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COLUMN

クラブパーティのオーガナイザーさんへの感謝とリスペクトを込めて

数々の夢のような時間をプレゼントしてくれたageHa@studio coastがついに、最後のゲイナイトを迎えます。世の中がこんなふうになってしまって恨めしい限りですが、行かれる方も、行かれない方も、どうかオーガナイザーさんたちのクラブイベントに懸ける思いを汲んでいただきたいと思い、このコラムをお届けします。

クラブパーティのオーガナイザーさんへの感謝とリスペクトを込めて

 コロナ禍の間(ここに来てO株が一気に増えて、まだ終わったとは言えないのでヤキモキしますが)、ゲイバーにもイベントにも行けず、友達にも会えず、新たな出会いを見つけることも難しかったので、部屋で独り過ごす時間が長くて本当につらかったという方も多かったと思います(先行きが見えないなか、ずっと独りでいて、メンタルの不調に陥る方もいらっしゃるのでは…と心配で、こちらのコラムをお届けしていました)。なかにはオンラインで飲み会を開いてくださる方もいたり、ナイモンとかYouTubeで面白い動画をたくさん配信してくれる方もいて、救われた方も多いと思います。
 昨年10月以降、緊急事態宣言も解除され、二丁目にも活気が戻り、ひさしぶりに二丁目やクラブイベントに行ってみて、リアルの大切さ、クラブやゲイバーなど居場所の大切さ(大げさじゃなくライフラインでもあると思います)をしみじみ実感した方も多いのでは? やはりリアルに人と会ってしゃべったり、みんなで集まって飲んだり騒いだり、パーティでイェイイェイ盛り上がったりっていう楽しさは格別ですよね(以前は当たり前だったことが、なんとありがたく感じることか…)
 
 たぶんみなさん何ヶ月もステイホームしてるなかで、自分を見つめたり、いろいろ考えたりすることもあったと思います。私は、(直接コロナとは関係ないながらも)昨年、何人もの方が病気で亡くなったことや、自分自身も(メタボで喫煙者の50代男性として)コロナに感染したら死ぬかもしれないな…と恐怖を感じながら過ごしてきたということもあり、否応なしに死ということを意識する日々でした(まさに「メメントモリ」です)

 でも、昨年10月以降、ひさしぶりにハロウィンの活気あふれる二丁目を楽しんだり、話題のイベントに参加したりして、ああ、やっぱり二丁目のイベントって楽しい!生きててよかった!って思えました。再び生きる意欲を取り戻せた、と言うと大げさですが、本当にそうなんです。
 
 人生一度きり。Life is short。命短し恋せよオトメです。後悔しないよう、やりたいことをやり、会いたい人に会い、思いを伝え、他人から何と言われようと自分の思うように生き、精一杯楽しまなくちゃ。です。
 
 人は亡くなる時に走馬灯のように人生を振り返ると言いますが、自分だったらどんなことを思い出すだろう…と考えました。1999年の「DIVA JAPAN」でラップをやって1000人くらいのお客さんが一緒に「イエーイ」って盛り上がってくれたこと、2000年の初めてのレインボー祭りで路上クラブパーティ状態からフィナーレで風船を一斉にリリースして、夜空を見上げたらサプライズで花火が上がって、号泣してたこと、2001年のパレード前日祭「GLORY」(全国のドラァグクイーンやゲイインディーズミュージシャンがショーやライブを披露)、2010年に初めてゲイクルーズに乗って、屋上のデッキで3000人くらいがサンセットのなかで本当ににハッピーな笑顔でダンスしてて、ダイアナ・ロスの「The Boss」がかかって、思わず涙が出てきたこと、夏のアゲハの六尺ナイトで台湾から来た人と仲良くなってハグしながら踊ってて、ステージ上でかわいいGOGOさんがプシューってミストを噴射して、最高にキモチよかったこと、試行錯誤しながら開催してきたイベントを(ドレスコード六尺っていうハードルを乗り越えて来てくれたお客さんが)ものすごく楽しんでくれたり、「こんな楽しいイベント、本当にありがとう」って言ってくれたこと…その多くが、クラブパーティだなって思いました。
 最後の時に「楽しいことがいっぱいあった。幸せだった。みんなありがとう」って思えたら、最高にいい人生だと思うんです。

 伝説のDJ、中村直さんが生前、こういうことをおっしゃってました。
「クラブで踊る事は、大袈裟かも知れませんが、悲しく寂しく満たされない現実から、ひとときの夢に浸れる「癒し」だと思う自分です。クラブで踊っている時の「一体感」を人々は欲する故、クラブに来て踊るのだと、感動を共有する事で人は癒されるんだと思うのです。でもそれはダンス・フロアーの上だけで成り立つ、切なく儚いものです。その儚い一瞬の為、DJはレコードを廻し、曲と曲を紡いで行くわけですが」

 私は幾度となく、それこそ何百というクラブイベントで、ひとときの夢に浸れる「癒し」や、「一体感」や、「ゲイに生まれてよかった」という気持ちを感じることができました。切なく儚い一瞬ではあるかもしれませんが、間違いなくそれは、人生で最高の瞬間、かけがえのない時間でした。
 
 これまで、夢のような時間や楽しい思い出をプレゼントしてくれたクラブイベント(オーガナイザーさん、ドラァグクイーン、GOGO BOY、DJ、ダンサー、スタッフのみなさん)にはいくら感謝してもしきれません。

 こちらのレポートでも書きましたが、ゲイのクラブイベントのオーガナイザーさんたちは、ひとえにゲイの仲間に楽しんでもらおうという心意気でイベントを開催しています。「こんな楽しいイベントをやってくれてありがとう」と声をかけてくださるお客さんに励まされながら、お客さんの笑顔が見たくてやっていると思います。
 
 数々の「夢のような時間」、それこそ世界的なレベルの「夢のような一夜」を15年もの長きにわたって届けくれたShangri-La@ageHaをはじめとするスゴいパーティが開催されてきた「STUDIO COAST」に特別な思い入れを感じている方は、決して少なくないと思います。
 1/22、ageHaでのラスト・ゲイナイトとなる“GLITTER BALL”では、これまで数々の感動をくれたageHaとお客さんへの感謝の気持ちを込めて、素晴らしい面々が結集しました。2012年に伝説とも言うべき豪華絢爛SHOWCASEを繰り広げた「RUSHCRUISE」が、最後にもう一度だけあの場所で、最高にゴージャスな夢の時間をプレゼントしてくれるほか、セクシーGOGO BOYSによるスペシャルな「GX3 Runway」、六尺ケツ割れ大祭、宇多田ナイト、K-POP PARTY「OPPA」と、ゲイシーンの粋を集めた熱いイベントが満載です。それぞれのイベントのオーガナイザーさんたちは、何ヶ月も前からこの日のためにキャストを調整し、ショーの構成を考えたり、音源を作成したり、振り付けしたり、ダンスの練習を重ねたり、衣装を作ったり、照明のプランニングをしたり、会場の飾り付けの準備をしたり、宣伝したりなど、寝る暇も惜しんで、準備に奔走してきました。すべてはゲイの仲間たちの「人生で最高の瞬間」「かけがえのない時間」のために――
 
 O株の感染拡大で最もショックを受けているのは、これまで全身全霊を傾け、魂を込めて、最高の一夜にしようと準備に明け暮れてきた、吉田さんをはじめとするオーガナイザーさんたちだと思います。その心中を思うと、本当にやりきれない思いがします…。
 こちらでお伝えしたように、「STUDIO COAST」自体が今月末で閉館となりますから、“GLITTER BALL”が延期ということはありえず、泣いても笑っても今回が最後です。
 お客様に向けて感染拡大防止のためのお願いをしたり、可能な限り万全な体制で、開催されようとしています。
 行かれる方は必ず鼻までマスクを着用し(不織布マスクプラスもう1枚とか)、ガイドラインを守りつつ、めいっぱい楽しんでいただきたいですし、行かれない方も、ぜひオーガナイザーさんたちの思いを汲み、心中を察していただきたいと思います。
 

 
 もう一つ、どうしてもお伝えしたいことがございます。
 今回の“GLITTER BALL”の六尺ケツ割れ大祭のフライヤーに「R.I.P.貫井@炎の野郎祭」という文言が書かれていたのにお気付きの方もいらしたと思います。
 ケツ割れナイト「炎の野郎祭」を主催してきた貫井さん(「CAVE」などの運営にも携わっていた方です)が昨夏、がんで亡くなったんだそうです。私はよつんばいナイトが終わった後で、六尺ナイト主催の吉野さんからそのことを聞いて…ものすごくショックでした。ナイトは超楽しかったのに、悲しみが溢れてしまい、家に帰ってから泣きました。
 今回、いつもの六尺ナイトではでなく「六尺ケツ割れ大祭」として開催するのは、貫井さんへの追悼の気持ちを込めてのことだったのです…。

 「炎の野郎祭」は、全国の(あるいは海外の)セクシーな野郎たちや、脱ぎ系イベントとか来なさそうな方とかも集まり、全員ケツワレ一丁で盛り上がり、超絶エロくて、開放的で、最高に楽しいイベントでした(毎回DJブースの裏のお部屋にスペシャルアトラクションが設置されるというお楽しみも)。令和になった瞬間、みんなでカウントダウンしてわーっと歓声が上がって、そこらじゅうでハグ&キスしていたのは、本当に素晴らしい思い出です。二丁目の伝説の一つです。
 伝説といえば、貫井さんは以前、ArcHで「巨根伝説」が開催された時に(自分がMCのお手伝いをさせていただいた時に)、ステージ上で、タブレットにちん○を載せると瞬時にモザイクがかかってスクリーンに映し出される(お客さんにはモザイク入りで見える)というハイテクなアトラクションに参加してくださって(私も横でご尊棒を拝見させていただき、光栄でした)、「DOCK」の周年パーティにも来られたりしてて、何度かお話させていただいたことがあるのですが、とても感じのよい、セクシーで魅力的な方でした。「炎の野郎祭」に何百人ものお客さんが来てくれたことに感謝するツイートとか、本当にうれしそうで、よかったなぁと思ったり。

 ドラァグクイーンやGOGOやDJに比べると、オーガナイザーさんはあまり表に出なかったりしますし、ご存じない方も多いかもしれませんが、のべ何千人もの野郎たちを盛り上げ、楽しませた、素晴らしいイベントを主催してくれた彼のことを、忘れないでいてほしいと思います。それがエロ系イベントだったからといって歴史の闇に埋もれさせるのではなく、心からの感謝と拍手で彼を称えたいという気持ちです。
 ハッテンを心から愛し、ぼくらのSEXライフを全力でサポートし、そして「炎の野郎祭」という最高にセクシーなイベントをプレゼントしてくれた貫井さんに、Kiss&Hugと、花束を。
 天国で安らかに過ごしながら、ぼくらがこれからも笑顔でハッテンできるよう、見守ってくれたらうれしいです。 
 
 私は“GLITTER BALL”の当日、(ちょっと寒いけど)ケツワレをはいていくつもりです。心で泣きながら…。
 “GLITTER BALL”に行かれるみなさんもぜひ、リスペクトの気持ちを込めて、また、最初で最後の、アリーナの2階部分のスペースを体験する意味でも、「六尺ケツ割れ大祭」に足を運んでみてください。
 
(文・後藤純一)

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