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特集:2022年2月のLGBTQ映画

2022年2月(2並び!)、上映・放送・配信されるLGBTQ関連の映画の情報をお伝えします。

特集:2022年2月のLGBTQ映画

(『こんなにも君が好きで -goodbye mother-』より)
 

 オミクロン株の感染拡大、すごいことになってますね…。外出するのもためらわれるようなご時世ではありますが、2022年2月(2並び!)もLGBTQ関連の映画がいろいろ上映・放送・配信されますので、映画館やご自宅でお楽しみいただければと思います。情報をまとめてお伝えします(日付順。情報が入り次第、随時、追加していきます)
 ちなみに2月1日はファーストデイで、各館1100円〜1200円で映画を観ることができます(特別上映等を除く)。『MONSOON モンスーン』や『ユンヒへ』『フタリノセカイ』『ゲームボーイズ THE MOVIE ~僕らの恋のかたち~』など1月から上映が始まった映画も都内でまだ上映中ですので、選んでみてください(映画館の多くは、きちんと感染対策をとっていますが、混みそうな時は予約時にいちばん後ろの席にするなど、密を避けたり、十分気をつけながらご鑑賞ください)
(最終更新日:2月11日)

 
2月1日よりアマプラで配信
君の名前で僕を呼んで

 『モーリス』のジェームズ・アイボリーが脚本を執筆し、見事にアカデミー賞に輝いた映画『君の名前で僕を呼んで』。一見、『モーリス』や『アナザー・カントリー』のような美青年たちを主人公とした「お耽美」ゲイ映画の系譜に位置づけられるような作品、若いイケメンたちがバカンスで一夏の恋(アバンチュール)を楽しむセクシーな作品、というイメージだと思いますが(その通りなのですが)、それだけにとどまらない、ものすごく知的で、極めて芸術性の高い、奥の深い作品でした(レビューはこちら)。リル・ナズ・Xの「Montero(Call me by your name)」やグザヴィエ・ドランの『マティアス&マキシム』にもインスピレーションを与えた作品です。2月1日からAmazon Prime Videoの見放題配信に加わりましたので、まだご覧になっていない方は、この機会にぜひ。

<あらすじ>
1983年。17歳のエリオは今年も、両親とともに、北イタリアの避暑地にあるヴィラ(別荘)で夏休みを過ごしている。父親は大学教授で、古代ギリシャ・ローマの美術史を教えている。ヴィラには毎年、教授の教え子が1人、研究の手伝いを兼ねてやってくる。今年は容姿端麗なオリヴァーという大学院生だ。背が高く、快活で知的な好青年・オリヴァーに女性たちは夢中になる一方、エリオは「なんとなく横柄そう」とけなす。みんながバレーボールに興じているとき、オリヴァーはさりげなくエリオの体に触れる。ギターでバッハを弾いているエリオにアンコールをお願いし、エリオは同じ曲をピアノで弾いてみせる。二人は一緒に自転車で街に出かけ、買い物をしたり、プールで泳いだり、二人の時間を過ごすようになる。そして…

君の名前で僕を呼んで
原題:Call me by your name
2017年/イタリア・フランス・ブラジル・アメリカ合作/監督:ルカ・グァダニーノ/出演:アーミー・ハマー、ティモシー・シャラメ、マイケル・スタールバーグほか





〜2月3日 
僕の世界の中心は

 レインボー・リール東京2017で上映され、好評を博した青春映画『僕の世界の中心は』。原作はヤングアダルト小説(ライトノベルみたいな)で、イマドキのエンタメという感じです。ゲイの主人公・フィルを取り巻く様々な人間関係(世界)を時にポップに、時にシリアスに描いたエンタメ作品。ドイツって本当にいい国だなぁと思わずにはいられません。フィル役は『ヒトラーの忘れもの』に出演して2015年東京国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したルイス・ホフマン。ニコラス役はドイツの映画界で活躍しているヤニク・シューマンです。監督はオーストリア出身のヤーコプ・M・エルヴァという若手で、ティーン向けの作品を何本か手がけている方です。
 
<あらすじ>
サマーキャンプから帰ってきたゲイの高校生・フィルは、双子の姉(妹?)ダイアンと母・グラスとの間にただならぬ険悪な空気が流れているのを感じ取る。家での居心地が悪くなり、残りの夏休みを女友達のカットと遊び歩くフィル。新学期が始まると、彼らのクラスにイケメンすぎる転入生・ニコラスが入ってきて、フィルは(漫画のように)一目惚れしてしまう。カットの「彼はやめたほうがいい。何かを隠してる」「きっとセックス中毒よ」などという忠告もフィルの耳には入らず、(まさかの)ニコラスのほうからの誘いもあって、恋に落ちていくが…。

僕の世界の中心は
2016年/ドイツ製/115分/監督:ヤーコプ・M・エルヴァ/出演:ルイス・ホフマン、ヤニク・シューマン、スベニア・ヤング、ザビーネ・ティモテオほか
シネマート新宿にて2月3日まで期間限定上映(16:25-18:24)



 
2月1日より配信
こんなにも君が好きで -goodbye mother-

 2015年に同性婚の禁止が撤廃されるも、LGBTに対してまだ保守的な考え方も残るベトナムでの現実を、繊細な脚本と、笑いあり涙ありの演出で魅せる、感動の社会派作品。釜山、ハワイ、カンボジアなど複数の国際映画祭にも出品されています。これまでRakuten TVにて配信されていましたが、2月1日からはHuluでの配信もスタートします。
 
<あらすじ>
ベトナムのある一族の初孫であるヴァンは、父の改葬のために9年ぶりにアメリカから帰国する。空港へ迎えに行った親戚一同は、彼がベトナム系アメリカ人のイアンと一緒にいるのを見て、歓迎しつつも困惑する。イアンがヴァンのボーイフレンドだとは誰も知らず…。未亡人のハインは、息子のヴァンに一族の後継者の義務を果たすため、結婚して子をもうけることを期待していた。一方で、認知症を患っている祖母は、イアンのことを孫と勘違いしてしまう。そんな中、ヴァンは母親が重病を患っていることを知ってしまい…。

こんなにも君が好きで -goodbye mother-
原題:Goodbye Mother
2019年/106分/ベトナム/監督:チン・ディン・レ・ミン/出演:ライン・タイン、ボ・ディエン・ジャオ・フィ、ホン・ダオほか




2月9日、20日上映
二十歳の微熱

 国立映画アーカイブで2月1日から特集上映「1990年代日本映画──躍動する個の時代」が始まります。1990年代を代表するヒット作や新しい才能による重要作などを中心に57プログラム計66本を上映するもので、橋口亮輔監督の『二十歳の微熱』も2回、上映されます。ご存じない若い方のためにお伝えすると、1993年に上映された『二十歳の微熱』は、ウリ専をやっている学生の男の子を描いたナイーブなタッチの青春ドラマ作品で、世間的にも大ヒットを記録しました。日本で初めてオープンリーゲイの監督がゲイを描いたメジャーな長編映画です。今振り返ると、1993年という年は、(もちろんLGBTという言葉もない、世間でも同性愛者の権利など認められていない、まだパレードも始まっていない時期ではありますが)『二十歳の微熱』が上映され、ドラマ『同窓会』が放送され、『バディ』の創刊号が発売されるという、世の中変わりはじめるかもしれないという予感を感じさせるような年でした。そういう時期を象徴するような作品です。橋口監督自身、出演しているところにも注目して観てください。
 
特集上映「1990年代日本映画──躍動する個の時代」
二十歳の微熱
日時:2月9日(水)15:00、20日(日)16:00
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU




2月11日より公開
ウエスト・サイド・ストーリー

 『ウエスト・サイド・ストーリー』は、不朽の名作『ウエスト・サイド物語』(1957年。映画は1961年)をスピルバーグ監督がリメイクした映画として注目を集めています。実はもともと『ウエスト・サイド物語』は、演出・振付のジェローム・ロビンス、脚本のアーサー・ロレンツ、作曲のレナード・バーンスタイン、作詞のスティーブン・ソンドハイムという4人のゲイのユダヤ系アメリカ人によって生み出された作品です。「人々が許し合い、平和に静かに生きられる世界がいつか訪れる」と歌い上げる「サムウェア」は、ゲイ解放運動以前の人々の心に強く響いたと言われています(詳細はこちら)。そんな『ウエスト・サイド物語』が、80年代NYのHIV陽性のゲイたちの群像を描き、20世紀最高の戯曲の一つと称えられる『エンジェルス・イン・アメリカ』(ピュリッツァー賞やトニー賞を受賞)のトニー・クシュナーの脚本によって、そしてスピルバーグの演出によって、21世紀に新たに生まれ変わったのです(スピルバーグにミュージカルのイメージってないかもしれませんが、ブロードウェイの舞台裏を描いたドラマ『SMASH』を手がけています。ちなみに『SMASH』のプロデューサーは『シカゴ』『ヘアスプレー』のクレイグ・ゼイダン&ニール・メロンだし、主役のソングライターのトムはゲイのキャラクターだし、という、たいへんゲイゲイしい作品でした)
 『ザ・プロム』でエマの彼女のアリッサを演じていたアリアナ・デボーズがアニタをダイナミックに演じ、ゴールデングローブ賞助演女優賞に輝いています。
 それから、エニバディーズというトランス男子のキャラクターが登場していて(アイリス・メナスというトランスの俳優が演じています)、そのことを理由にサウジアラビアやクウェートなど中東諸国で上映許可が下りなかったそうです(ディズニーが改ざんを拒んだため、上映中止に。英断です)
 世間的にも2022年初春の注目作の一つですし、LGBTQ的にも見どころの多い、ぜひ劇場で観たい作品です。
  
<ストーリー>
1950年代のニューヨーク。マンハッタンのウエスト・サイドには、夢や成功を求めて世界中から多くの移民が集まっていた。社会の分断の中で差別や貧困に直面した若者たちは同胞の仲間と集団をつくり、各グループは対立しあう。特にポーランド系移民の「ジェッツ」とプエルトリコ系移民の「シャークス」は激しく敵対していた。そんな中、ジェッツの元リーダーであるトニーは、シャークスのリーダーの妹マリアと運命的な恋に落ちる。ふたりの禁断の愛は、多くの人々の運命を変えていく…。

ウエスト・サイド・ストーリー
原題:West Side Story
2021年/157分/G/米国/監督:スティーブン・スピルバーグ/音楽:レナード・バーンスタイン/出演:アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラー、アリアナ・デボーズ、デビッド・アルバレス、ジョシュ・アンドレス、コリー・ストール、リタ・モレノ、マイク・ファイスト

 



2月11日より公開
ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ

 人種差別を告発する「奇妙な果実」で有名なビリー・ホリディの伝記映画ですが、彼女はバイセクシュアルでもあり、女優のタルラー・バンクヘッドとの恋愛も描かれています。ミス・フレディというゲイのキャラクターも登場します(『STAR 夢の代償』にもゲイの役で出演していたミス・ローレンスが演じています)。監督は『プレシャス』『大統領の執事の涙』『Empire 成功の代償』『STAR 夢の代償』のリー・ダニエルズ監督(ゲイの方です)。主演は、グラミー賞ノミネート歌手のアンドラ・デイ。映画初出演ながら、そのズバ抜けた歌唱力で名曲の数々をビリーが憑依したかのように歌い上げ、彼女のパワフルかつ美しい生き様を体現し、ゴールデングローブ賞【映画部門】ドラマ部門女優賞も受賞しました。衣装も素敵です(『Empire 成功の代償』と同じPaolo Niedduが手がけています。たぶんゲイの方です)

<ストーリー>
1940年代、人種差別の撤廃を求める人々が国に立ち向かった公民権運動の黎明期。合衆国政府から反乱の芽を潰すよう命じられていたFBIは、絶大な人気を誇る黒人ジャズシンガー、ビリー・ホリデイの大ヒット曲「奇妙な果実」が人々を扇動すると危険視し、彼女にターゲットを絞る。おとり捜査官としてビリーのもとに送り込まれた黒人の捜査官ジミー・フレッチャーは、肌の色や身分の違いも越えて人々を魅了し、逆境に立つほど輝くビリーのステージパフォーマンスにひかれ、次第に彼女に心酔していく。しかし、その先には、FBIの仕掛けた罠や陰謀が待ち受けていた…。

ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ
原題:The United States vs. Billie Holiday
2021年/131分/R15+/アメリカ/監督:リー・ダニエルズ/出演:アンドラ・デイ、トレヴァンテ・ローズ、ギャレット・ヘドランド、ナターシャ・リオン、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、タイラー・ジェームズ・ウィリアムズ、トーン・ベル、ミス・ローレンス・ワシントン




2月11日・12日 オンライン配信
最も危険な年

 2016年、米ワシントン州では、トランスジェンダーのトイレ利用を制限する法案が議論されていました。トランスジェンダーの子を持つ親たちは、州法案の撤廃のために立ち上がり、自分たちの物語を語ることでトランスフォビアと闘います。親たちが闘う相手は、「不安」と「偏見」です。人々の無知が、偏見や不安を増大させることを描いたこの映画は、日本の現在を考えるヒントになるはずです。
 長崎市で同性パートナーシップ証明制度を実現した団体「Take it!虹」とながさき愛の映画祭実行委員会が共催する第6回ながさき・愛の映画祭にてオンライン配信されます。

「最も危険な年」
原題:Most Dangerous Year
2020年/米国/90分/日本語字幕/ドキュメンタリー/監督:ヴラダ・ノウルトン
第6回ながさき・愛の映画祭 にて、2月12日(土)11:00-12:30 、2月13日(日)15:00-16:30 の2回オンライン配信(チケットはこちら




2月12日放送
ミュージカル『キンキーブーツ』

 2018年に英国(たぶんロンドンのウェストエンド)で上演されたミュージカル『キンキーブーツ』の模様(収録映像)が、WOWOWの「おうちブロードウェイ」特集として放送されます。英国の老舗紳士靴メーカー・ブルックス社が、倒産の危機に瀕していながら、ドラァグクィーン用のブーツを製作するようになって工場を立ち直らせたという実話に基づく映画『キンキーブーツ』(2005)をベースとして、より派手に、より感動的に生まれ変わったブロードウェイ・ミュージカルです(三浦春馬さんが主演した日本版も話題になりました)。HIVチャリティのためにミュージカル・スターが文字通り一肌脱ぐ「Broadway Bares」を製作しているジェリー・ミッチェル(ゲイの方です)、『トーチソング・トリロジー』で主人公のドラァグクィーンを演じていたハーヴェイ・ファイアスタイン(ゲイでドラァグクィーンの方です)、長年にわたってゲイコミュニティを支援してきたシンディ・ローパーが、それぞれに魂を込めて共に生み出した奇跡的な名作です。ブロードウェイ版をまだご覧になったことがない方はぜひ、この機会にどうぞ。

<ストーリー>
英国の田舎町ノーサンプトンの老舗靴工場「プライス&サン」の4代目として生まれたチャーリー・プライス。父親の意向に反してフィアンセと共にロンドンで生活する道を選んだ矢先、父親が急死し、工場を継ぐことになってしまう。工場を継いだチャーリーは、父の工場が実は経営難に陥って倒産寸前であることを知り、幼い頃から知っている従業員たちを解雇しなければならず、思い悩む…。工場の若手従業員のローレンに「倒産を待つだけでなく、新しくニッチな市場を開発するべきだ」とハッパをかけられたチャーリーは、ロンドンで偶然出会ったドラァグクイーンのローラとの会話にヒントを得て、ドラァグクイーンのための“キンキーブーツ”を作ることにする。チャーリーはローラを説得して靴工場の専属デザイナーに迎え、試作を重ねる。ドンをはじめとする保守的な田舎の靴工場の従業員たちは、なかなかローラを受け入れられず、軋轢が生まれる。チャーリーはファッションの街・ミラノで行われる靴の見本市に“キンキーブーツ”を出展し、工場の命運を賭ける決心をするが…。

キンキーブーツ
WOWOW
2月12日(土)17:15〜




2月12日 函館
ジェンダーマリアージュ

 HUEレインボーはこだてプロジェクト(北海道教育大学函館校)RHP(レインボーはこだてプロジェクト)が主催する「レインボーはこだてシアター」の3回目です。第一部では、米同性婚裁判のドキュメンタリー『ジェンダー・マリアージュ』を上映、第二部では『愛と差別と友情とLGBTQ+』の著者・北丸雄二さんが講演します。

レインボーはこだてシアター vol.3
「ジェンダー・マリアージュ」上映会&北丸雄二さん講演会
日時:2月12日(土)14:00-18:00
会場:函館市中央図書館視聴覚ホール(五稜郭町26-1)
無料・事前申込不要
定員:先着70名
主催:HUEレインボーはこだてプロジェクト(北海道教育大学函館校)
共催:レインボーはこだてプロジェクト(RHP)
後援:函館市、函館市教育委員会、北海道渡島総合振興局、北海道教育庁渡島教育局




2月20日・24日上映 東京
ジハード・フォー・ラブ

 インド出身のムスリムでゲイでもあるパーヴェズ・シャルマ監督が、9.11後の6年をかけ、南アフリカ、フランス、エジプト、イラン、トルコ、パキスタンなど世界各地を取材し、信仰とセクシュアリティの間で葛藤するムスリムたちの声を集めたドキュメンタリー映画です。ゲイであることをカムアウトしているイスラーム学者ヘンドリクス、弾圧を逃れ難民として暮らすマーゼン、イスラームと同性愛の関係を探るマハとマリアムーー日々「愛のためのジハード」を戦う人々の姿を追います。2008年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でも『愛のためのジハード』のタイトルで上映されましたが、今回、イスラーム映画祭@渋谷ユーロスペースで2回上映されます。いずれの回もトークショーがついています。詳しくはこちらをご覧ください。

ジハード・フォー・ラブ
原題:A JIHAD FOR LOVE
2007年/米国=英国=フランス=ドイツ=オーストラリア/81分/監督:パーヴェズ・シャルマ
2/20(日)11:00- 2/24(木)16:15- イスラーム映画祭7@渋谷ユーロスペースにて上映




2月26日より公開
チェチェンへようこそ ゲイの粛清

 ロシアのチェチェン共和国で、LGBTQを弾圧する政府当局に命懸けで立ち向かう活動家グループを追ったドキュメンタリー映画です。ゲイやトランスジェンダーであることが“悪”とされるチェチェンでは、LGBTQは当局が関与する拘束や拷問への恐怖に怯え、息を潜めて暮らしています。しかし世界的に抗議の声をあげるには情報が少なく、ロシア連邦政府からの対応も得られないため、活動家たちは秘密裏にネットワークを駆使し、想像を絶する危険な仕事に奔走しています。映画では、ロシアLGBTネットワークやモスクワLGBT+イニシアティブコミュニティセンターの活動家グループに密着し、彼らが直面する困難と日々の地下活動をゲリラ撮影の手法で記録。当事者の安全のため最新技術を駆使して匿名性を守りながら、非人道的な迫害の様子と危機的状況を暴き出します。監督は『マーシャ・P・ジョンソンの生と死』などで知られ、ノンフィクション作家としても活躍するデビッド・フランス(ゲイの方)です。

チェチェンへようこそ ゲイの粛清
原題:Welcome to Chechnya
2020年/107分/G/米国・英国/監督:デビッド・フランス

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