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トニー賞授賞式でジョナサン・グロフをはじめ多数のクィアの俳優、脚本家などが受賞の栄誉に輝きました

2024年06月17日

 第77回トニー賞授賞式が6月17日(日本時間)、ニューヨークのデイヴィッド・H・コーク劇場で開催され、今年も大勢のクィアの俳優や演劇関係者が活躍しました。
 
 
 授賞式は、2022年に『ウエスト・サイド・ストーリー』で助演女優賞を受賞し、クィアの有色人種女性として初のオスカー受賞という快挙を成し遂げたアリアナ・デボーズが、3年目のホスト(司会)を務め、彼女のオープニングパフォーマンス「This Party’s For You」で華やかに幕を開けました。
 ステージパフォーマンスでは、エディ・レッドメイン率いる『キャバレー』のカンパニーが「Willkommen」を披露したほか(『キャバレー』はライザ・ミネリ主演の映画があまりにも有名ですが、原作を書いたのがゲイのクリストファー・イシャーウッドで、音楽を手がけたのもゲイのジョン・ケンダー(『シカゴ』の作曲も彼です)、劇中にも何人もゲイが登場するという極めてゲイゲイしい作品です)、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』(1981年初演作品のリバイバル。作詞・作曲はゲイのスティーヴン・ソンドハイム)のコーナーでは今回初めて主演男優賞に輝いたゲイのジョナサン・グロフがダニエル・ラドクリフらとともに登場しました。
 『Out』誌は「素晴らしいパフォーマンス。生の舞台のセレブレーション。それは人気の高いクィアのスターたちとクリエイターの受賞も含むものだった」と称しています。
 以下、受賞したクィアの方たちをご紹介します。


 まずは、初受賞となったジョナサン・グロフです。『ウッドストックがやってくる』『ノーマル・ハート』『glee/グリー』『アナと雪の女王』『Looking/ルッキング』『マトリックス レザレクションズ』『ノック 終末の訪問者』などLGBTQに関連する多くの作品に出演してきた(ゲイ役もたくさん演じてきた)俳優が、今回リバイバル賞も受賞した『メリリー・ウィー・ロール・アロング』のフランクリン役でミュージカル部門主演男優賞に輝きました。受賞スピーチでジョナサンは、涙を流しながら「いつも僕が羽ばたけるような「フリークフラッグ」を許し、それを決して変だと感じさせないようにしてくれた」家族に感謝しました。
 
(どのようなセクシュアリティかわからなかったのですが)『Out』ではクィアだとされているマリア・ジョイ・ムーンは『ヘルズ・キッチン』に主演し、ミュージカル部門主演女優賞に輝きました。(ジョナサン・グロフと合わせ、ミュージカル部門の俳優賞をクィアの俳優が独占。スゴいですね)

 そして、『アメリカン・ホラー・ストーリー』に計8シーズンにわたって出演し、ある意味ライアン・マーフィのミューズとも言うべき存在となっているレズビアンのサラ・ポールソンが、『アプロプリエイト』のトニ役で演劇部門主演女優賞に輝いています。 

 アンジェリーナ・ジョリーがプロデューサーを務めた『アウトサイダー』はミュージカル部門で作品賞、演出賞など4部門を受賞し、作品賞の受賞が決まった際にはアンジーが壇上に上がり、娘のヴィヴィアンと喜びを分かち合いました。あまり知られていないかもしれませんが、アンジェリーナ・ジョリーはデビュー直後からバイセクシュアルであることをカムアウトしています。

 『アプロプリエイト』の脚本を書いたブランデン・ジェイコブス・ジェンキンスは演劇部門のベストリバイバル賞を受賞しています。ブランデン・ジェイコブス・ジェンキンスは2018年に俳優のチェオ・ボーンと結婚しています。

 今回最多5冠に輝いた『ステレオフォニック』の脚本を書いたデヴィッド・アジミーはブルックリンのシリア系ユダヤ教コミュニティ出身のゲイの方です。
 
 そして、『キャバレー』の舞台美術を手がけたトム・スカットがミュージカル部門装置デザイン賞に輝きました。トム・スカットについての情報はあまりないのですが、PinkNewsによると、この装置デザインには「クィアとして育った」自身の経験が反映され、「どう猛な精神とクィアの喜び」のバランスが意図されているそうです。

 
 
 
参考記事:
These are the LGBTQ+ winners at the 2024 Tony Awards(Out)
https://www.out.com/theater/tony-awards-2024-queer-winners-list#rebelltitem1

Jonathan Groff Calls Merrily Costars His 'Soulmates' as He Tearfully Accepts His First Tony Award(People)
https://people.com/tony-awards-2024-jonathan-groff-wins-best-actor-musical-merrily-we-roll-along-8661247

第77回トニー賞、「アウトサイダー」「ステレオフォニック」が作品賞に輝く(ステージナタリー)
https://natalie.mu/stage/news/578054

第77回トニー賞は、ミュージカル作品賞『アウトサイダー』、ミュージカル・リバイバル作品賞『メリリー・ウィー・ロール・アロング』、演劇作品賞『ステレオフォニック』、演劇リバイバル作品賞『アプロプリエイト』(スパイス)
https://spice.eplus.jp/articles/329720

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