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特集:2020下半期のクィア映画

今年はイベントもほとんどなく、あまり夏らしいことも楽しめず、旅行にも行けず、どこかにお出かけしたくてウズウズしているみなさんも多いかと思いますが、映画館なら安全&快適です。9月以降に上映予定のLGBTQ関連作品をご紹介いたします。

特集:2020下半期のオススメ映画

(トップ画像は映画『マティアス&マキシム』より)

気づけば9月。今年もあと2/3となりました。あまり夏らしいことを楽しめず、旅行も行けず、どこかにお出かけしたいと渇望しているみなさんには、映画館をオススメしたいです。今なら、席も間隔を空けて座るようになっていて(隣や前の人がいない状態で)ゆったり座れますし、マスクの着用が必須だったり消毒液が設置されてたりして、コロナ予防の対応もしっかりされています。そんな都内の映画館で、現在上映されている作品、これから冬にかけて公開される予定の作品を、まとめてご紹介いたします。(2020.10.30更新)



8月14日〜
ポルトガル、夏の終わり

 『人生は小説よりも奇なり』で同性婚の合法化が熟年カップルにもたらした出来事と人生の機微を描いたアイラ・サックス監督の新作です。自身もゲイであるアイラ・サックス監督は過去6本の長編作品のうち3本でゲイを主役にしてきましたが、この新作『ポルトガル、夏の終わり』にも、ゲイのキャラクターが登場します。しかし、主人公はガンで亡くなる女性(監督の親友がモデルだそう)。自身の死期を悟った主人公が、家族や親しい友人を自分の元に集める物語です。その場所は、ポルトガルの世界遺産の街であるシントラ。主人公を演じるのは『主婦マリーがしたこと』『ピアニスト』『8人の女たち』『エル ELLE』などで知られる名優、イザベル・ユペール。監督は、小津安二郎作品を演出の参考にしたそうです。

<あらすじ>
ヨーロッパを代表する女優フランキーは自らの死期を悟り、「夏の終わりのバケーション」と称して一族と親友をシントラに呼び寄せる。彼女は自分の亡き後も愛する者たちが問題なく暮らしていけるよう、すべての段取りを整えようとしていた。しかし、それぞれ問題を抱える彼らの選択は、フランキーの思い描いていた筋書きを大きく外れていく……。

ポルトガル、夏の終わり
2019年/フランス・ポルトガル合作/100分/監督:アイラ・サックス/イザベル・ユペール、ブレンダン・グリーソン、マリサ・トメイ、ジェレミー・レニエほか
 



8月21日〜
2分の1の魔法

 亡くなった父親にもう一度会いたいと願うエルフの兄弟が、魔法によって半分だけ復活した父親を完全によみがえらせるべく奮闘する姿を描いたファミリー向け長編アニメーション。母親の恋人であるケンタウロスの警官ブロンコに変装した兄弟が、同僚の女性警官コンビと鉢合わせた際、子育てに悩むブロンコに同情した女性警官の片割れスペクターが、同性のパートナーに言及し、ディズニー映画に同性愛者のキャラクターが登場したのは躍進的な進歩だとして、LGBTQコミュニティの称賛を集めた(他方、中東で上映禁止に…)という作品です。兄のバーリーがガチムチ系でとてもいい奴、という声も聞きます。いろんな意味でオススメかも。

<あらすじ>
かつては魔法に満ちていたが、科学技術の進歩にともない魔法が忘れ去られてしまった世界。家族思いで優しいが、何をやってもうまくいかない少年イアンには、隠れた魔法の才能があった。そんなイアンの願いは、自分が生まれる前に亡くなってしまった父親に一目会うこと。16歳の誕生日に、亡き父が母に託した魔法の杖とともに、「父を24時間だけよみがえらせる魔法」を書かれた手紙を手にしたイアンは、早速その魔法を試すが失敗。父を半分だけの姿で復活させてしまう。イアンは好奇心旺盛な兄バーリーとともに、父を完全によみがえらせる魔法を探す旅に出るが……。

2分の1の魔法
2020/米/監督:ダン・スキャンロン(『モンスターズ・ユニバーシティ』)/声の出演:トム・ホランド、クリス・プラットほか




8月21日〜
ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

 最高の女子高生2人組のハイスクール・バディ青春コメディ映画。有名な映画評サイト「Rotten Tomatoes」で批評家支持率97%を獲得するという驚異的に絶賛されている作品です。2人は下ネタも込みの毒舌を吐き、恋や性にも好奇心旺盛で、自己肯定感も強く、勉強漬けだった日々の鬱憤を卒業パーティに潜り込むことで一気に晴らそうとします。2人のうち1人がレズビアンというところもポイントで、痛快無比なエンターテインメントであると同時に、サラッとしたLGBTQと多様性の描き方が最先端であり理想的と評されています。

<あらすじ>
明日は高校の卒業式。親友同士のモリーとエイミーは、共に4年間勉学に勤しみ希望の進路を勝ち取った。ところが、パーティー三昧に見えていたクラスメイトたちも、同じかそれ以上にハイレベルな進路を歩むことを知ってしまう。2人は失った青春をたった1日で取り戻そうと、卒業パーティーに潜り込むことを決意するが……。

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー
2019/米/監督:オリビア・ワイルド/出演:ケイトリン・デバー、ビーニー・フェルドスタインほか




9月4日〜
世宗大王 星を追う者たち

 ハングルを作り出したことで知られる世宗大王と、彼に仕えた科学者チョン・ヨンシルの身分を超えた熱い絆を描いた韓国の歴史ロマン。ということになっていますが、二人の関係はブロマンスというより、もはやロマンスだともっぱらの評判です。ヒゲクマ系ダディのロマンチックな物語を堪能したい方はぜひ。
 
<あらすじ>
朝鮮王朝が明国の影響下にあった時代。第4代王・世宗は、奴婢の身分ながら科学者として才能にあふれたチャン・ヨンシルを武官に任命し、ヨンシルは、豊富な科学知識と高い技術力で水時計や天体観測機器を次々と発明し、庶民の生活に大いに貢献する。また、朝鮮の自立を成し遂げたい世宗は、朝鮮独自の文字であるハングルを作ろうと考えていた。2人は身分の差を超え、特別な絆を結んでいくが、朝鮮の独立を許さない明からの攻撃を恐れた臣下たちは、秘密裏に2人を引き離そうとする……。

世宗大王 星を追う者たち
2019年/133分/韓国/監督:ホ・ジノ/出演:ハン・ソッキュ、チェ・ミンシクほか





9月11日〜
窮鼠はチーズの夢を見る

 レディースコミック誌『NIGHTY Judy』に2004年から連載された作品で、2009年「第1回BLアワード」で大賞に輝いた『窮鼠はチーズの夢を見る」が、関ジャニ∞の大倉忠義さんと成田凌さんで実写映画化。大倉さんはこれまでにも、ゲイや、ゲイに恋慕われる役柄を演じてきました。2010年公開の『大奥』では松島から手厚い寵愛を受ける美少年・鶴岡を演じています。同年に発売された関ジャニ∞のアルバム『8UPPERS』のDVD特典『8UPPERS FEATURE MUSIC FILM』では、村上信五さん演じるジャッキーへ想いを寄せるジョニー役を好演(ファンの間で語り継がれる名作だそう)。2017年の舞台『蜘蛛女のキス』では、ゲイのモリーナと心を通わせる革命家ヴァレンティンを熱演しています(男どうしのキスシーンもありました)。監督は、『世界の中心で、愛をさけぶ』『リバーズ・エッジ』などの名匠・行定勲さんです。

<あらすじ>
学生時代から「自分を愛してくれる女性」とつきあい、受け身の恋愛ばかりを繰り返してきた大伴恭一。ある日、後輩の今ヶ瀬渉と7年ぶりに再会すると、「昔からずっと好きだった」と突如、想いを告げられる。今ヶ瀬の一途なアプローチに振り回されていくうちに、やがて恭一は、胸を締め付けるほどの恋の痛みに翻弄されていく……。
 
窮鼠はチーズの夢を見る
2020/日本/監督:行定勲/原作:水城せとな/出演:大倉忠義、成田凌、吉田志織、さとうほなみ、咲妃みゆ、小原徳子ほか




9月11日〜
海辺のエトランゼ

 沖縄の離島を舞台に、ゲイの小説家と年下のフリーターとの出会いとロマンスを描いた心洗われるBL漫画(こちらから立ち読みできます)として人気を博した作品が、映画化されました。BLにありがちな「俺はホモじゃねえ」と言ったりするノンケが主人公ではなく、親族から受け入れられない経験もしているようなゲイの小説家と、若くして両親を亡くしてしまった美少年との、じれったくもある純愛ラブストーリーになっています。

<あらすじ>
小説家の卵でゲイの橋本駿と、物憂げに過ごす高校生・知花実央。2人は沖縄の離島の海辺で出会い、日に日に距離を縮めるが、実央が島を離れることに。そして3年後、島に戻ってきた実央は「3年考えた。男でも駿が好き」と迫る。しかし駿は、いざ実央と恋人の関係に、となると、一歩を踏み出せなくて…。

海辺のエトランゼ
2020年/日本/59分/原作:紀伊カンナ/監督:大橋明代/声の出演:村田太志、松岡禎丞ほか




9月18日〜
トム・オブ・フィンランド

 世界で最も有名にしてゲイカルチャーに多大な影響を与えたゲイ・エロティック・アートの大家、トム・オブ・フィンランドの半生を描いた作品。あまり詳しくは書きませんが、80年代のエイズ禍の時代、トムの絵がどんな意味を持っていたか、ということも描かれます。この辺りからもう、涙腺が崩壊します。ラストシーンまでずっと、泣きっぱなしです…(レビューはこちら)。渋谷パルコで開催されるトム・オブ・フィンランド初個展とともにぜひ、ご覧ください。

<あらすじ>
フィンランドの画家志望の帰還兵トウコ・ラークソネンは、戦後間もない同性愛嫌悪な社会の中で自身のイマジネーションを解放させることを願い、ひそかに絵を描き続けた。「国の恥」とまで呼ばれたトム・オブ・フィンランドは、いかにして世界中から名声を得る存在になっていったのか…。

トム・オブ・フィンランド
2017年/フィンランド・スウェーデン・デンマーク・ドイツ・アメリカ合作/監督:ドメ・カルコスキ
9月18日(金)~9月24日(木)
@WHITE CINE QUINTO(渋谷パルコ8階、ShibyaPARCO 8F)
9月25日(金)~10月8日(木)
@UPLINK​ 渋谷





9/19、9/28、10/2、10/6、10/28
藍色夏恋

 みずみずしさあふれる台湾青春映画の金字塔的作品。高校生の男女3人の淡い恋模様をノスタルジックに描き、世界各国で評判を呼びました。なお、監督のイー・ツーイェン(易智言)は2016年にゲイであることをカムアウトしています。

監督:イー・ツーイエン(易智言)
出演:グイ・ルンメイ(桂綸鎂)、チェン・ボーリン(陳柏霖)、リャン・シューホイ(梁淑慧)
2002年/台湾・フランス/84分
※新宿K's cinema「台湾巨匠傑作選2020」にて上映(台湾巨匠傑作選は11/14-12/4に大阪シネ・ヌーヴォでも開催)



9/22、10/10、10/22
愛情萬歳 

 現代の台北を舞台に、孤独な男女3人の生き方を、冷徹なカメラワーク、極端に少ない台詞、一切の音楽の助けを借りない俳優たちの陰影豊かで繊細な演技など、抑制された演出でつづった人間ドラマ。抑圧されたゲイ・エロティシズムが描かれている作品です(90年代の台湾では、物議を醸すようなことだったはず)。監督のツァイ・ミンリャンは、ホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンなどと並び、台湾映画界の第2次ニューウェーブ世代を代表する存在で、今作でヴェネチア国際映画祭金獅子賞(グランプリ)に輝いています。

1994年/台湾/117分
監督:ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)
出演:ヤン・クイメイ(楊貴媚)、リー・カンション(李康生)
※新宿K's cinema「台湾巨匠傑作選2020」にて上映(台湾巨匠傑作選は11/14-12/4に大阪シネ・ヌーヴォでも開催)



10/10、10/23


 ツァイ・ミンリャンの『河』は1997年当時、衝撃をもって迎えられ、(日本では橋口亮輔さんの『二十才の微熱』『渚のシンドバッド』のような名作ゲイ映画がすでに公開された後だっただけに)台湾のゲイとはこんな地獄のような現実を生きているのか…という印象を与えた作品でした(今はすっかり逆転してしまいましたが)。しかし、20年以上経った今こそ、この作品の本当の凄さがわかる気がしてなりません。ほとんど口もきかないような父子が、肉体的につながってしまうことで、より孤独を深めてしまうという皮肉…。セックスと恋愛と家族的な愛情の境界線とはどこにあるのか、性とは生にとって何なのか…多くのことを問いかける傑作としてご覧いただける気がします。第47回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)に輝いています。
 
監督:ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)
出演:リー・カンション(李康生)、ミャオ・ティエン(苗天)
1997年/台湾/115分
※新宿K's cinema「台湾巨匠傑作選2020」にて上映(台湾巨匠傑作選は11/14-12/4に大阪シネ・ヌーヴォでも開催)



10/6、10/14、11/6
『52Hzのラヴソング』

『セデック・バレ』『海角七号 君想う、国境の南』のウェイ・ダーション監督による、あるバレインタインデーに繰り広げられる様々な恋愛模様を描いたミュージカル作品です。台北市が主催する同性結婚式イベントに向かう女性カップルが、主人公の小心(シャオシン)が営む花屋に立ち寄るシーンがあります。二人は、小心おすすめのシャンパン色のブーケに大満足。この映画の中で幸福感を牽引する役割を果たしています。

監督:ウェイ・ダーション(魏徳聖)
出演:リン・ジョンユー(林忠諭)、ジョン・ジェンイン(荘鵑瑛)、スミン(舒米恩)、チェン・ミッフィー(米非)、リン・チンタイ(林慶台)、シンディ・チャオ(趙詠華)
2017年/台湾/109分
※新宿K's cinema「台湾巨匠傑作選2020」にて上映(台湾巨匠傑作選は11/14-12/4に大阪シネ・ヌーヴォでも開催)





9月25日〜
マティアス&マキシム 

 天才の名をほしいままにするゲイの映画監督、グザヴィエ・ドランの新作映画は、『君の名前で僕を呼んで』に感銘を受けて作られたという愛の物語です。『君の名前で僕を呼んで』を観てドランは「しばらく動けないほどの衝撃だった」そうです。「恋についての真実を審美的な映画で見ることはなんて感動的なんだろう。僕は自分が20代の頃のことを思い出した」。そして、この名作に応えるよう、現代を生きるマティアスとマキシムの物語を誕生させました。ドランは本作について「僕にとっては、これは同性愛についての映画ではないし、ゲイの愛についての映画でもない。もちろん、その要素はある。だけど主人公の二人が、これがゲイの愛だと気付いるとは思わない。ただの愛だ。25年にわたって兄弟同然の親友だったのに、ある日、愛がドアをたたく。あのキスでね。オープニングでのキスが全てを揺さぶり、二人の関係が再定義されることになる。僕にとって、これは第一に友情についての映画なんだ。友情は愛よりも確かで、強いものなのか? 友情は愛なのか? それがこの映画で僕が提示したものだ」と語っています。(予告編をぜひご覧ください)

<あらすじ>
たった一度の偶然のキス。そして溢れ出す、友達以上の想い。 マティアスとマキシムは30歳で幼馴染。友人が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった二人は、その偶然のキスをきっかけに秘めていたお互いへの気持ちに気付き始める。美しい婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠せない。一方、マキシムは友情が壊れてしまうことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、二人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだが……。

マティアス&マキシム 
2019年/カナダ/監督:グザヴィエ・ドラン/出演:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス、グザヴィエ・ドランほか/9月25日より新宿ピカデリーほか全国公開




9月25日〜
ミッドナイトスワン

 トランス女性の主人公と親の愛情を知らない少女の擬似親子的な愛の姿を描いたドラマ映画。草なぎ剛さんがトランスジェンダー役を演じることで話題です。

<あらすじ>
故郷を離れ、新宿のニューハーフショークラブのステージに立つ、トランスジェンダーの凪沙。ある日、凪沙は養育費目当てで、少女・一果を預かることになる。常に社会の片隅に追いやられてきた凪沙、実の親の育児放棄によって孤独の中で生きてきた一果。そんな2人にかつてなかった感情が芽生え始める……。

ミッドナイトスワン
2020/日本/監督:内田英治/出演:草なぎ剛、水川あさみ、真飛聖、田口トモロヲほか





9月30日〜(Netflix配信)
ボーイズ・イン・ザ・バンド

 1968年のゲイたちのリアリティを描き、トニー賞を受賞した舞台(日本でも『真夜中のパーティー』という名前でたびたび上演されてきました)、『ボーイズ・イン・ザ・バンド』。2018年、マット・ボマー、ザカリー・クイント、ジム・パーソンズら全員ゲイのキャストでブロードウェイでリバイバル上演され、話題になりましたが、昨年、これが『glee』のライアン・マーフィのプロデュースによって映画化されました(日本でも7月に『ボーイズ・イン・ザ・バンド』の舞台が上演されました。ご覧になった方もいらっしゃると思います)。ストーンウォール以前の閉塞的な状況を生きるゲイたちの心の叫び(や、そういう状況でも何とか友達や愛する人たちを大切にしながら前向きに生きていこうとする姿)を通じて、社会のホモフォビアを告発するような作品で、ともすると重苦しく、しんどい舞台になってしまうのですが、そこはライアン・マーフィなので、きっと『観てよかった』と思える作品になっているはずです。

<あらすじ>
マイケルは、ハロルドの誕生日を祝う会を開くため、ゲイの友人たちを自宅に招くことに。次々と集まるなか、マイケルの大学時代の友人である「ストレート」のイケメン、アランがやってきて、場がざわつく。そして派手な服に身を包む、誕生日会の主役であるハロルドが遂に登場し、盛り上がるなか、「心から愛している相手に電話をかけよう」とマイケルが告白ゲームを提案する。「電話をかけると1ポイント、相手が返答した場合には2ポイントを追加で獲得、さらに、相手に愛していると伝えられた場合にはボーナスポイントだ」。関係性を崩壊しかねないゲームを皮切りに、温かいムードに包まれていた誕生日会の雰囲気が徐々に険悪となり、知られざる真実が浮き彫りになっていく……。
 
Netflixオリジナル映画『ボーイズ・イン・ザ・バンド』
2020年/アメリカ/監督:ジョー・マンテロ/出演:マット・ボマー、ザカリー・クイント、ジム・パーソンズほか
9月30日(水)Netflixにて配信スタート





10月23日〜
どうにかなる日々

女の子になりたい男の子や男の子になりたい女の子の「心の旅」を繊細に描いた名作『放浪息子』、女の子どうしの恋愛をセクシャルな部分も含めてリアルに描いた『青い花』などのクィアな青春漫画の傑作を世に送り出してきた志村貴子さんの、さまざまな恋模様を淡く繊細に描いたオムニバス漫画をアニメーション映画化したのが『どうにかなる日々』です。同性からモテモテだった女性・百合の高校時代の彼女えっちゃんと短大時代の彼女あやさんがひかれ合う「えっちゃんとあやさん」、卒業式の日に、教え子の矢ヶ崎くんに突然告白される男子校教師を描いた「澤先生と矢ヶ崎くん」など。

どうにかなる日々
2020/日本/監督:佐藤卓哉/原作:志村貴子/声の出演:花澤香菜、小松未可子、櫻井孝宏ほか




10月30日公開
Life 線上の僕ら ディレクターズカット版

 常倉三矢による人気ボーイズラブコミック「Life 線上の僕ら」を、白洲迅と楽駆の主演で実写化したドラマの劇場公開版。高校生から大学生、そして社会人と、変わりゆく現実の中で変わらない思いを抱きながら生きる2人の男の人生を描く。2020年6月からRakuten TV、ビデオマーケットで、8月からFODなどで配信された全4話のドラマに、ドラマ版ではカットされたシーンを加えたディレクターズカット版で劇場公開。

<あらすじ>
高校からの下校途中、ひとり遊びの「白線ゲーム」で偶然出会った伊東晃と西夕希。生真面目な性格で親が望む「普通」のレールに乗った人生を歩む晃は、まっすぐで天真爛漫、無邪気な夕希に振り回されるが、いつしか夕希に恋心を抱いていることに気づく。同性への気持ちに戸惑いながらも、ある時、晃はとっさに夕希にキスをしてしまい……

Life 線上の僕ら ディレクターズカット版
2020年/日本/113分/監督:二宮崇/出演:白洲迅、楽駆、小島藤子ほか




11月1日、5日、8日(東京国際映画祭)
愛で家族に〜同性婚への道のり

3組の同性婚カップルに密着し、台湾で同性婚が実現するまでの道のりと現在の問題を考える、話題のドキュメンタリー映画です。東京国際映画祭で上映されます。なお、今回の東京国際映画祭では、女性どうしの愛を描いたものすごい傑作だと評判の『燃ゆる女の肖像』も8日に特別上映されるほか、8歳のトランスジェンダーの子どものドキュメンタリー『リトル・ガール』なども上映されます。(いずれもチケットの発売は10/24からです)

愛で家族に〜同性婚への道のり 【ジャパンプレミア】
2020年/台湾/監督:ソフィア・イェン/出演:ウー・シャオチャオ、チウ・ミンジュン、ワン・ティエンミンほか




11月1日〜12月10日(オンライン配信)
安住の地を求めて~LGBTとして生きる~

 ひどい迫害を受け、母国シリア、アンゴラ、コンゴ民主共和国を逃れてアメリカに第三国定住した4人のLGBTの若者の人生を追ったドキュメンタリー映画です。それぞれに共通しているのは、社会からの偏見と差別にさらされ、命の危険を脅かされるほどの迫害を受けてきたこと。彼らが安心を求めるために払わなければならない代償とは? アメリカで人々は彼らにどのように関わっているのか? 4人の若者から、人としてただ当たり前に生きたいという切実な叫びが聞こえてくるような作品です。
 現在、同性愛を違法としている国は70ヵ国を超え、なかには死刑を宣告する国もあります。LGBT難民の多くは、地域社会で迫害の対象となり、最も身近な家族からも認められず、社会や家族からの偏見と差別による排除に苦悩しています。アメリカでは、トランプ大統領が難民の受け入れ数を減らしており、かつての70%まで落ち込んでいます。アメリカが第三国定住として難民を受け入れる場合、通常は家族単位であり、イラク出身者であれば、イラク人のコミュニティやモスクのある地域での受入れを行うなどの配慮がなされますが、LGBTの場合、家族による迫害や暴力から逃れてきているケースが多いため、同国の出身者との接触が耐え難い恐怖につながることもあります。避難した先の国でも孤立した状況に陥りやすく、うつやPTSDを発症するリスクも高まると言われています。この作品は、彼らが難民の中でもいっそう脆弱な立場におかれているという事実に気づかせてくれます。
(※この作品は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の日本の公式支援窓口である国連UNHCR協会が、世界の難民・避難民への支援を呼びかけ共感の輪を広げる配信型の映画イベント「UNHCR WILL2LIVE Cinema2020 募金つきオンラインシアター」として配信するもので、視聴料の一部が日本国内の難民問題啓発活動に活用されます)

安住の地を求めて~LGBTとして生きる~ 
原題:UNSETTLED: Seeking Refuge in America
2019年/アメリカ/84分/ドキュメンタリー/監督:トム・シェパード





11月6日〜
トルーマン・カポーティ 真実のテープ

『ティファニーで朝食を』『冷血』などの作品で知られる、ニューヨーク文壇の寵児であり、ゲイであったトルーマン・カポーティ。故フィリップ・シーモア・ホフマンが初のオスカーを受賞した映画『カポーティ』をご覧になった方もいらっしゃることと思いますが、今作は、ジャーナリストのジョージ・プリンプトンによる評伝『トルーマン・カポーティ』(1997)に基づき、「未完の絶筆」とされる問題作『叶えられた祈り』の謎に迫るドキュメンタリーとなっています。カポーティの知人や関係者たちのインタビューや秘蔵映像から、流行作家であり、戦後アメリカを代表するセレブリティのアイコン的存在でもあったカポーティの栄光から転落までを追っています。

トルーマン・カポーティ 真実のテープ
2019/米/監督:イーブス・バーノー/出演:トルーマン・カポーティほか




11月13日〜
詩人の恋

 韓国の済州島を舞台に、主人公の詩人が同性の青年に対して恋愛感情を抱いたことから、三角関係になった詩人とその妻、青年の3人が、もがきながら答えをたぐり寄せていく姿を描き、愛や夫婦のあり方について問いかける作品。ぽっこりお腹の詩人を演じたのは『あゝ、荒野』のヤン・イクチュン。青年セユンを演じたのはNetflixオリジナル韓国ドラマ『恋するアプリ LOVE ALARM』のチョン・カラム。監督はこれが長編初作品となるキム・ヤンヒ。

<あらすじ>
自然豊かな済州島で生まれ育った30代後半の詩人テッキは、スランプに陥っていた。そして、稼げないテッキを支える妻のガンスンが妊活を始めたことから、平凡だったテッキの人生に波が立ちはじめる。乏精子症と診断され、詩も浮かばずに思い悩むテッキは、ある時、港に開店したドーナツ屋で働く美青年セユンと出会う。セユンのつぶやきをきっかけに新しい詩の世界を広げることができたテッキは、セユンについてもっと知りたいと思うようになるのだが……。

詩人の恋 
原題:The Poet and the Boy
2017年/110分/韓国/監督:キム・ヤンヒ/出演:ヤン・イクチュン、チョン・ヘジン、チョン・カラム、キム・ソンギュンほか




〜11月28日
にがくてあまい

 小林ユミヲによる人気コミックが原作。農家の娘だが野菜が嫌い、料理はできない、部屋は荒れ放題、私生活はだらしない、しかし仕事には燃えるキャリアウーマンの江田マキ(川口春奈)。そんなマキがひょんなことからオーガニック野菜を愛するゲイのイケメン美術教師・片山渚(林遣都)との同居をスタートする。何かと衝突する二人だったが、渚の作るオーガニック野菜料理に野菜嫌いのマキが癒されていく…という、ほっこり癒やされるテイストの作品。渚と元同居人であるアラタ(淵上泰史)とのキスシーンもあるそうです。

にがくてあまい
2016年/日本/96分/監督:草野翔吾/原作:小林ユミヲ/出演:川口春奈、林遣都、淵上泰史、SU、中野英雄ほか
GYAOで11月28日まで無料配信中




12月11日〜24日
チョコレートドーナツ

 この12月、宮本亞門さん演出&東山紀之さん主演で『チョコレートドーナツ』が世界初舞台化されることを記念し、映画『チョコレートドーナツ』がアンコール上映されることになりました。
 映画『チョコレートドーナツ』は2013年のGLAADメディア賞で最優秀作品賞に輝き、全米の映画賞で観客賞を総なめにした名作で、日本でも異例のロングランヒットを記録し、多くの観客がハンカチを濡らしました。あの感動が再び!ということで、また映画館に観に行こうと思う方も多いのではないでしょうか。渋谷「ホワイトシネクイント」で12月11日〜24日に上映されます。

チョコレートドーナツ
原題:Any Day Now
2012年/アメリカ/監督:トラビス・ファイン/出演:アラン・カミング、ギャレット・ディラハント、アイザック・レイバほか
2020年12月11日(金)~24日(木)、ホワイトシネクイントにて上映



12月15日(火)〜24日(木)
後悔なんてしない

 2007年のアジアンクィア映画祭、2008年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭@バルト9で上映され(その後、劇場公開もされ)、多くの人たちを魅了した作品。韓国で初めてゲイであることをカムアウトしたイソン・ヒイル監督が、男どうしの激しくも切ない恋を、真正面からリアルに描いた名作です。ホモフォビアの強い韓国社会で、身分の差という障壁もありながら、それでも情熱的に愛し合う二人の姿に胸を打たれます。12年ぶりにスクリーンで上映されるので、懐かしいと思う方も、観たことがないという方もぜひ。

<あらすじ>
田舎の孤児院を出て、夢を求めてソウルへやってきたスミン。昼は工場で働き、夜は運転代行のアルバイトを続ける日々。ある日、運転代行で呼び出されたバーで裕福なジェミンという青年と出会い、二人は互いに惹かれ合うものを感じる。ジェミンはスミンを部屋に誘うが、スミンは遠慮する。やがて、スミンの工場で大規模な人員削減があるが、実はジェミンはその工場の経営者の御曹司で、スミンの解雇を取り消す。スミンはその好意を素直に受け取ることができず、工場を辞めてしまい…。

後悔なんてしない 
原題:후회하지 않아/No Regret
2006年/韓国/114分/監督:イソン・ヒイル/出演:イ・ハン(キム・ナムギル)、イ・ヨンフン、キム・ジョンファほか
※シネマート新宿の「のむコレ2020」という映画祭の上映作品です(そちらのサイトには「BL」と書かれていますが、決してBLではありません)



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