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2025年夏のクィア・アート展

2025年6月〜8月に開催されるLGBTQ(クィア)関連のアート展の情報をまとめてご紹介します。この6月は東京レインボープライドが初開催する『Queer Art Exhibition』、児雷也さんの個展、そして台湾のクィア・アーティスト、マンボウ・キーの個展に注目しましょう

2025年夏のクィア・アート展

(「Home Pleasure|居家娛樂」 MANBO KEY SOLO EXHIBITIONより)

気温が30度を超え、早くも夏を感じさせる今日この頃ですね。梅雨入りも間近かとは思いますが、ぜひ週末は劇場映画館などと合わせてギャラリーや美術館にもお出かけください。というわけで、2025年6月〜8月に開催されるLGBTQ(クィア)関連のアート展の情報をまとめてご紹介します。この6月は東京レインボープライドが初開催する『Queer Art Exhibition』、児雷也さんの個展、そして台湾のクィア・アーティスト、マンボウ・キーの個展など、気になる展覧会がいろいろあります。今後も新しい情報が出てくると思いますので、わかり次第、追加していきます。
(最終更新日:2025年5月20日)




5月30日~6月9日 東京
「Home Pleasure|居家娛樂」 MANBO KEY SOLO EXHIBITION

 ちょうど1年前に『父親的錄影帶|Father’s Videotapes』という個展を開催した台湾のクィア・アーティスト登曼波(マンボウ・キー)。1994年のある運命的な日、マンボウが父親の“禁断の”コレクションである自撮りのセックステープを発見し…不安と戸惑い、そして好奇心に占領された10代を経験し、自身のアイデンティティを探求することで結実した作品は、台北美術賞でグランプリを受賞しています。数々のゲイ的なセクシー写真と、お父様の写真と併せて展示されていたセックステープは、アジアのいろんな国々で入国を禁止されるという検閲に遭ってきたそうで、それ自体がリアルな事件性を帯びた作品なのでした。
 日本での初めての大規模個展となる今回の個展『Home Pleasure|居家娛樂』は、その《Father’s Videotapes》シリーズの延長である《Father’s Video Tape_Avoid A Void》(台新芸術賞を受賞)からの未発表作品や日本未公開作品を中心に構成されます。プレスリリースによると、「2022年に開催された個展『HomePleasure』では、家族関係、トランスジェンダーのイシュー、ならびに社会的周縁性といった主題にまで関心を広げ、台湾におけるクィア・カルチャーとの関わりをいっそう深化させた。同年、アートとパーティカルチャーの交差を探究すべく、HomoPleasure Collectiveを共同設立するに至る」とのことです。本展ではまた、ファッションフォトグラファーとして『Vogue Taiwan』や『Marie Claire』などで撮り下ろしてきた作品や、本展のために新たに撮り下ろした作品も初出展されているそうで、その中にはオードリー・タン、與真司郎さん、Usakさんらのポートレートも含まれているそう。
 なお、この個展はプライド月間に開催され、入場無料となっています。会期中にはトークイベントやスペシャルパーティなどの関連プログラムも開催予定です。

『Home Pleasure|居家娛樂』 MANBO KEY SOLO EXHIBITION 
会期:5月30日(金)〜6月9日(月)
※営業日時は変更となる場合がございます。渋谷PARCOの営業日をご確認ください
会場:PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷PARCO 4F) 東京都渋谷区宇田川町15-1
開場時間:11:00-21:00 ※入場は閉場の30分前まで ※最終日18時閉場
入場無料
主催:PARCO
企画:エイベックス・クリエイター・エージェンシー株式会社/合同会社YOUR STORY
後援:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター







5月31日〜6月15日 東京
THE ART OF JIRAIYA-ARTWORKS1998-2025 児雷也の世界展

 『G-men』誌の表紙やEAGLE TOKYO(EAGLE OSAKA)の壁画などでも有名な、内外で絶大な人気を誇るアーティスト・児雷也さんの待望の個展が、これまでたくさんのゲイアーティストの個展なども手がけてきた銀座ヴァニラ画廊で開催されます。
「確かな画力に裏打ちされた、艶やかで肉感溢れる男性イラストレーションをはじめ、時にユーモラスで爽やかに、時に切なく重厚にエロスを描く漫画作品で、国内外の多くのファンを魅了し続けています。また、フランスでは画集も出版されるなど、国際的にも高く評価されています。本展では、展覧会のために描き下ろした作品をはじめ、貴重な手描きの生原稿、近年のCG作品、漫画原稿まで、児雷也の創作の軌跡を俯瞰できる内容となっています。また、展示会場では複製原画やオリジナルグッズの販売も行います」とのことです。

THE ART OF JIRAIYA-ARTWORKS1998-2025 児雷也の世界展
会期:5月31日(土)〜6月15日(日)
会場:ヴァニラ画廊展示室AB(東京都中央区銀座八丁目10-7 東成ビル地下2F、東京メトロ新橋駅1番出口より徒歩5分)
開場時間:平日12:00-19:00、土日祝および最終日12:00-17:00
会期中無休
入場料:1,000円
※入場料は画廊の受付にてお支払いをお願いいたします
※入場料のお支払いは現金のみとなります
※18歳未満はご入場いただけません




6月6日〜6月18日 東京
Queer Art Exhibition

 東京レインボープライドが昨年末、「Tokyo Pride 2025」に合わせて「Queer Art Exhibition 2025」を開催することを発表し、参加アーティストを公募しました。そうしてこの6月、東急プラザ原宿「ハラカド」3F BABY THE COFFEE BREW CLUB GALLERY ROOM/ART STREETにて『Queer Art Exhibition』が初開催されることになりました。「本展では、LGBTQ+のアーティストによる作品を中心に、クィア文化の紹介やその歴史を見つめ直す作品、またLGBTQ+コミュニティの物語やアイデンティティを表現した作品を展示します」とのことです。
 この展覧会では、LGBTQ+をテーマにしたアート作品を通じてLGBTQ+アーティストの創作活動を支援するとともに多様な表現の機会を広げることを目的に、来場者からの寄付を募ります。「LGBTQ+に関連するテーマを扱ったアートは、商業的な発表機会が限られることが少なくありません。このため、アーティストが継続的に創作活動を行い、新たな作品を生み出すためには経済的支援も不可欠です。来場者から寄せられた寄付は、アーティストが自由な創作活動を続けていくための環境づくりに活用されます。それにより、LGBTQ+コミュニティの文化的基盤が育まれていきます。また、この取り組みを通じて、TRPとLGBTQ+コミュニティとの連帯を一層強化することも目指していきます。寄付による支援の輪が広がることで、LGBTQ+コミュニティに根ざしたアートがより多くの人々に届き、TRPが掲げる多様性の可視化や社会課題の啓発への理解を促進していきます」 
 展示会場では原画販売やチップボックスを通じてアーティストに直接収益を還元する仕組みを導入します。また、出展する30名のアーティストの中から「推しアーティスト」を選ぶ投票も行なわれ、最多票を獲得したアーティストには「東京レインボープライド賞(賞金10万円)」が授与されるそうです。

Queer Art Exhibition 
会期:2025年6月6日(金)~18日(水)
会場:東急プラザ原宿「ハラカド」3F BABY THE COFFEE BREW CLUB GALLERY ROOM/ART STREET
開館時間:11:00-21:00(最終日のみ19:00まで)
無料
どなたでもご観覧いただけます
※車椅子をご利用の方やベビーカーをご使用の方も観覧可能です。施設全体の詳細なバリアフリー設備やご利用に関する案内については東急プラザ原宿「ハラカド」公式サイトも併せてご確認ください
出展アーティスト(順不同):林家夯 Lin Jaihang、moriuo、Alexandre Levi、おはるのあーと、A、吉田なつ樹、SHII、きむら、織部佳積、能村、鳥籠みつ器、みたらし加奈、林克彦、OTOKONOKOTO、Charisse Harris、中町夏織り、Sunnymaaya、Show-on.、vivi & vela、狩野萌、Zun.、HENTEKO LAND、BeesandButterflies、まさゑ、HAL、ウェンディ・シルヴァン、Masa Kaneko、実禾[mitsuwa]、演劇集団LGBTI東京、Jemma Rose、長嶋一孝
※各アーティストのプロフィール・作品コンセプトについては公式サイトをご覧ください


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