g-lad xx

NEWS

クリスティーナ・アギレラがGLAADメディア賞受賞スピーチで「勇敢に闘ってきた皆さんに常に感銘を受けています」と語り、LGBTQコミュニティを讃えました

2023年04月03日

 国際トランスジェンダー可視化の日に当たる3月31日(現地時間)、LAのビバリー・ヒルトンで開催されたGLAADメディア賞授賞式で「Advocate for Change賞」を授与されたクリスティーナ・アギレラが、受賞スピーチで「尊厳を求めて勇敢に闘うみなさんに常に感銘を受けている」と語り、LGBTQコミュニティを讃えました。

 
  GLAADは、1990年、まだエイズが猛威を奮っていた時代に、センセーショナルなメディアに翻弄されていたゲイたちの肯定的なイメージを向上させることを趣旨として設立された団体です。メディアにおけるゲイの描かれ方(差別的表現)を監視しているほか、毎年盛大なメディア・アワードを開催し、ゲイのことをより公正に(より素敵に)表現したメディア(音楽、映画、TV、雑誌など)に賞を贈るという活動を展開してきました。
 「Advocate for Change賞」は、仕事を通じ、世界中のLGBTQのために大変革をもたらした人物に授与されるもので、過去にはマドンナやビル・クリントン元米大統領などが受賞しています。

 米コロラド州のクラブQで起きた銃撃事件の生存者の一人であるマイケル・アンダーソンから賞を授与されたクリスティーナは、「これは私にとって本当に大きな意味を持っています。人生で本当に重要なことはこのようなことですから」と述べました。
 続けてクリスティーナは、LGBTQコミュニティとの生涯にわたる関係について「自分の本質的な部分や行動は、皆さんひとりひとりから大きな影響を受けています。何らかの形で平等と自由のために闘わなければならなかったという共有経験も」と述べました。特に(昨今の「ゲイと言ってはいけない法」やトランスジェンダー、ドラァグクイーンへの攻撃など)全米の共和党議員からの猛攻撃に対して、LGBTQコミュニティが耐え続けていることに拍手を送って「全ての人間が受けるに値するはずの受容、尊敬、安全を求めて闘うために必要な勇気を示す皆さんに常に感銘を受けています」「暴力、虐待、心的外傷の被害者になったとき、自分の声を見つけて反撃することは非常に難しく、怖いことです。家庭内暴力のある家庭で育った私は、無力な立場にある母の姿を見て、声が届かない全ての人々のために声を上げようと初めて心に火がつきました」と語りました。
 そして、永遠のゲイアンセム『Beautiful』を世に送り出した歌姫は、「自分の音楽を通じてクリエイティブに他者を力づける」という自身の使命について語ったあと、「差別や憎しみ、暴力のない世界に住みたいのなら、私たちは皆、声を上げる必要があります」「私の大いなる目的は、自分が持っているプラットフォームを使って人々の人生をより良く変えることです。ですから、GLAADにこのことを感謝すると共に、LGBTQコミュニティの全ての声を届かせるための皆さんの働きに感謝します。お互いの声を聞くことができなければ、お互いを助けることはできません」と語り、スピーチを締め括りました。

 このほか、MTVビデオ&ミュージックアワードで(かつてマドンナとブリトニーがそうしたように)男性のダンサーとキスしてみせて話題を呼んだバッド・バニーが、LGBTQに対するアライシップを称える「ヴァンガード賞」を受賞しました(「ヴァンガード賞」は過去にテイラー・スウィフトビヨンセジェニファー・ロペスジャネット・ジャクソンなども受賞しています)。また、海兵隊の新兵訓練所と母親の家の両方で同性愛嫌悪に直面する若いゲイを描いた映画『The Inspection(原題)』に主演し、ゴールデングローブ賞にノミネートされたオープンリー・ゲイの俳優ジェレミー・ポープ(『POSE』『ハリウッド』)が、メディアにおけるLGBTQの認知度を高める活動に対して送られる「スティーブン・F・コルザック賞」を授与されました(「スティーブン・F・コルザック賞」はこれまでMJロドリゲス、ジム・パーソンズ、トロイ・シヴァン、ラヴァーン・コックス、ワンダ・サイクス、ルーファス・ウェインライト、ビル・コンドン、ジョン・ウォーターズ、アン・ヘッシュ、エレン・デジェネレス、イアン・マッケランなどに贈られています)

 また、『チアーズ!』『ビーイング・メアリー・ジェーン』などに出演してきたガブリエル・ユニオンが、トランスジェンダーの娘、ザヤ・ウェイドとともに出席したこともニュースになっています。12歳でカミングアウトしたザヤは、自身や家族に対するバッシングを受けながらも、自信とプライドをもって本当の自分を貫くことで多くのティーンを鼓舞してきました。現在はモデル兼インフルエンサーとして活躍しています。ザヤをいつもサポートし、LGBTQ+コミュニティを支援してきたガブリエルは、『E!NEWS』のインタビューに答え、「私は、ザヤを娘として迎えることができて幸せです。これほどまでに誰かとつながっていると感じたことはありません。そして彼女の世界にいる大人の一人として、時には彼女の後ろに、時には横に、時には前に、彼女を少し離れたところから支えられる以上に使命を感じたことはないのです」と語りました。また、レッドカーペットやこうしたイベントに一緒に参加することで、ザヤを彼女にとってのヒーローやアイコン、インスピレーションを与えてくれる人たちに会わせることができるのは光栄なことだとも語り、さらに、米国の保守的な州で吹き荒れているトランスジェンダーやドラァグクイーンを抑圧する州法案を例に挙げ、いまだにドラァグクイーンやトランスジェンダーが不当な扱いを受けている、「私たちは戦いの中にいるのだから、みんなで団結し、進むべき」だとしてLGBTQ+コミュニティへのサポートを訴えました。

 
 なお、GLAADメディア賞は毎年LAとNYで2回に分けて開催されており、NYでは5月13日にNYヒルトン・ミッドタウンで開催されます。そちらでは映画やドラマ、音楽、本などの最優秀賞が発表されます(ノミネーションのリストはこちらに掲載されています)

 

参考記事:
クリスティーナ・アギレラ、【GLAADメディア賞】受賞スピーチで“差別のない世の中”を求める(Billboard JAPAN)
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/123613

「娘として迎えられて幸せ」トランスジェンダーのわが子への思い(COSMOPOLITAN)
https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/celebrity/a43494211/gabrielle-union-and-dwyane-wades-daughter-zaya/

INDEX

SCHEDULE