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Amazon Prime Videoで名作ゲイ映画を観よう!

自宅で過ごす時間が多くなりがちな今、ネットでゲイ映画やドラマを観よう特集第2弾です。Amazon Prime Videoで配信されている作品を一挙にご紹介!

Amazon Prime Videoで名作ゲイ映画を観よう!

休日も外出を控えておこうと思う方など、おうちで過ごす時間が長くなった方も多いことと思われますが、そんな今こそ、たくさんのゲイ映画やドラマが字幕付きで配信されているAmazon Prime Videoをフル活用してみてはいかがでしょうか? というわけで、Amazon Prime Videoで現在、ご覧いただけるゲイ映画のラインナップをまとめてご紹介します(こんなに名作がたくさん配信されてたなんて!と驚かされます)。Netflixでも観れる『ムーンライト』や『チョコレートドーナツ』、おそらくほとんどの方がすでにご覧になったであろう『ボヘミアン・ラプソディ』などは割愛しています。(タイトル横に※が付いている作品はAmazonPrime会員なら無料で観ることできます。それ以外の作品は199円〜500円ほどで視聴できます)
(トップ画像は『マイ・プライベート・アイダホ』より)
 


エンジェルス・イン・アメリカ (字幕版)
 トニー・クシュナー(『ミュンヘン』『リンカーン』の脚本家)による戯曲『エンジェルス・イン・アメリカ』は、1980年代のニューヨークを舞台に、エイズと戦う青年ウォルターと彼の周囲の人々の物語を通して、ゲイであることやHIV陽性であること、人種差別をめぐるリアルでシリアスな人間模様が描かれた超大作。舞台版はピュリッツァー賞やトニー賞を受賞し、TV版はエミー賞で作品賞をはじめ主要11部門を制覇、ゴールデングローブ賞でも全5部門を制覇という快挙を達成、トニー賞・ピュリッツァー賞・エミー賞という3つの賞を史上初めて1本の戯曲で制覇した作品、まさに不朽の名作です。形としてはドラマシリーズですが、通常の映画以上のクオリティです。この機会にぜひ、ご覧ください。



マイ・プライベート・アイダホ(字幕版)
 ゲイの監督ガス・ヴァン・サントが男娼のストリート・ボーイたちの群像を描いた、切なくも美しい、胸を熱く焦がす青春映画。リヴァー・フェニックス(この映画でヴェネツィア国際映画祭の男優賞に輝きました。しかしその2年後、薬物の過剰摂取で亡くなりました。弟のホアキン・フェニックスが『ジョーカー』でオスカーを獲得した受賞スピーチで、リヴァーへの思いを捧げています)、そしてキアヌ・リーブスという美しすぎる二人の、夢のような競演。伝説的な名作をぜひ、堪能してください。
 



BPM ビート・パー・ミニット(字幕版)
 1990年代のパリでエイズと闘いながら、愛しあい、力強く生きたゲイの若者たちの輝きを描いた映画。カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。胸が張り裂けそうになります。魂を鷲づかみにされます。人生観すら変わるかもしれません。ぜひご覧ください。(レビューはこちら
 



ノーマルハート (字幕版)
 まだHIVの感染経路や治療法も解明されておらず絶望しかなかった頃のニューヨークを舞台に、恋人や友人の命を救いたいという思いで立ち上がったゲイたちの姿を描いた映画です。ゲイの劇作家、ゲイの俳優、ゲイの演出家たちの思いが結実した、涙なしには観られない感動作です。(レビューはこちら




ゴッズ・オウン・カントリー(字幕版)
 「ヨークシャーの『ブロークバック・マウンテン』」とも称される羊飼いの男たちの純愛を綴った作品。せつない気持ちにさせられ、それでいて希望がある、そしてどこか「いにしえの世界」を感じさせもする、人間にとって普遍的な何かを描いた、奥深く、感動的な名作です。イニスとジャックの叶えられなかった夢を代わりに…と思うと、感動もひとしおです。(レビューはこちら
 



蜘蛛女のキス(字幕版)
 大倉忠義さんが2017年の舞台(リバイバル)に出演したこともあり、その名前を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。監獄で気難しい革命家のヴァレンティンと同室になった女装のモリーナが、かつて観た映画の話を聞かせることで次第にヴァレンティンと心を通わせていき…というストーリー。ノンケのヴァレンティンに恋してしまったモリーナの、切ないオトメ心が胸を打つ名作で、1985年当時から世界中のゲイの間で愛されてきました。モリーナを演じたウィリアム・ハートがアカデミー主演男優賞に輝いています。




モーリス(リストア版)
 同性愛が犯罪とされていた20世紀初頭のイギリスを舞台に美しい青年たちの真っ直ぐな愛を描いた不朽の名作であり、耽美的なゲイ映画としてセンセーションを巻き起こした『モーリス』(1987年。ヴェネチア国際映画祭でジェームズ・ウィルビーとヒュー・グラントが男優賞を受賞、ジェームズ・アイヴォリーが監督賞を受賞)。2018年、製作30周年を記念した4Kデジタル修正版が、当時はカットされた部分も復元した無修正版でリバイバル上映されました。これはそのリバイバル版です。


 

君の名前で僕を呼んで(字幕版)
 『モーリス』のジェームズ・アイボリーが脚本を執筆し、見事にアカデミー賞に輝いた『君の名前で僕を呼んで』。『モーリス』にも通じるような、美青年たちの恋を格調高く描いた映画ですが、もしかしたら男どうしの愛というものへの見方(概念)が変わるかもしれない、いろんな見方ができる、実に高度で奥の深い、素晴らしく芸術的な作品です。(レビューはこちら




シングルマン (字幕版)
 オープンリー・ゲイであるトム・フォードの美学とゲイテイストがこれでもかと詰まった映画に、身悶えするほど脳内麻薬が出まくりました。これぞゲイ映画。素晴らしくゲイ映画です。とにかく、すさまじく映像が美しいです。美しい男たち、美しい衣裳やインテリアや小道具…どのカットを取っても即、宣伝用のスチール写真に使えます。全編ファッション広告といった趣です。(レビューはこちら


 

フィリップ、きみを愛してる!
 愛する彼のために詐欺や脱獄を繰り返す、世にも稀な実在のゲイを描いた映画で、ジム・キャリーとユアン・マクレガーがゲイカップルを演じたことで大きな話題になりました。製作総指揮はあの(『レオン』『フィフス・エレメント』の)リュック・ベッソンです。ストーリーもぶっ飛んでてジェットコースターのようで、しかもまぎれもない純愛映画なので、笑ったり泣けたりするのですが、もう一つの見どころは、ユアン・マクレガーの驚くべき演技力です。これがあの『スター・ウォーズ』のオビ=ワン・ケノービと同じ人物なの?と目を疑うような、見事なゲイです(オネエではなく、おとなしくてオトメな感じ)。ぜひご覧ください。(レビューはこちら




ぼくを葬る (字幕版)
 フランスの鬼才と称されるゲイの監督フランソワ・オゾンは、『8人の女たち』という大傑作をはじめ、笑いと毒っ気と美学を盛り込んだゲイテイストな映画をたくさん撮っていますが、2005年に発表した『ぼくを葬る』は、31歳のゲイのフォトグラファーが末期ガンで余命3ヶ月だと宣告され、自分自身を静かに見つめていく姿を綴ったヒューマンドラマです。彼氏にはフラれ、(ガンだと告げていない)家族は優しくしてくれるわけでもなく、砂を噛むような現実の中で、ひょんなことから、未来へとつながるような出会いが訪れます…。




トム・アット・ザ・ファーム(字幕版)
 カナダから彗星のように現れ、19歳でカンヌ・デビューを果たした「アンファン・テリブル(恐るべき子ども)」グザヴィエ・ドラン。フランソワ・オゾンとよく比較されますが、ドラン自身も『ぼくを葬る』に主演したメルヴィル・プポーを自作に起用していることから、きっと影響を受けているのでしょう。そんなドランの作品の中でも最もエンタメ性が高いのが『トム・アット・ザ・ファーム』です。暴力的なのに、イイ男であるがゆえに逃げられず、「この人には僕が必要なんだ」という共依存的な精神状態に陥っていくゲイの心情を巧みに描ききったゲイチック・サイコスリラー。ものすごく怖いのですが、実に深い、そして美しくもある、ドランの天才が開花しまくった作品です。(レビューはこちら




さよなら、ぼくのモンスター(字幕版)
 カナダのゲイの監督ステファン・ダンによる半自伝的作品で、思春期の青年のセクシュアリティの受容や家族との葛藤を、卓越した映像センスで描き、本国で高く評価されました。ホモフォビアに直面しながらも、若い友人たちのナチュラルな寛容さに救われるところに感動があります。シリアスな話を独特のライトな(ちょっとオカルト風味な)感覚で斬新に表現している辺りもイマドキです。(レビューはこちら




Love, サイモン 17歳の告白 (吹替版)
 カミングアウトの難しさやアウティングの問題、今の時代のゲイの高校生のリアリティを生き生きと見事に描き、爽やかな感動を与えてくれる、それでいていろいろ考えさせる良作です。本国アメリカではたいへんな評判となった作品で、本当にいい映画なのでできるだけ多くの人々に鑑賞してもらいたいとニール・パトリック・ハリス、マット・ボマー、ジェシー・タイラー・ファーガソン(いずれもゲイの俳優)らが共同で映画館を貸し切って無料上映会を開催したほど、熱く支持されました。(レビューはこちら




人生は小説よりも奇なり
 ゲイ映画は世の中に数あれど、「まだこういう物語があったのか!」と驚かされます。同性婚実現後のNYで中年カップルが見舞われた予想外の出来事…。明るく静謐で、美しくも物悲しい、愛の物語。ずっと胸に抱きしめていたくなるような名作です。(レビューはこちら




ある少年の告白 (字幕版)
 アメリカに実際にある、同性愛を「治療」するというコンバージョン・セラピー(転向療法)施設。実際にその施設に入ったゲイの方が自らの体験を綴り、その不条理で非人道的な実態を暴いた本をもとに映画化されたのが『ある少年の告白』です。ニコール・キッドマンやラッセル・クロウなどのオスカー俳優と、ルーカス・ヘッジズなどの最旬キャスト、グザヴィエ・ドランやトロイ・シヴァンなどゲイの俳優が豪華共演を果たした注目作です。(レビューはこちら




彼が愛したケーキ職人(字幕版)
 舞台がイスラエルだから、ということもあるのかもしれませんが、ここまで紹介したどの映画とも違う、独特な作品です。同じ男性を愛し、喪った悲しみに暮れる二人の男女……主人公のちょっと現実離れした、ストーカーまがいの行動に違和感を覚える方もいるでしょうし、その悲しみの深さや愛の強さに胸を打たれる方もいると思いますが、「愛する人が愛していた人というのは、それだけで愛する必然性があるということ。愛とはそういうものであるということ」を描いているのではないかと感じます。(レビューはこちら




スプリング・フィーバー(字幕版)
 現代の南京を舞台に、まるで一夜の春の嵐のように激しく吹きすさぶ男たちの愛、そして風に舞い散る花びらのように運命に翻弄され、彷徨いゆく男女の群像——現代中国を代表するロウ・イエ監督による、せつない恋の映像詩『スプリング・フィーバー』(2009年カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作品)。中国当局から撮影禁止を言い渡されていたロウ・イエがゲリラ的に撮影し、同じように当局からの圧力に苦しむゲイたちへのエールとして「愛の自由」を描ききった作品です。(レビューはこちら
 



渚のシンドバッド
 1990年代、『二十歳の微熱』というゲイ映画史上の金字塔的な作品に続き、橋口亮輔監督が世に送り出した名作青春映画です。高校の同級生の男の子に恋心を抱く少年と、彼に興味を持つちょっとわけありな少女を中心とした、ひと夏の青春群像劇。歌手としてデビューする前の浜﨑あゆみさんが出演していることでも話題になりました。ロッテルダム国際映画祭グランプリ、毎日映画コンクール最優秀脚本賞などを受賞しています。




恋人たち
 『二十歳の微熱』『渚のシンドバッド』『ハッシュ!』という記念碑的なゲイ作品を世に送り出してきた橋口亮輔監督が、ひさしぶりにゲイの登場人物を描いた作品です(3つのストーリーの中の1つがそうです)。世の中の不条理に直面する人々の感情を丁寧に掬い上げたリアルな群像劇。世間の理不尽さに泣いたことのあるすべての人にとって、これ以上ないくらいカタルシスな名作です。役者さんの全身全霊の演技も素晴らしく、キネマ旬報で年間1位に選ばれたほどの作品です。(レビューはこちら


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