンペティション部門のゲスト審査員は上田慎一郎監督、能條桃子さん、三ツ矢雄二さん、児玉美月さんの4名に決定しました。
 

 「レインボーマリッジ・フィルムフェスティバル(RMFF2022)」は、同性婚の法制化(結婚の平等の実現)の機運が高まりつつあるなか、映画を通して広く一般に向けて「結婚の平等(同性婚)」への理解が浸透するようにとの願いで開催されるものです。「結婚の平等(同性婚)」をテーマにした世界の映画を集めて無料上映するとともに、より幅広い世代の関心を集めるため「結婚の平等(同性婚)」をテーマに制作された短編映画を一般公募し、コンペティションを開催します。入選作品は同映画祭で上映され、グランプリ作品には賞金が授与されます。
 実行委員長を務めるのは、『老ナルキソス』で2018年のレインボー・リール東京のコンペのグランプリを獲得し、昨年、日本で初めて公募で選ばれたトランス女性がトランス女性の役を演じる記念碑的な映画『片袖の魚』を製作した東海林毅監督です(東海林さん自身、バイセクシュアルであることをカムアウトしています)
 
 今回発表された招待上映作品は、いずれ劣らぬ名作ばかりです。
 オープニング作品は(不朽の名作『ブロークバック・マウンテン』を世に送り出した)アン・リー監督の『ウエディング・バンケット』です。正確に言うとこれは同性婚のお話ではないのですが、ニューヨークに住む台湾人ゲイが、中国人女性と偽装結婚するのですが、台湾から来た両親に真実がバレてしまい…というドタバタを描いた作品で、まだまだアジア圏で同性愛への理解が進んでいない時代のリアリティと、ホロリとさせられる結末が好評を博し、ベルリン国際映画祭で金熊賞に輝いた90年代初頭の名作です。

 『ウエディング・バンケット』の時代から30年近く経って、台湾ではアジアで初めて結婚の平等(同性婚)が実現しました。『愛で家族に~同性婚への道のり』は、娘を育てているレズビアンカップルのファミリー、35年間人生を共にしてきたゲイカップル、一方がマカオ出身で二人で一緒に暮らすために同性婚に希望をつなぐゲイカップルという3組の同性カップルの姿を追ったドキュメンタリー映画です。「あれは僕らの将来の姿だ」と思えるようなリアリティがあります。涙なしでは観ることができない作品です。

 2010年の映画『キッズ・オールライト』は、長年いっしょに幸せに暮らしてきたレズビアン・カップルとその子どもたちの前に、父親にあたる精子提供者が現れ、驚きの出来事が次々と…というコメディタッチの作品です。監督は自身も精子提供を受けて子どもを出産しているレズビアンのリサ・チョロデンコ。レズビアン・ファミリーを真っ正面から描いた作品として世界的に評判を呼び、ベルリン国際映画賞でテディ賞に輝いたほか、ゴールデングローブ賞で2冠を達成するなどしています。
 
 それから、シャロン・ストーン、エレン・デジェネレスらが出演する映画『ウーマン ラブ ウーマン』は、一軒の家を舞台に60年代、70年代、00年代、それぞれの時代を生きたレズビアンカップルを描いた作品です。HBOが製作したテレビ映画で、高く評価され、プライムタイム・エミー賞のテレビ映画部門作品賞にもノミネートされました。

 2014年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で『アゲンスト8』のタイトルで上映されて感動を呼んだ、すでにご覧になっている方も多いのではないかと思われる『ジェンダー・マリアージュ ~全米を揺るがした同性婚裁判~』。同性婚を承認したカリフォルニア州で、結婚を男女間に限定する州憲法修正案「提案8号」が州民投票で通ってしまい、2組の同性カップルが提訴、最高裁まで闘い続けた軌跡を追ったドキュメンタリーです。こちらも涙なしでは観ることができない名作です。

 全部通しでご覧になると、90年代の同性愛すらなかなか理解されていなかった時代から、同性カップルが共に暮らすだけでなく子育てもする時代になり、同性婚を認めようとしない州や国と闘い、結婚の平等を勝ち取る――といった時代の流れも感じ取ることができるでしょうし、欧米だけでなく隣の台湾でも実現したのだから、日本でも…と思えることでしょう。こうした映画祭は今までになく、本当に画期的で、素晴らしいものになる予感しかありません。
 「結婚の平等(同性婚)」をテーマにした短編映像作品のコンペも楽しみです(作品の募集は3月31日までです)

 そのコンペのゲスト審査員に決定したのが、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督と、選挙や政治のことをわかりやすく伝え、若者の政治参加を促す団体「NO YOUTH NO JAPAN」の能條桃子代表理事、カミングアウトを果たした大御所声優の三ツ矢雄二さん、そしてクィアな切り口で映画を語らせたら日本一ではないかと思われる映画執筆家の児玉美月さんという4名。多様で素敵な人選です。
 
 レインボーマリッジ・フィルムフェスティバル2022は5月6日(金)・7日(土)に「なかのZERO」で開催されます。
 お楽しみに!
 

レインボーマリッジ・フィルムフェスティバル 2022
Rainbow Marriage Film Festival 2022(RMFF2022)
日程:2022年5月6日(金)・7日(土)
会場:なかの ZERO 小ホール
主催:レインボーマリッジ・フィルムフェスティバル実行委員会
後援:公益社団法人 Marriage For All Japan − 結婚の自由をすべての人に(2021年9月27日公益法人化)

<主催団体概要>
名称:レインボーマリッジ・フィルムフェスティバル実行委員会
設立:2021年10月
実行委員長:東海林 毅
運営メンバー:時枝 穂、伊東 未奈美、岩田 ひかる、岡本 早織、岸本英嗣
取材・お問い合わせ:レインボーマリッジ・フィルムフェスティバル実行委員会まで
 

参考記事:
日本初の同性婚をテーマにした映画祭「レインボーマリッジ・フィルムフェスティバル」招待上映作品とコンペティション部門審査員が決定!(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000054117.html

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