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英国の『Attitude』誌がアワードを開催、テイラー・スウィフト、ルーク・エヴァンス、デュア・リパ、リナ・サワヤマ、映画『ボーイズ・イン・ザ・バンド』などが受賞しました

2020年12月06日

 世界エイズデーにあたる12月1日、英国のゲイ向けライフスタイル雑誌であり世界最大のLGBTQメディアの一つである『Attitude(アティテュード)』が主催する第9回VIRGIN ATLANTIC ATTITUDE AWARDS(以下「アティテュード・アワード」)の授賞式が開催され、テイラー・スウィフト、ルーク・エヴァンス、デュア・リパ、リナ・サワヤマ、映画『ボーイズ・イン・ザ・バンド』などが受賞しました。

 
 ヴァージン・アトランティックが冠スポンサーとなり、また、英国の高級車ジャガーもメインスポンサーとなっている今年のアティテュード・アワードは、サイモン・キャロウエドワード・エニンフルザ・ヴァンプスといったセレブなゲストが多数詰めかけ(レッドカーペットの様子はこちら)、ゲイのコメディアンのトム・アレンの司会で、14の賞が発表されました。
 
 栄誉あるアティテュード・アイコン賞に輝いたのはテイラー・スウィフト。昨年のプライド月間から本格的にLGBT支援を宣言し、LGBT応援ソング「You Need To Calm Down」でLGBTQスター大集合の素晴らしいMVを発表し(MTVアワードで最優秀ビデオに輝きました)、「ストーンウォール・イン」でサプライズパフォーマンスを行ない、今年1月にはGLAADメディア賞で最高栄誉賞を受賞、6月にはPride Live主催の「Stonewall Day」に出演し、米国勢調査の性別欄に「男/女」の選択肢しかないことを批判するなど、アライとして目覚ましい活躍をしてきました。
 受賞スピーチでテイラーは、このように語りました。
「この賞をいただけることに、本当に本当に感謝しています。とても素晴らしいことです。この賞を私に与えることを支持してくださった方々全員に、感謝の気持ちでいっぱいです。全てのファンの皆様にも感謝をお伝えしたいです。みなさんのおかげで、私は歌を作って発信することができ、正しいと思うことや間違っていると思うことを声に出して伝えることができています。私はただ、全ての人々が、差別の恐怖におびえることなく、それぞれの愛に満ちた人生を歩めるような社会にしていきたいと固い決意を持っているだけなのです。そのためには、私たち一人ひとりが、LGBTQの人々への差別撤廃に向け政府を動かす努力をし続けなければいけません。そして私は常に、そのような人々の支持者であることを誓います」

 それから、MAN OF THE YEARに輝いたのが、『美女と野獣』などに出演しているオープンリー・ゲイの俳優、ルーク・エヴァンスです。
 ルークは受賞スピーチで、過去に「セクシュアリティを隠している」「ゲイであることを恥じている」と報じられたことに対し、「僕がこれまで何かを隠したことはない。なぜなら僕はすべてをこの世の中に見せてきたから。キャリアは公にさらされているし、写真にも撮られる。個人的な生活はないも同然だ。みんなが僕がゲイだと知ったとき、マスコミが僕がそれを隠していたと報じたのはおかしなことだ。僕は隠していない」と反論しました。「僕は自分に誇りを持っている。僕はいい人生を送り、その人生に幸せを感じている。恥じたことはない」
 続けてルークは、LGBTQコミュニティへのメッセージを贈っています。
「僕たちが何者なのか、誰を愛するかは能力や野心、才能になんの影響も及ぼさない」
「君はありのままでいることに幸せでいていいし、なりたいものになれる。望むキャリアを手に入れることができるし、セクシュアリティを理由に君に何をすべきかを命令するものは何もない」
「これまで僕は自分のコミュニティの声を代弁しようとしてきた。だから僕がこれまで多くの障壁を壊してこれたなら、よかったと思っている」 
 
 映画賞に輝いたのは、ゲイ史上の記念碑的な作品『ボーイズ・イン・ザ・バンド』でした。「この作品は関係者全員にとってとても重要で意義深いプロジェクトだったから、こうして認められたことは本当にうれしいです」との受賞コメントが届きました。
 
 音楽賞に輝いたのはデュア・リパでした。デュア・リパは先日発表されたグラミー賞ノミネートでもビヨンセに次いで多い6部門ノミネートを果たすなど世界的な注目や評価を集めるUKのアーティストですが、それだけでなく、ゲイ・アイコンであり、LGBTQを支援するアライであると広く認知されています。こちらの記事にあるように、『Attitude』誌のインタビューで、「世界中のLGBTQの若者の自殺率が依然と高く、できるかぎり支援し、認知を高める責任を感じています」「自分のプラットフォームを使って(LGBTQコミュニティへの)認識を広め、支援を示し、話し合い、彼らが見守られている、声が聞かれている、そして安全だと感じ、慈善団体とコミュニケーションを取ったり、できる限り自分の役割を果たすこと、それが私の義務だと思っています」と語っています。「こんなにたくさんの愛、熱意、創造性に満ちた素晴らしいコミュニティを持てたことに感謝しています。親切でフレンドリー、それがゲイコミュニティが持っているものなのです」
(ちなみに、つい先日行なわれたばかりの(高く評価されている)デュア・リパのオンラインライブ「Studio 2054」がYouTubeで無料配信されています。マイリー・サイラスやカイリー・ミノーグやエルトン・ジョンらもゲスト出演。素晴らしいのでぜひご覧ください)
 
 それから、ブレイクスルー賞を、「ネクスト・ガガ」とも称され、英国で大ブレイク中の新進気鋭のシンガーソングライターで、パンセクシュアルであることをオープンにしているリナ・サワヤマが受賞しました。昨年7月にはブリトニー、カイリー、クリーン・バンディットらと並んでブライトン・プライド(英国最大級のパレード)のステージでライブを行なっている彼女は、エルトン・ジョンからも熱い応援を受けていて、エルトン主催の世界エイズデーイベント(TikTokで配信)にも出演しています。受賞スピーチでは「私自身パンセクシュアルとして、LGBTQコミュニティに救われてきた」と感謝を述べました。
(ちなみにリナ・サワヤマは5日に新曲「LUCID」を発表。なんとなくガガ&アリアナの「Rain On Me」を彷彿させるポップ感…と思っていたら、『Chromatica』をプロデュースしたBloodPopとの共作でした。大ブレイクを期待)

 その他、英国初のトランスジェンダー・モデル、マンロー・バーグドルフがヒーロー賞を、今年初めにトランスジェンダーであることをカムアウトした人気YouTuberのニッキー・チュートリアルズがインスピレーション賞を、ドラマ『Looking/ルッキング』で主人公パトリックの運命の恋人を熱演したゲイの俳優ラッセル・トーヴィがカルチャー賞を、ゲイの俳優スティーブン・フライがアティテュード・アイコン賞を、国民保健サービス「NHS」で働くLGBTQの人々がコミュニティ賞を受賞しています。 
 

参考記事:
2020 VIRGIN ALTANTIC ATTITUDE AWARDS, POWERED BY JAGUAR WINNERS: FROM TAYLOR SWIFT TO LUKE EVANS(ATTITUDE)
https://attitude.co.uk/article/2020-virgin-altantic-attitude-awards-powered-by-jaguar-winners-from-taylor-swift-to-luke-evans-1/24104/
テイラー・スウィフト、LGBTQコミュニティーへの継続的な支援を誓う! 「愛に満ちた人生を歩めるような社会にしていきたい」[動画あり](TVGroove)
https://www.tvgroove.com/?p=56632
ルーク・エヴァンス、ゲイを隠していたという批判に反論「僕は恥じていない」(ELLE)
https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a34851786/luke-evans-attitude-201203/

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