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特集:2025年5月の映画・ドラマ
2025年5月に上映・放送・配信されるLGBTQ関連の映画やドラマの情報をお伝えします。『グレイテスト・ショーマン』の“ひげのマダム”のモデルとなった女性を描いた『ロザリー』、ダニエル・クレイグ主演の話題作『クィア QUEER』などが公開されます

(『フォー・マザーズ』より)
春を通り越して、もはや夏のような暖かさになってきましたね。GWいかがお過ごしでしょうか。この5月は、LGBTQ関連の映画・ドラマはあまり多くありませんが、この5月は、LGBTQ関連の映画・ドラマはあまり多くありませんが、『グレイテスト・ショーマン』の“ひげのマダム”のモデルとなった女性を描いた『ロザリー』、ダニエル・クレイグ主演の話題作『クィア QUEER』などが公開されます。月末からはアイルランド映画祭で『フォー・マザーズ』というコメディが上映されますが、とてもよさそうです。というわけで、劇場やギャラリー・美術館とともに映画館にも足を運んでみましょう。
新たに情報がわかり次第、追加・更新していきます。
ちなみに5月1日は「ファーストデー」。多くの映画館で1100円〜1200円で映画を観ることができます(特別上映等を除く)。『ウィキッド ふたりの魔女』『エミリア・ペレス』『湖の見知らぬ男』『ミゼリコルディア』『ミステリアス・スキン』なども上映中です。
(最終更新日:2025年5月23日)
<今月のトピック>
ゲイであることを隠して生きるフンスと他人の目を気にせず自由奔放に生きるジェヒ、社会の“普通”になじめない2人が心に傷を負いながらも特別な関係を築き、自分らしい生き方を見つける様を描き、韓国で数々の賞を受賞した映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』(6月13日公開)の試写会が、5月22日に全国のローソン・ユナイテッドシネマ、ユナイテッド・シネマ、シネプレックス34劇場で開催され、Pontaパス会員から2250組4500名が招待されます。なかなかの太っ腹な企画じゃないでしょうか。応募締め切りは5月8日です。こちらからぜひご応募ください(ちなみにPontaパスは初回加入30日間無料です)
公開中
湖の見知らぬ男
第23回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映され、立ち見が出るほどの大盛況となったのを憶えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ビーチより林の方が人がいっぱいとか、何度も愛し合っているのに名前も知らないとか、セーファーセックスに対するスタンスの違いとか、いろんな意味でゲイのリアルが満載です(殺人以外は)。湖畔のハッテン場をあそこまで赤裸々に描いただけでもスゴいのですが、音楽や説明を一切排し、湖畔で起こる出来事のみを淡々と写し出す純化された映像は、神話的とさえ言えるかもしれません。異才アラン・ギロディの名を世界に知らしめた『湖の見知らぬ男』は、カンヌ国際映画祭のクィアパルムを受賞しただけでなく、フランスの権威ある映画批評誌『カイエ・デュ・シネマ』の2013年映画ベスト10で第1位に輝くなど、映画として国際的に高く評価されている作品です。
その『湖の見知らぬ男』を含むアラン・ギロディの3作品が特集上映されています。あの夥しい数の男性器が果たしてそのまま上映されるのかどうか…おそらくぼかしが入るのではないかと思いますが、いろんな意味で鑑賞に値する作品ですので、この機会にぜひ。
<あらすじ>
ハッテン場となっている湖をヴァカンス中に訪れた青年フランク。魅力的なミシェルと出会い、恋に落ちるが、ある夕方、喧嘩する2人の人物を目撃する。そして数日後、ミシェルの恋人だった男性が溺死体で発見された。捜査が始まり、一帯には不穏な空気が漂うが、恐怖を情熱が上回った瞬間、欲望が迸る──。
湖の見知らぬ男
原題:L'inconnu du lac 英題:Stranger by the Lake
2013年/フランス/97分/監督・脚本:アラン・ギロディ/出演:ピエール・ドゥラドンシャン、クリストフ・パウ、パトリック・ダスマサオ、ジェローム・シャパット、マチュー・ヴェルヴィッシュほか
公開中
ミゼリコルディア
アラン・ギロディ監督特集で上映されるもう1本のクィア映画です。奇妙な住民ばかりの村で起きた奇想天外な事件の顛末を描いた、他に類を見ないサスペンスドラマです。あまり宣伝されていませんが、映画チャンネルの記事「世界は墓で始まり、墓で終わる。映画『ミゼリコルディア』評価&考察レビュー。鬼才アラン・ギロディの演出を徹底解説」によると、主人公のジェレミーのパンセクシュアリティが描かれている作品です。そしてGINZAの記事「“慈悲”の名を持つ映画が問う、愛・欲望・そして嘘 映画『ミゼリコルディア』アラン・ギロディ監督にインタビュー」でアラン・ギロディ監督は、「主人公ジェレミーの叶わなかったセックス、満たされなかった欲望についての映画」だと語っています。2024年のカンヌ国際映画祭プレミア部門に出品、同年のルイ・デリュック賞を受賞し、フランスの著名な映画誌『カイエ・デュ・シネマ』で2024年のベストワンに選出された作品で、セザール賞にも8部門でノミネートされています。(レビューはこちら)
<あらすじ>
石造りの家が立ち並ぶ村。かつて師事していたパン職人の葬儀に参列するため帰郷したジェレミーは、故人の妻マルティーヌの勧めで家に泊めてもらうことに。思いのほか滞在が長引くなか、村で謎の失踪事件が発生。マルティーヌの息子ヴァンサン、音信不通となっていた親友ワルター、奇妙な神父フィリップ、村の秘密を知る警察官ら、それぞれの思惑と欲望が交錯していく――。
ミゼリコルディア
原題または英題:Misericordia
2024年/フランス/103分/監督・脚本:アラン・ギロディ/出演:フェリックス・キシル、カトリーヌ・フロ、デュラ、ジャック・ドゥヴレ、ジャン=バティスト・デュラ、デヴィッド・アヤラほか
大阪・第七藝術劇場にて4月12日より上映
公開中
ミステリアス・スキン
HIV陽性の診断を受けた青年とパンク青年のロマンティックで絶望的な逃避行を描いたロードムービー『リビング・エンド』(1992年)や10代の同性愛者たちのリアルを描いた『トータリー・ファックト・アップ』(1994年)など、一貫してティーンエイジャーを主人公にゲイのリアルライフを描き、「アウトサイダー、パンクス、クィア、社会やコミュニティに馴染めない人たちのための」映画を世に送り出し、90年代「ニュー・クィア・シネマ」の旗手と称されたグレッグ・アラキ監督。昨年11月に『ドゥーム・ジェネレーション』と『ノーウェア』がリバイバル公開されたのに続き、日本では長らく未公開となっていた『ミステリアス・スキン』が製作から20年の時を経てついに劇場初公開されることになりました(レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)では2016年に上映されています)
この作は、8歳の夏、子どもたちを襲った衝撃的な体験と癒えない心の傷、その後の対照的な2人の少年の行く末を描いた鮮烈な物語です。原作はスコット・ハイムが1995年に発表した小説で、かのウィリアム・バロウズ(『クィア』)も絶賛したそうです。グレッグ・アラキは「人生のうち、何年かを費やして映画にしたいと思えるほどの情熱と興奮を覚えたのは、この作品に出会ったときだけでした。ずっと起きてきたのに決して語られることのなかった関係性や出来事が露になり、読者は心をかき乱されつつも惹きつけられてしまいます」と、映画化にあたっては「こうした極めて不穏な場面に背を向けてしまうのであれば作る意味がないと思いました。それでは原作の持つ特別な力や、心を引き裂くような衝撃が失われてしまうからです。この物語は人々に気づきをもたらす、語られるべき話であり、それを途中で目をそらせない映画という形で見るのは強烈な体験になるでしょう。私としては、『ミステリアス・スキン』が見た人に変化を起こし、タブーへの沈黙を破るきっかけになることを願います」と語っています。(レビューはこちら)
<あらすじ>
カンザス州の田舎町ハッチンソン。1981年の夏、リトルリーグのチームメイトである8歳のブライアンとニールは、子どもたちへの性加害を常習的に行っていたコーチにより人生を大きく狂わされる。精神的ショックから記憶を失い後遺症にさいなまれるブライアンは、自分は宇宙人に誘拐されて記憶を失ったのだと思い込む。一方のニールは、コーチと自分の間には“愛”があったと信じ、彼の影を追い求めて年上の男を相手に身体を売って暮らすように。空白の記憶を取り戻そうとするブライアンは、繰り返し夢に現れる少年がニールであることを突き止めるが……。
ミステリアス・スキン
原題または英題:Mysterious Skin
2004年/アメリカ/105分/R15+/監督:グレッグ・アラキ/出演:ブラディ・コーベット、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ミシェル・トラクテンバーグ、ジェフリー・リコン、ビル・セイジ、メアリー・リン・ライスカブ、エリザベス・シュー
4月25日(金)より渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開
※映画『ミステリアス・スキン』には未成年への性加害の描写がございます。鑑賞されるお客様によっては、フラッシュバックを引き起こすことやショックを受けることが予想されます。本作のご鑑賞にあたりましては、予めご了承くださいますよう、お願いを申し上げます
5月2日公開
ロザリー
先日金曜ロードショーでも放送された『グレイテスト・ショーマン』に出てくるひげが生えた女性・レティのことを憶えている方、多いと思います(『This is me』をセンターで歌ってますよね)。実はレティにはモデルがいて、1870年代のフランスに実在したクレマンティーヌ・デレという多毛症の女性なのです(“ひげのマダム”と呼ばれていたそうです)。このクレマンティーヌ・デレに着想を得て、『ザ・ダンサー』のステファニー・ディ・ジューストが監督した『ロザリー』は、第76回カンヌ国際映画祭でクィア・パルム賞にノミネートされました。「世界中でこんな人間は自分だけだ」と思い、秘密を絶対に誰にも言わないように決めて生きてきた女性が、初めて、本当の自分をさらけだし、自分らしく生きようと思う姿には、誰もがエールを送りたくなるはず。自ら人生を切り開こうとする女性とその夫との愛を描いた名作です。(レビューはこちら)
<あらすじ>
ロザリーは生まれつきの多毛症を隠し、田舎町でカフェを営むアベルと結婚する。彼の店を手伝うことになり、「ひげを伸ばした姿を見せることで、客が集まるかもしれない」とひらめいたロザリーに対し、初めは嫌悪感を抱くアベル。しかし、次第に彼女の純粋で真摯な姿に惹かれていくのだった…。
ロザリー
原題または英題:Rosalie
2023年/フランス・ベルギー合作/115分/PG12/監督:ステファニー・ディ・ジュースト/出演:ナディア・テレスキウィッツ、ブノワ・マジメル、バンジャマン・ビオレ、ギョーム・グイ、ギュスタブ・ケルベン、アンナ・ビオレほか
5月2日から新宿武蔵野館ほか全国で公開
5月2日公開
Mommy マミー
グザヴィエ・ドランの『Mommy/マミー』が日本で公開されてから10周年を迎えるのを記念して、5月2日より東京・新宿ピカデリー、愛知・ミッドランドスクエア シネマ、大阪・なんばパークスシネマにて2週間限定でリバイバル上映されることとなりました。
デビュー作『マイ・マザー』がカンヌ国際映画祭に招待され、第5作『Mommy/マミー』は審査員特別賞を受賞、『たかが世界の終わり』はグランプリ(2位)に輝き、弱冠27歳にしてカンヌ国際映画祭の常連となった天才映画監督、グザヴィエ・ドラン。2023年に映画監督業からの引退を発表し、若くして伝説の存在に。そんなグザヴィエ・ドランは『トム・アット・ザ・ファーム』『マティアス&マキシム』『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』など、ゲイを主人公にした数々の名作映画を世に送り出してきました(『わたしはロランス』はトランスジェンダーを描いた作品でした)が、『Mommy/マミー』はドランにしては珍しく、クィアがテーマではない作品です。それでも、ADHDであるがゆえの生きづらさを抱えた15歳の男の子にフォーカスし、「ドラン節」とも言うべきヒリヒリするような痛みが鮮烈に描かれた作品ですので、ファンの方はぜひ。そうでない方も、よろしければご覧になってみてください。
<あらすじ>
15歳の息子スティーヴを育てる、気の強いシングルマザーのダイアン。スティーブはADHD(多動性障害)のため情緒も不安定で、普段は知的で純朴だが、一度スイッチが入ると攻撃的な性格になってしまう。そんな息子との生活に右往左往していたダイアンだが、隣家に住む引きこもりがちな女性教師カイラと親しくなったことから、少しずつ日々に変化が訪れる。精神的ストレスから吃音に苦しみ休職中だったカイラも、スティーブの家庭教師を買って出ることで快方に向かっていくが……。
Mommy マミー
原題または英題:Mommy
2014年/カナダ/134分/PG12/監督:グザヴィエ・ドラン/出演:アンヌ・ドルバル、スザンヌ・クレマン、アントワーヌ・オリヴィエ・ピロンほか
5月2日より東京・新宿ピカデリー、愛知・ミッドランドスクエア シネマ、大阪・なんばパークスシネマにて2週間限定でリバイバル上映
5月9日公開
クィア QUEER
ウィリアム・S・バロウズの自伝的小説を『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督が映画化した『クィア QUEER』。「007」シリーズのダニエル・クレイグが主演ということでも話題です(実はダニエル・クレイグは『愛の悪魔』でフランシス・ベーコンの運命の恋人、ダイアン・ジョージを演じていました)。2024年にベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、ゴールデングローブ賞ではダニエル・クレイグが映画部門(ドラマ)の男優賞にノミネートされ、ナショナル・ボード・オブ・レビュー(米国映画批評家会議賞)では見事に主演男優賞を受賞しています。(レビューはこちら)
<あらすじ>
1950年代、メキシコシティ。退屈な日々を酒や薬でやり過ごしていたアメリカ人駐在員ウィリアム・リーは、美しくミステリアスな青年ユージーン・アラートンと出会い、ひと目で恋に落ちる。渇ききっていたリーの心はユージーンを渇望し、ユージーンもそれに気まぐれに応えるが、求めれば求めるほどリーの孤独は募っていく。やがてリーはユージーンと一緒に人生を変える体験をしようと、彼を幻想的な南米の旅に誘い出すが……。
クィア QUEER
原題または英題:Queer
2024年/イタリア・アメリカ合作/137分/R15+/監督:ルカ・グァダニーノ/出演:ダニエル・クレイグ、ドリュー・スターキー、ジェイソン・シュワルツマンほか
5月9日より全国ロードショー公開
5月9日公開
バロウズ
ウィリアム・S・バロウズを知っている方、1991年の映画『裸のランチ』をご覧になった方がどれくらいいるのかわかりませんが、今回の『クィア QUEER』の公開を記念し、ウィリアム・S・バロウズの謎に包まれた実像に迫ったドキュメンタリー映画『バロウズ』(1983)がリバイバル上映されることになりました。
「アレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックらと並びビート・ジェネレーションを代表する作家であり、発禁騒ぎにもなった『裸のランチ』はじめ衝撃的な実験小説を発表、<カットアップ>の手法で言語世界に新たな地平を示した文学界の極北ウィリアム・S・バロウズ。同性愛者にして麻薬中毒者、ウィリアム・テルごっこで内縁の妻を射殺するという驚愕の事件を起こし、晩年には画家や俳優としても活躍、ナイキのCMに出演するなど、破天荒過ぎる生き様そのものが20世紀最大のカルト・アイコンだ。映画『バロウズ』はバロウズ本人が全面協力し、自らの人生や文学スタイル、創作の秘密を語る最初で最後のドキュメンタリー。83年の製作当時高く評価されたものの、その後フィルムが紛失、2011年にデジタルリマスター化が実現するも、我が国ではソフト化も配信もされなかった伝説の作品がついに日の目を見ることになった。<妻殺し>の真相や銃への執着、強烈なブラックユーモア、詩の朗読、無機質な自宅の公開、そして常にスーツ姿の飄々と異様なたたずまい…。ギンズバーグやハーバート・ハンケといった友人の作家たちやフランシス・ベーコン、ブライオン・ガイシンらが出演、さらには兄や息子も登場し、謎につつまれたバロウズの複雑な肖像が浮き彫りとなる。死の国から手をふる偉大なる作家ウィリアム・S・バロウズ────21世紀になっても、まだ世界は彼を忘れることができない。」(公式サイトより)
なお、監督のハワード・ブルックナー(『ワンナイト・オブ・ブロードウェイ』)はゲイの方で、1989年にエイズで亡くなっています。
バロウズ
原題:BURROUGHS: THE MOVIE
1983年/米国/90分/監督:ハワード・ブルックナー/出演:ウィリアム・S・バロウズ、フランシス・ベーコン、モーティマー・バロウズ、ウィリアム・S・バロウズ Jr.、ルシアン・カー、ジャッキー・カーティス、アレン・ギンズバーグ、ジョン・ジョルノ、ジェームズ・グラウアーズ、ブライオン・ガイシン、ハーバート・ハンケ、ローレン・ハットン、スチュワート・メイヤー、パティ・スミス、テリー・サザーン
5月9日〜12日配信
議席番号31
トランスジェンダー映画祭では、このたび今年のアカデミー賞短編ドキュメンタリー部門のショートリスト(オスカー候補)にも入った短編ドキュメンタリー映画『議席番号31(原題:Seat31 Zooey Zephyr)』を、国内初となる日本語字幕付きでオンライン上映します。トランスジェンダーをめぐるアメリカのシビアな現状だけでなく、コミュニティの温かさや「喜び」も描かれた感動的な短編映画です。(レビューはこちら)
<作品について>
ゾーイ・ゼーファーは、モンタナ州の下院議員。30代。共和党の支持者が多い「真っ赤な州」であるモンタナで、初めてトランスジェンダーであることを公表して2022年に当選した。共和党はトランスジェンダーの権利に否定的な政策を打ち出しており、モンタナ州でも、トランスジェンダーの権利を制限する法案がたびたび議論されている。ゾーイの政治家人生も順風満帆とは言いにくい。それどころか、トランスジェンダーの若者をめぐる議会での発言がきっかけで、議場にすら入れない発言禁止処分を受けてしまう。それでも、今度は廊下のベンチを自分の席にして、なんとか政治活動を続けようとする。いつも前を向こうとする彼女の姿は、同じように社会の偏見に苦しむ人々にとっての希望の象徴にもなりつつある。
議席番号31
原題:Seat31 Zooey Zephyr
2024年/米国/15分/音声:英語、字幕:英語または日本語/監督:Kimberly Reed
オンライン配信 5月9日(金)14:00〜12日(月)16:00
無料(よろしければカンパにご協力をお願いします)
主催:トランスジェンダー 映画祭実行委員会
協力:Team Respect& Solidarity(TRanS)
5月25日上映 能登
『カランコエの花』『片袖の魚』
多様性を根幹に据えた能登の創造的復興の取組みを推進する一般社団法人NOTOTO.(松中権さんが共同代表を務めています)が主催し、金沢レインボープライドが共催する「LGBTQ+映画上映会&トークイベント」。年内に石川県の各市町を毎月巡り、合計10ヶ所で開催する予定です。5月25日(日)は能登町で開催されます。上映作品は中川駿監督の『カランコエの花』と東海林毅監督の『片袖の魚』なのですが、なんと、偶然にもお二人とも金沢市出身なんだそうです。『片袖の魚』主演俳優のイシヅカユウさんも来場します。
日時:5月25日(日)13:00-15:00
会場:能登町コンセールのと多目的ホール(石川県鳳珠郡能登町字宇出津ト字29-2)
入場無料
事前申込不要
5月30日公開
秋が来るとき
フランソワ・オゾン監督の最新作は、自分自身の叔母が実際に起こした「きのこ事件」にインスパイアされた物語。人生の黄昏を描いた映画であり、ミシェルとマリ=クロードという80代のおばあちゃんたちを魅力的に描いた映画です。一見、家族愛がテーマのほのぼのした映画に見えるかもしれませんが、とんでもないです。マリ=クロードの息子のヴァンサン(ムショ帰り)がゲイであることなんて些細なことのように感じられるほど、このおばあちゃんたちは若い頃、翔んでました。お金よりも愛が大事だということ。血のつながった父親がいなくても、愛してくれる家族がいれば子は育つということ。たとえそれが元⚪︎⚪︎とゲイであっても。そんなメッセージが伝わってくる、心の名画アルバムの1ページに大切に飾っておきたくなる名作です。
<あらすじ>
80歳のミシェルはパリでの生活を終え、人生の秋から冬に変わる時期を自然豊かなブルゴーニュの田舎で一人、過ごしている。秋の気配が色づく森の中を親友とおしゃべりしながら散歩するのが日課で、休暇で訪れる孫と会うことを楽しみにしている。しかし、娘と孫に振る舞ったキノコ料理を引き金に、それぞれの過去が浮き彫りになっていく。人生の最後を豊かに過ごすため、ミシェルはある秘密を守り抜く決意をするー。
秋が来るとき
原題:Quand vient l’automne
2024年/フランス/103分/監督:フランソワ・オゾン/出演:エレーヌ・ヴァンサン、ジョジアーヌ・バラスコ、リュディヴィーヌ・サニエ、ピエール・ロタンほか
5月30日より新宿ピカデリー、TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開
5月30日〜 東京
フォー・マザーズ
イタリア映画『ミッド・オーガスト・ランチ』(2008)のリメイクで、アイルランド・ダブリンを舞台に、自分自身の母親だけでなく、エキセントリックな3人の高齢女性の面倒も見るはめになったゲイの小説家のドタバタを描いたコメディドラマ作品。ロンドン国際映画祭で観客賞を、シカゴ国際映画祭で審査員賞を受賞しています。YEBISU GARDEN CINEMAで5月30日〜6月12日に開催の「アイルランド映画祭2025」の一環で上映されます(チケットはYEBISU GARDEN CINEMAのチケット購入ページで10日前くらいから買えるようです)
<上映日時>
5月30日(金)19:00 ※上映前、開幕挨拶/上映後、ショートアニメ上映あり
6月5日(木)19:00
6月10日(火)19:00
フォー・マザーズ
原題または英題:Four Mothers
2024年/アイルランド/89分/脚本:ダレン・ソーントン&コリン・ソーントン/監督:ダレン・ソーントン/出演:ジェームズ・マクアードル、フィオヌラ・フラナガンほか
INDEX
- 2025年夏のクィア・アート展
- 5月は名古屋が熱い!(2)NLGR+2025
- レポート:プライドクルーズ大阪2025
- 5月は名古屋が熱い!(1)名古屋レインボープライド
- 2025年夏の舞台作品
- レポート:huGe+Xposure -ふんどしBanquet-
- 特集:2025年5月の映画・ドラマ
- 特集:GAY NIGHT 2025 GW
- レポート:BUFF Freshmen's Camp -スポユニ新歓合宿-
- レポート:京都レインボープライド2025
- レポート:トランスジェンダー国会~GID特例法議論の現在~
- 特集:2025年4月の映画・ドラマ
- 「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟二審・大阪高裁判決の意義
- レポート:台南彩虹遊行
- レポート:えひめプライド フェスタ&パレード2025
- 「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟二審・名古屋高裁判決の意義
- 気になるときにすぐ役立つ「東京都性感染症ナビ」
- レポート:第3回岸和田レインボーパレード
- 2025年春の舞台作品
- 特集:2025年3月の映画・ドラマ