g-lad xx

NEWS

台湾での同性婚が1万組の大台に乗りました

2023年03月13日

 台湾人と同性婚未承認国の外国人との同性婚がついに認められたとのニュースで、2022年までの同性婚の累計が9659組に達し、もう少しで1万組の大台に乗るとお伝えしていましたが、この2月でついに1万組を突破したことが明らかになりました。
 
 
 台湾政府の今月10日の発表によると、2023年2月の婚姻総数は1万855組で、このうち同性婚は273組(全体の2.5%)でした。政府統計によると、これで2019年5月以降に同性婚の婚姻届を受理されたカップルは計1万135組となりました。女性どうしの婚姻が全体の約70%を占めています。
 『台湾同性婚法の誕生: アジアLGBTQ+燈台への歴程』に詳しく記されていますが、台湾でも同性婚をめぐってキリスト教団体などが中心となって激しい反対運動が起こりました。しかし、(アメリカなどもそうですが)同性婚が実現してみれば、市民の間で理解が進み、2022年5月に実施された世論調査では同性婚に賛成する方が60.9%に達しています(2018年の調査では37.4%に過ぎませんでした)
 蔡政権は23年1月、台湾人の婚姻相手の国・地域が同性婚を認めていない場合も同性婚の婚姻届を受理できるよう制度を変更しました(※ただし、中国本土の人との同性婚はまだ認められないそうです)。これにより、日本人も台湾人との同性婚ができるようになりましたので、今後、さらに台湾での同性婚が増えるのではないかと思われます。


 台湾では、同性婚ができるだけでなく、台北市が西門にゲイバー街をつくり、駅前にレインボーカラーの横断歩道「彩虹地景」を設置し(高雄市にもあります)、LGBTQ映画の制作を支援し(『日常対話』は新北市文化局が資金提供しています)、LGBTQ動画配信会社をバックアップし、(中国との関係でオジャンになりましたが)外務省も支援して高雄市へのワールドプライドの誘致が成功し、プライドの時期には台北市観光局が積極的にLGBTQの情報を提供するなど、様々なかたちでLGBTQコミュニティへの支援が行なわれています。国や台北市(首都)がそうやってLGBTQを公に支援しているので、台北のパレードも非常にオープンで、裸で歩いてる方もたくさんいますし(なので、日本からもそういうふうにセクシーな格好でパレードを歩きたい方が結構たくさん行ってます)、ひと昔前にはなかったようなエロティックなバーなども増えてますし(2019年に行った『Commander D.』ではSMショーが行なわれ、ショーを終えたパフォーマーの方たちが、バーカウンターの中でビールジョッキにおしっこを注いで飲ますプレイをふつうにやってました)、無修正画像や動画も規制されず、RUSHもOKという自由さです。かつてアジアの雄であった日本はあっという間に台湾に追い越されました。同性婚や差別禁止法がないだけでなく、政治家による差別発言が相次ぎ、性に関しては非常に保守的で規制が多く(アプリでちょっと露出度の高い画像を上げるとすぐに削除され、競パンとか六尺姿でパレードを歩くと怒られハッテン場が「公然わいせつほう助」にあたるとして摘発を受け…などなど)、息苦しさ、不自由さがまだまだあります。
 日本も台湾のような人権先進国を目指し(現状は国連からも指摘される後進国)、もっとゲイが自由に幸せに生きられる国になっていくといいですね(そのためにはカルト的な宗教の政治への影響を断ち切っていただかないと…)
 
 

参考記事:
台湾で同性婚が1万組を突破 女性同士の婚姻が7割(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20230313/k00/00m/030/021000c

INDEX

SCHEDULE