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幾多の困難を乗り越え、ゲイゲームズ香港が無事に開幕しました

2023年11月05日

 アジア初のゲイゲームズとなる「Gay Games XI HONG KONG」が4日、数々の困難を乗り越え、香港で開幕しました。45の国から2300名以上の参加者が集い、スポーツやカルチャーイベントに参加します。競技の中にはドラゴンボートや麻雀もあるそうです。
 

 2017年10月、アジアで初めて2022年のゲイゲームズが香港で開催されると発表され、台湾での同性婚承認と並び、東アジアのLGBTQコミュニティの輝かしい前進を象徴する出来事として注目されました。しかしその後、世界はコロナ禍に見舞われ、2021年9月、開催を2023年に延期すると発表されました(ゲイゲームズ連盟はコロナ禍の状況によっては、2023年時点で香港への渡航が本当にできるかどうかわからないとの懸念から、香港とコンペで争ったメキシコのグアダラハラにも2023年にゲイゲームズを同時開催することを提案し、グアダラハラも了承。なので、今回、ラテンアメリカ初のゲイゲームズもグアダラハラで開催されています)
 コロナ禍だけでなく、別の不安材料もありました。国家安全法を導入し、急速に香港の特別自治区としての権限を奪っている中国当局の動きでした。中国当局はこれまで、北京でのLGBTQ映画祭や上海プライドフェスティバル、そして2019年には香港同志遊行(The Hong Kong Pride Parade)のパレードも禁止しています。
 ロイターによると(中国だけでなく)香港政府もゲイゲームズを公的に支援しておらず、8月にはゲイゲームズ組織委員会に対して「法に基づき、安全で、マナーを守って」運営されなくてはならないと警告を発していました。また、活動家からキャンセルされるべきだとの声が上がったり、中国寄りの議員が香港特別行政区行政長官の李家超(ジョン・リー)に「ゲイゲームズは同性婚を推進するもので、国家安全法を脅かす」と主張する書簡を送るなど、反対派の動きもあったそうです。
 台湾は安全の観点から、香港には参加者を送らず、グアダラハラに参加しているそうです。(なお、日本でも今年6月、4年前に反政府抗議運動を取材していた日本人ジャーナリストや、民主派支持の看板を掲げて路上ライブをしていた方が香港で入境拒否されたという報道も相次いだため、日本からの渡航に不安を感じる方もいらっしゃいました)
 
 このような、様々な困難を乗り越えて、ゲイゲームズ香港は11月4日、奇跡的に開幕しました。
 開会式は主催団体とゲイゲームズ連盟の入場から始まり、続いて各国の参加者が入場、香港のライオンダンス(獅子舞)なども見られたそうです。
 ゲイゲームズ香港のLisa Lam共同代表は「ゲイゲームズのビジョンは常に、参加、包摂、パーソナルベストを祝福するスポーツ、アート、文化の祭典を創造することでした」と挨拶しました。Lisa Lamは、今回初めて、あらゆるジェンダーの人が競技に参加できるよう、「オールジェンダーカテゴリー」を設けたことを誇りに思う、とも語りました。 
 香港政府の関係者は誰も開会式に参加せず、葉劉淑儀(レジーナ・イップ)議員が唯一、公人として参加しました。アンチLGBTQの議員に「参加をとりやめにしろ」と要求されたそうですが、レジーナ・イップ議員は毅然と参加し、「ゲイゲームズ香港の開催は、香港の多様性、包摂、結びつきを強く証明するものです」と歓迎のスピーチを行ないました。「私たちの政府と人々は差別がなく、平等に機会を与えられることを大切にしています」
 
 アジア初のゲイゲームズ開催を実現した香港のLGBTQコミュニティの皆さんに敬意を表し、拍手を送りたいと思います。

 そして今回、日本から、DAI_MYTさんというゲイのろう者の方が香港大会に参加していて、早速、水泳で金メダルを獲ったそうです(おめでとうございます)
 チームジャパンも結成され、オリジナルの旗も作られているそうです。これから閉会まで、日本からの参加者の活躍がX(Twitter)のアカウントで伝えられると思います。応援しましょう。

 
 なお、香港では今年9月、香港最高裁が、https://www.reuters.com/sports/hong-kong-kicks-off-asias-first-gay-games-despite-opposition-2023-11-04/
Guadalajara in talks to co-host next Gay Games(Bay Area Reporter)
https://www.ebar.com/story.php?313033

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