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レポート:第24回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭
7月11日(土)から20日(月祝)まで、第24回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が開催されました。今年も本当にいい作品が多く、たくさんの笑いと感動をもらえました。

7月11日(土)から20日(月祝)まで、第24回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が開催されました。今年も心から「観てよかった」と思えるような名作がそろっていて、たくさんの方たちと素晴らしい時間を共有できました。2015年の映画祭のレポートをお届けいたします。(後藤純一)

会場では、アメリカンアパレル提供のスタッフTシャツ(アメリカンアパレルがヒューマン・ライツ・キャンペーンとコラボした「=」がデザインされたもの)を着たスタッフの方たちがお出迎え。廊下にはスタッフの方によるポスター代わりの手描きのポップが貼られていたり、『WWD』誌のLGBT特集号が置かれていたり(素晴らしい特集です。立ち読みもできますし、お買い求めもできます)、なかなかにレズビアン&ゲイ映画祭らしい雰囲気になっていました。
本編上映前には協賛企業によるCM映像も流れますが、Softbankがわざわざレインボーのロゴを用いて短編映画のような映像を提供していたり、TOOT、アメリカンアパレル、アルファロメオ、チェリオのCMもありました。
上映中はみなさんものすごく真剣に観ていて、終わったら拍手が起こり、口々にお友達と感想を述べあったり、、熱気を感じさせるものがありました。
シネマート新宿では17日(金)まで毎日、レイトショー上映で7作品が上映されました。来年もここだといいなあ、と思いました。

20年以上掲げられ続けている
レインボーフラッグ


「Love is Colorful」の写真も

レセプションのMCは
ブルボンヌさん!

TOOT

L&G Timpani

Softbank(左はアルファロメオの
ティツィアナ・アランプレセさん)

AMNESTY INTERNATIONAL

ルピシア

クロージングの司会をつとめた
のはレイチェルさん。なんと、
ドレスの素材は映画のフィルム!
オープニング作品である『イート・ウィズ・ミー』の上映前には、あのブルボンヌさんと代表の宮沢さんが登場し、レセプションパーティが開催されました。ホワイエの一角に(芸能人が記者会見で使うような)特設のボードが設置され、フレシネ(もう長いこと映画祭に協賛してくれています)のシャンパンが会場に配られ、ブルボンヌさんの音頭で乾杯♪という、ちょっとセレブ感が味わえる演出で、お客様も笑顔で楽しんでいました。
会期中、ホワイエにはいろんなブースが出て、お祭りを彩りました。入口を入ってすぐの所にはセクシーなモデルさんの看板が目を引くTOOTのブースがあり、パレードの時にも売られていた「PRIDE」というロゴの入ったアンダーウェアが販売されていました(TOOTは同志社大学ボート部とコラボしたCMも上映していて、素敵でした)。左手にはキオスクと、おなじみの「L&G Timpani」のブース。今回もかわいいレインボーのアクセサリーが並んでいました。右手にはドリンクカウンターがあり、Softbankなどのブースが並んでいます。今やすっかりLGBTフレンドリー企業の代表と目されるようになったSoftbankは、今回グッドエイジングエールズに委託し、pepperのロゴがレインボーになったCMを上映し、ブースではpepperのオリジナルバッジを配布していました。お隣りは世界のお茶「ルピシア」のブース。白桃烏龍茶をお客様にふるまい(白桃の香り豊かなフルーティな烏龍茶。美味しかったです)、喜ばれていました。そして、パレードなどにも参加してきたアムネスティ・インターナショナルのブースは、Facebookのレインボーアイコンをイメージした手作りのフレームが素敵でした。また、映画祭にコメントをお寄せくださった著名人の方のパネルが展示されていたりもしました。
スパイラルパスを買って(スパイラルの映画が見放題)毎日通っていた方たちもいましたし、いくつか作品を選んでご覧になった方も多く、日によって、上映作品によっていろんな方が来られていました。もう10年以上映画祭に通い続けている元ゲイカップル、毎年映画祭でだけお会いする(ちょっと遠い所にお住まいの)ゲイカップル、二丁目の飲み友達、本当に久しぶりな友達、中野区議の石坂さん、愛媛LGBT映画祭のエディさんなど、いろんな方にお会いできた一方、ニューフェイスな方たち(若い方たち)もたくさんいました。
18日(土)はシネマート新宿のオープニングを飾り、評判が高かった『ボーイ・ミーツ・ガール』が上映されました。新鮮な驚きに満ちた、とても楽しいラブコメで、ハッピーな気持ちでアゲハに行くことができました。
19日(日)はいち早く前売りが売り切れた『焦点台湾』が上映され、立見席もすべて売り切れるという大盛況ぶりだったそうです(本当は観る予定だったのですが、アゲハ明けの疲れがどっと出て、見送ってしまいました…)。夜の最後の回は、『後悔なんてしない』のイ・ソンヒイル監督の最新作『夜間飛行』。まるで『ブロークバック・マウンテン』の時のようにハラハラと涙が流れ、数日間は余韻を引きずってしまう…そんな作品でした。
20日(月祝)、映画祭もいよいよフィナーレ。恒例のレインボーリール・コンペティション(日本の作家によるコンテスト)もハイクオリティな作品が出揃い、「どれにするか迷った」という声も多数聞かれ、盛り上がりを見せました。その後、クロージング作品『クセニア』の上映前にクロージングイベントが開催されました。まずはレイチェルさんと宮沢さんが登場し、ご挨拶。その後、CMでも流れていた『VOYAGE(ボヤージュ)』の監督でオープンリーゲイのSCUDさんが登場し(映画祭に合わせて香港から来日されていたそうです)、作品について語ってくださいました。
シネマート新宿での上映から数えて10日間にわたって開催された映画祭。今年は「ル・グランバル」などのパーティやイベントもなく、控えめな印象を受けた方もいらしたかもしれませんが、ここでしかチャンスがないだろう貴重な名作の数々を観ることができて、きっとみなさん満足されたことと思います。他の方もおっしゃっていましたが、今回の上映作品はどれも「観てよかった」と思えるような、いい作品がチョイスされていたと思います。いい映画というのは、それを観ることによって世界観がちょっとだけ変わる、生き方に影響を及ぼすようなものだと思いますが、『夜間飛行』『ザ・サークル』『ボーイ・ミーツ・ガール』などは、そういう作品でした。たくさんの方といっしょに映画を観て、同じところで笑ったり、泣いたり…そして終映後には拍手して、あとで感想を語り合ったり(Twitterにアップされた感想を読んだり)するのは、とても楽しいし、映画祭ならではの魅力です。
この素晴らしいイベントを、毎年ボランティアで開催してくれているスタッフのみなさんには、感謝しかありません。本当におつかれさまでした。ありがとうございました。また来年(なんと25周年!)も楽しみにしたいと思います。
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