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特集:2026年7月上映のクィア映画
2026年7月に上映されるLGBTQ関連の映画の情報をお伝えします。今月は青森と東京でLGBTQ映画祭が開催されるほか、多彩なクィア作品を観ることができます

(『宵闇の火花』より)
2026年も上半期が終わり、早くも7月です。まだそこまで暑くないですし、週末のお出かけもしやすそう。というわけで、この7月に上映されるLGBTQ(クィア)映画をご紹介します。今月は青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバルとレインボー・リール東京の2つのLGBTQ映画祭が開催されるほか、多彩なクィア作品が上映されます。ぜひみなさんも映画館に足を運んでみてください。
新たに情報がわかり次第、追加・更新していきます。
ちなみに7月1日は「ファーストデー」(金曜ですが、お休みに入っている方もいらっしゃるかと)。多くの映画館で1100円〜1300円で映画を観ることができます(特別上映等を除く)。『熱狂をこえて』絶賛上映中です。
(最終更新日:2025年6月30日)
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<今月のトピック>
『となりのとらんす少女ちゃん』の公開日が決定!
『片袖の魚』『老ナルキソス』の東海林毅監督がとら少さん原作の新世代トランスコミック『となりのとらんす少女ちゃん』から「未来から来たとらんすちゃん」という作品を実写映画化、とのニュースを昨年お伝えしていましたが、いよいよその実写映画『となりのとらんす少女ちゃん』の公開日が11月7日に決まり、併せてポスターも公開されました。主演は『ブルーボーイ事件』の中川未悠さん、母親役としてはるな愛さんも出演し、関西弁バリバリの笑って泣ける映画になっているようです。楽しみに待ちましょう。
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上映中
熱狂をこえて
『沖縄カミングアウト物語〜かつきママのハグ×2珍道中!〜』の松岡弘明監督が、1994年に日本で初めてプライドパレードを実現させたゲイの活動家・南定四郎さんに4年間取材し、完成させたドキュメンタリー映画『熱狂をこえて』。南定四郎さんはゲイ雑誌『アドン』『MLMW』などの編集を経て、80年代にIGA日本を立ち上げ、ゲイリベレーションやエイズ・アクションに携わり、90年代には「ゲイアートプロジェクト」や映画祭、コミュニティセンター「hands on hands」を立ち上げ、94年に日本で初めてのプライドパレードを開催しました。(96年のパレードでは集会が紛糾するという事件に見舞われ、コミュニティ活動から距離を置くことになりましたが)南さんが主体となって推進した活動は、多方面で日本のプライド運動の礎となりました。この映画『熱狂をこえて』は、南さんの半生を通して日本のプライド運動の原点を記録するドキュメンタリーであり、同時に、次世代へと手渡される貴重なアーカイブでもあります。(レビューはこちら)
熱狂をこえて
2026年製作/日本/105分/配給:アップリンク/監督:松岡弘明/出演:南定四郎ほか
6月26日よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
上映中
街に溶ける(オムニバス映画「PLAYLIST アジアの才能」)
第20回・第21回大阪アジアン映画祭で上映された短編の中から次世代の才能を感じさせる日本、韓国、中国、台湾、ベトナムの作品5本をセレクトしたオムニバス映画「PLAYLIST アジアの才能」が新宿武蔵野館ほかで公開されますが、その5本のうちの1本、日本の映画が『街に溶ける』というクィア作品になっています。
『街に溶ける』は「クィアの子どもたちの、小さな冒険譚」「私が私でいるための、小さな逃避行」を描いた作品です。第15回韓国ソウル国際プライド映画祭でも上映されています。
<あらすじ>
いつものように男子との喧嘩でけがをして、保健室へと向かう小学5年生の二藤。そこにはクラスメイトの詩織の姿があり、彼女のある秘密を見てしまう。互いの秘密を共有するうちに2人は惹かれ合っていくが、周囲との違いに葛藤を抱き……。居場所を失くした2人は“なりたい自分”になれる湖へと向かう。
PLAYLIST アジアの才能
2024年/中国・韓国・ベトナム・台湾・日本/84分
新宿武蔵野館、Strangerほか全国で順次公開
7月4日 青森
第19回青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバル
日本で3番目に長い歴史を誇るクィア映画祭、青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバルも今年で第19回を数えます。今年は『ブルーボーイ事件』、『セルロイド・クローゼット デジタルリマスター版』、日本短編作品集(『誰も悪くないのにね』『チェンジマイノリティ』『カミングアウトジャーニー2 結婚式篇』)という驚くほど充実した、素晴らしいラインナップです。青森のみならず、近県のみなさんもぜひ!お越しください。
第19回青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバル
日時:7月4日(土)13:00-
会場:アウガ5Fカダール AV多機能ホール(青森市新町1-3-7)(JR青森駅前)
7月9日上映 広島
世界の果てまで3キロ
2024年カンヌ国際映画祭でクィア・パルム(最優秀クィア映画賞)を受賞したルーマニア映画『世界の果てまで3キロ』が「EUフィルムデーズ2026」で上映されます。ゲイの青年への悲痛な暴力事件を引き金に閉鎖的な村の現実が明らかになっていく…という、緊迫感の張り詰めるリアリズムタッチの作品だそうです。
EUフィルムデーズは、欧州連合(EU)加盟国の在日大使館や文化機関が選りすぐった作品を一挙上映するユニークな映画祭で、今年は各国映画祭で注目を集めた近年の話題作や日本初公開作品を含む全26作品がラインナップされています。東京、名古屋に続き、7月は広島で開催されます。
<あらすじ>
17歳の青年アディはドナウ川沿いの故郷の村で夏休みを過ごしていたが、ある夜路上で地元の少年2人組に襲われ、全身を激しく殴打される暴力事件に遭う。保守的な価値観の村の住民たちに加え、彼を溺愛していた両親までもが、事件の捜査が進むにつれアディのことを以前とは違った目で見つめ始め、平穏を装っていた村のコミュニティは次第に崩れ始める――。
世界の果てまで3キロ
原題または英題:Trei kilometri până la capătul lumii
2024年/ルーマニア/105分/監督:エマニュエル・パルブ
7月9日(木)18:30〜 広島市映像文化ライブラリーにて上映
7月10日公開
ユースフル・ゴースト
Instagramで1,800万人を超えるフォロワーを持つ世界的ファッションアイコンでもあるタイの国民的スター、ダビカ・ホーン演じる亡き妻が掃除機に宿って夫の元へ戻ってくるという奇想天外な設定。昨年のカンヌ国際映画祭「批評家週間コンペティション」部門で最高賞を受賞したタイ映画(タイ映画が同映画祭のコンペティション部門で選出・受賞を果たすのは、タイ映画史上初のパルム・ドールを受賞した『ブンミおじさんの森』以来15年ぶり)です。ゲイのモスが買った掃除機の、その修理に訪れた業者が語る《幽霊》のお話です。モスはゲイであるがゆえに親族から蔑まれていたのに、パートナーのおかげで仕事が上手くいって、認められるようになるというエピソードも描かれるようです。メインストーリーは掃除機に宿った亡き妻の魂が繰り広げるドタバタですが、全体としてクィアなアレゴリーになっている、との評判です。
<あらすじ>
舞台は、粉じん公害が深刻化するタイ・バンコク。最愛の妻・ナットを呼吸器疾患で亡くしたマーチは悲嘆に暮れる日々を送っていた。ある日、ナットの魂は掃除機に宿るかたちで舞い戻り、ふたたび愛を確かめ合う二人。その頃、マーチの家族が経営する工場では、死亡した従業員の霊が機械に取り憑き、操業停止に追い込まれていた。霊に悩まされる家族や社会から拒絶されたナットは、工場の除霊に協力することで、夫への愛そして自らの存在を“役に立つ幽霊”だと証明しようとするが…。
ユースフル・ゴースト
原題または英題:A Useful Ghost
2025年/タイ・フランス・シンガポール・ドイツ合作/130分/R15+/監督:ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク/出演:ダビカ・ホーン、ウィットサルート・ヒンマラートほか
7月10日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
7月11日・12日
レインボー・リール東京
6月にもユーロライブで開催されたレインボー・リール東京。『ボディ・ブロー』『せき止められた水』などユーロライブで上映されたのと同じ作品+クロージング作品『熱狂をこえて』が、7月に東京ウィメンズプラザホールで上映されます。詳しくはこちらをご覧ください。暑い夏ですが、表参道駅至近の涼しい会場でぜひ、良質なクィア映画を楽しみましょう。
第33回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
日程:7月11日(土)〜7月12日(日)
会場:東京ウィメンズプラザホール(東京都渋谷区神宮前5-53-67)
主催:NPO法人レインボー・リール東京
7月24日公開
『ハッシュ!』4Kリマスター版
こちらにトークイベントのレポートも上げておりますが、橋口亮輔監督の名作映画『ハッシュ!』が、4Kリマスター版として上映されることになりました。2002年、田辺誠一さん・高橋和也さんを主演に迎え、商業映画でおそらく初めてゲイカップルの子育てをメインテーマにした作品として、世間でもゲイコミュニティでもたいへんな反響を呼んだ作品です(実はもともとは浜崎あゆみさんのためにゲイカップルに育てられた子どもの物語として構想されていたんだそうです)。まだご覧になったことのない若い方など、この機会にぜひ! ほのぼのとしたコメディ作品で、いま観ても新しい、未来への希望や人間愛が感じられる作品です。(なお、クィア作品ではありませんが、うつになった妻と彼女を支える夫の愛を描いた名作『ぐるりのこと。』も一緒に4Kリマスター版で上映されます)
<あらすじ>
主人公は2人のゲイと1人の女性。人は本質的に孤独であることを自覚してしまっている3人は、しかしそれでもなお、他者と共にあることを選択する。苦さの向こうに、あきらめの先に、新たな希望があることを感じとり、あらゆる現実的な問題を克服し、新しい「家族」の可能性をさぐってゆく。
ハッシュ!4Kリマスター版
2001年/日本/監督・脚本・原作:橋口亮輔/出演:田辺誠一、高橋和也、片岡礼子、秋野暢子、冨士眞奈美ほか
7月24日よりリバイバル公開
7月25日 東京
宵闇の火花
「台湾文化センター 台湾映画上映会 2026」という無料の上映企画が5月から10月にかけて北海道、東京、神奈川、京都、大阪の5都市、9会場で開催されますが、その中の1本、7月25日(土)13:30~に慶應義塾大学三田キャンパス北館ホールで上映される「宵闇の火花」が、裏社会で生きる男たちを通して社会の闇に埋もれた人間の感情と欲望を浮かび上がらせるクィアノワール作品だそうです。
宵闇の火花
原題または英題:愛作歹 Silent Sparks
2024年製作/78分/台湾/監督:チュウ・ピン/出演:ホアン・グァンジー、シー・ミンシュアイほか
7月25日(土)13:30~に慶應義塾大学三田キャンパス北館ホールで上映(無料、事前申込み制)
7月18日公開 東京
きっと青春大革命!カルラ8年の記録
Normal Screenが配給する映画『きっと青春大革命!カルラ8年の記録』は、トランス男性の映画監督/研究者であるカニ・ラプエルタが、現代のメキシコを生きるトランスジェンダーの小学生がティーンへと成長していく8年間を共に紡ぎ、完成させた青春映画。監督は様々な“移行”の途中にあるカルラの日々と並走し、コミカルな演出と魔法を交えながら、ジェンダーの固定概念が強い小さな町で成長する思春期の葛藤と揺らぎを喜びに満ちた映画として結実させました。50以上の映画祭で上映され、モロディスト・キーウ国際映画祭、ラ・セレナ国際映画祭、子どもと若者映画祭で最優秀作品賞を受賞、メルボルン・クィア映画祭では最優秀デビュー・ドキュメンタリー賞に輝き、NYやミラノのクィア映画祭で特別表彰されています。
<あらすじ>
メキシコシティの南にある町テポストラン。15歳のカルラが秘密のコクーンで監督のカニと話し合っている。「この映画をどんな作品にしたい?」2人はカルラの人生を小学生だった頃から時系列に振り返り始める。「男子」と「女子」のどちらの列にも並べなかった校庭、永遠にメイクの練習をしたベッドルーム、コロナ禍で学校が再開した朝、名前を正式に変更した市役所、プライドマーチで叫んだスローガン、憧れたバトン部。パンクでヒッピーだった料理人のママとパパ、友だち、監督のカニ、そしてクィアコミュニティと聖なる岩山に見守られながら、カルラがいろんな自分に出会っていく。交換日記のように心のうちを少しずつシェアしながら、カルラと本作を作った監督のカニ・ラプエルタ。トランスジェンダーの彼は、トランスの映画の作り手を見る機会が少ないことに気づき、自らも映像に登場することにした。
きっと青春大革命!カルラ8年の記録
原題:Niñxs
2025年/メキシコ・ドイツ合作/84分/監督カニ・ラプエルタ
7月18日(土)より渋谷・シアター・イメージフォーラムにて公開。今秋、大阪・シネ・ヌーヴォでも上映予定
INDEX
- 特集:2026年7月上映のクィア映画
- レポート;大垣プライドマーチ第3回パレード
- レポート:「Gay Spiral」「オジラブ」
- 「FIVE BIRDS」上映会@名古屋ちくわ映画祭
- レポート:NLGR+2026
- 2026年夏の舞台作品
- レポート:名古屋レインボープライド2026
- 2026夏のクィア・アート展
- 特集:第33回レインボー・リール東京〜東京国際レズビアン&ゲイ映画祭〜
- 特集:プライドマンス2026東京
- レポート:プライドクルーズ大阪2026
- 特集:2026年6月の映画・ドラマ
- レポート:山口レインボープライド2026
- 名古屋のゲイフェス「NLGR+2026」が熱い!
- レポート:乱雄會presents六尺ナイトvol.14
- レポート:huGe+Xposure -ふんどしBanquet-
- レポート:いわてレインボーマーチ2026
- レポート:京都レインボープライド2026
- 特集:2026年5月の映画・ドラマ
- 特集:GAY NIGHT 2026 GW
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