COLUMN
世界エイズデー2025のキャンペーン
今年も12/1の世界エイズデーの前後に、東京都エイズ予防月間や「TOKYO AIDS WEEKS」など、HIV/エイズに関するキャンペーンやイベント、映画上映会、臨時検査会などが実施されます。これを機に、検査を受けたり、HIV/エイズをはじめとする感染症について学んだり考えたりしてみませんか?

(今年のTokyo Prideにも「#UpdateHIV」フロートが出走! Photo by カケジク)
2025年、HIV/エイズをめぐる世界の動きとして、トランプ政権の国際援助凍結によって途上国等でのHIV予防啓発や陽性者支援が立ち行かなくなる懸念が広がるということがありました。今後世界で630万人が亡くなり、薬剤耐性のHIVが増加するとのおそれも指摘されており、国連合同エイズ計画などが掲げる2030年までの流行終結という目標の達成に暗雲が立ち込めています…。一方、日本では、ゲイコミュニティの方々も昨年から意見を伝えてきた「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の予防指針が改正され、HIV陽性者の診療や介護拒否は偏見・差別に当たると明記されるという人権尊重の姿勢が打ち出されました。aktaが「HERO Award」を受賞したのも喜ばしいニュースでした。6月の東京プライドでは今年も「#UpdateHIV」フロートが出展され、HIVコミュニティは依然として力強く活動を続けています。そうした動きを振り返りながら、世界エイズデーの前後の約1ヵ月間、TOKYO AIDS WEEKSをはじめ、今年も様々なキャンペーンや検査イベントなどが開催されますので、まとめてご紹介します。
(最終更新日:2025年11月14日)
2025年のHIV関連トピック
日本国内の昨年1年間の新規HIV感染者とエイズ患者は合わせて994名で、昨年と比べると微増となりましたが、同性間の新規HIV感染は59名減っていて、引き続きPrEPの効果が表れているのではないかと思われます。しかし、同性間でも異性間でも、エイズ患者(発症してわかる方)は増えていて、新規報告数全体に占めるエイズ患者報告数の割合は過去20年間で最も高くなりました。HIV検査へのハードルを下げたり、意識を高めたり、検査を受ける方がもっと多くなるような施策が望まれます。世界エイズデーのキャンペーンとして臨時検査会も各地で開催されますので、利用していきたいですね。
昨年、PrEPで服用するツルバダが薬事承認されましたが、薬価が非常に高く(月に7〜8万円)、利用したくてもできない方がとても多くなっています。PrEPの正しい利用方法の認知や見守りクリニックの利用を含め、PrEPが当たり前の選択肢になるようにということで署名活動も進められてきましたが、まだ5000人にも達していないようです。1万人を超えたら国も動いてくれそうなので、ぜひみなさんのお知り合いにもお声掛けくださるよう、お願いいたします。(なお、HIVマップに「PrEP:ツルバダが薬事承認されて、何がどう変わるのか?」という記事が掲載されていて、わかりやすくいろいろ解説されていますので、ぜひご覧ください)
米国では半年に1度の注射で済むPrEP薬も開発されましたが、こちらも薬価がべらぼうに高くなっています。このままだと日本に輸入されたとしても利用は困難です…。現実的な価格で私たちの手元にも届くようになることを期待します(※なお、今年9月、低所得国に原価で投入する計画が発表されました。国際援助凍結によって低所得国で感染が再拡大することが懸念されていたなか、よいニュースとなりました)
HIV/エイズの課題の解決は政治に大きく左右されるのだということ、当たり前にあると思っていたことが突然なくなってしまったりもするのだということを、改めてまざまざと思い知らされた年でした。それでも、良識ある人たちが踏ん張って、命に関わる問題として低所得国のHIV陽性者への支援は継続されることになったりしています。
かつてACT UPの方たちが身を挺して教えてくれましたが、黙っていれば物事はよくなるなどということはなく、声を上げていかなければ変わらないのです(「SILENCE=DEATH」です)
【追記】2025.11.14
国連合同エイズ計画(UNAIDS)を廃止する案が出ており、アフリカ日本協議会がその撤回のための署名を集めています。ご賛同くださる団体・個人の方は、ぜひ署名にご協力をお願いいたします。
「2025年9月、国連の組織改革を検討する「国連80イニシアティブ」が発表した報告書の中で、国連合同エイズ計画(UNAIDS)を2026年末で廃止する提案が示されました。しかし、国際的なHIV/エイズ対策への資金・政策支援が急減するなかで、世界はHIVの再流行という深刻な危機に直面しています。このような時期にUNAIDSを廃止することは、HIV終息という世界共通の目標を大きく後退させる「誤った時期の誤った選択」と言わざるを得ません。 私たちは、UNAIDSの2030年までの存続と、日本政府による支援強化を求める声明を発表しました。この声明は、アフリカ日本協議会(AJF)が有志とともにとりまとめたものです。 皆さまのご賛同が、日本からのメッセージを国際社会に届け、アジア太平洋地域の連帯を強める力となります」
https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=0V7wgyaLZEK88VpHWxRlD8YRfcIo6PJAktpESwC9YJhUQ1hDUzkzOU0xRFJYVllUVlhISENHNUtKRi4u
日本ではつい先日、11月10付で「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」が改正され、エイズ予防指針についても改正がなされました。HIV陽性者の人権尊重が第一に掲げられたのは素晴らしいことです。オブザーバーとして会議に参加したコミュニティの方たちやパブリックコメントで意見を送ってくれた方たちのおかげでしょう(もう少ししたら専門家の方たちから、この改正指針をどう読み解くかについて分析・報告が出されると思われます。追記しますので、しばらくお待ちください)
長きにわたって二丁目でHIV予防啓発に携わってきた(二丁目だけでなく昨年は岩橋さんが日本エイズ学会の会長も務めた)aktaが、これまでの活動を讃えられ、アジア太平洋地域の「HERO Award」を受賞したというのは、喜ばしいニュースでした。
aktaだけでなく、ぷれいす東京も各地のプライドイベントにブース出展したり、コンセントプロジェクトとして全国のLGBTQ+の当事者グループと協働したり、さまざま、有意義な活動を展開しました。
ぷれいす東京とaktaが中心となって今年も東京のパレードで「#UpdateHIV」フロートを出展し、カミングアウトした陽性者の方たちが先頭を歩いたこと、素晴らしかったです。
下記にもご紹介していますが、地方のHIV予防啓発団体もコミュニティセンターを運営したりイベントを開催したり、さまざまに活躍しています。
以下、今年g-lad xxでお届けしたHIVや性感染症に関するニュースの一覧です。
2024年の新規感染報告件数(速報値):HIVは昨年より微増、梅毒は昨年より微減
https://gladxx.jp/news/2025/01/9933.html
米大統領令で危ぶまれていた途上国のHIV陽性者への支援が継続されることに
https://gladxx.jp/news/2025/02/9978.html
トランプ米政権の援助凍結によって630万人が亡くなり、薬剤耐性のHIVが増加するおそれも…
https://gladxx.jp/news/2025/02/10027.html
3月1日はエイズ差別ゼロの日、国連合同エイズ計画がコミュニティと連帯を強調する声明を発表
https://gladxx.jp/news/2025/03/10042.html
昨年の新規HIV感染が3年ぶりに1000人を超えました
https://gladxx.jp/news/2025/03/10099.html
札幌・沖縄限定、3300円でPrEPを始めてみようキャンペーンを実施中
https://gladxx.jp/news/2025/04/10154.html
HIV陽性者のQOLの向上に役立てるためのアンケート調査を実施中
https://gladxx.jp/news/2025/06/10247.html
米FDAが、半年に1度の注射で済むPrEP薬を承認しました
https://gladxx.jp/news/2025/06/10281.html
今週末開催の「SUMMER BLAST」でaktaがアンケートを実施します
https://gladxx.jp/news/2025/07/10336.html
東京都が夏の梅毒集中啓発を実施します
https://gladxx.jp/news/2025/08/10356.html
エイズ予防指針改正案で、HIV陽性者の診療や介護拒否は偏見・差別に当たると明記されることになりました
https://gladxx.jp/news/2025/08/10374.html
性的マイノリティの3人に1人が医療サービスの利用に困難を感じた経験があることが明らかに
https://gladxx.jp/news/2025/09/10442.html
昨年の新規HIV感染(確定値)は994名でした
https://gladxx.jp/news/2025/09/10463.html
aktaがアジア太平洋地域のHIV/LGBTQの「HERO Award」を受賞しました
https://gladxx.jp/news/2025/11/10545.html
aktaがサマブラで行なった調査の結果、バニラ派のほうがセックスの満足度が高いことが明らかになりました
https://gladxx.jp/news/2025/11/10550.html
今年の世界エイズデーのテーマは「U=U 検出されない=性感染しない」
今年の世界エイズデーのテーマは、昨年に続き、U=Uを打ち出すものとなりました。
「この「U=U」という言葉をより一層浸透させることで、もう一度HIVとエイズのことを皆で考えてみましょうというメッセージが込められています。ひとりでも多くの人がHIVとエイズのことを自分の事として捉え、HIVとエイズに関する検査や治療、支援などの知識を身につける契機とし、最新の知識の普及を通じて、HIV検査の受検促進や差別・偏見の解消につなげていきたいと考えています。」(「API-Net(エイズ予防情報ネット)」より)
U=Uが世間の人たちに広く認知されるようになれば、HIV陽性者やその周囲の人たちへの差別と偏見を解消し、HIV検査を受けやすい環境を広げていくことにつながると期待されます。みなさんも何かの折にU=Uを話題にしたり、お友達と情報を共有したりしてみてはいかがでしょうか。
TOKYO AIDS WEEKS 2025
今年も11月25日から12月15日まで「TOKYO AIDS WEEKS」が展開されます。2015年にスタートしたイベントで(レポートはこちら)、市民と多様な情報を共有する「情報ネットワークのハブ」として、HIV/エイズや性感染症についての啓発を行ない、感染拡大の防止に貢献することを目的としています。現時点でわかっている主なイベントをご紹介します。(日付順です)
◎11/21 LGBTQ+と家族の限定スピーカーミーティング 「家族やパートナーが依存症でした」
ぷれいす東京のSexual Healthプロジェクトが運営する、アディクション・ぽーと・パートナーズが2025年12月から家族OKミーティングとなります。そのキックオフイベントとして、3名~4名のスピーカーの体験談を聞き、ブレイクアウトルームで語り合うイベントを開催します。ピンときた方はぜひ、ご参加ください。
LGBTQ+と家族の限定スピーカーミーティング 「家族やパートナーが依存症でした」
日時:2025年11月21日(金)19:00-21:00
オンライン開催
対象:LGBTQ+で依存症(ハマってやめられないことがある人)の家族やパートナー
入場無料
定員100名
申込みはこちらから
◎11/22〜12/9 “エイズ” BOOKフェア
「エイズの記憶を次世代に伝える」選書フェアです。さまざまな方に選書を依頼して、コメントを寄せていただきました。書籍販売のほか、選者よりお借りした貴重本も展示します。
1981年、アメリカで“原因不明の病”として報告された“奇病”は、のちにエイズと呼ばれるようになります。あれから40年以上——この出来事はいまも私たちの社会や心に陰を映し、問いを投げかけ続けています。
この本たちを通して、何かを感じ、考えていただけたら幸いです。
“エイズ” BOOKフェア
日時:2025年11月22日(土)〜12月9日(火) 平日14:00-22:00、日祝12:00-22:00 ※開催期間中は休館無し
会場:platform3(中野区東中野1-56−5 ホシノビル 401号室)
入場無料
◎11/24 「カミングアウトジャーニーとその後の物語」同時上映会&アフタートーク in 高田馬場
世界6つの映画祭にて受賞し、20を超えるオフィシャルセレクションに選出されたドキュメンタリー映画『カミングアウト・ジャーニー』(レビューはこちら)とその続編を同時上映します。上映後には、福正さん&パートナー・ぽんつくさんのトークも聞けます。
(この映画の上映会は、千葉市、熊本市、武蔵野市でも開催されます)
「カミングアウトジャーニーとその後の物語」同時上映会&アフタートーク in 高田馬場
日時:2025年11月24日(月休)13:00-15:00(開場12:30)
会場:新宿区戸塚地域センター7F多目的ホール(東京都新宿区高田馬場2-18-1)
入場無料
定員:180名
事前申込不要
ゲスト:福正大輔さん(舞台演出家・社会福祉士)、ぽんつくさん(福正大輔さんのパートナー)
上映作品:
『カミングアウトジャーニー(1)』
2022年、40代の夏に福正大輔さんがセクシュアリティのこと、薬物・アルコール・セックスの依存症、そしてHIVとともに生きていること、ありのままの自分を友人・職場・家族へカミングアウトする旅を描いたドキュメンタリー。
『カミングアウトジャーニー(2)結婚編』
2025年4月、山梨県小淵沢にある中村キース・ヘリング美術館での公開挙式や参列者の声を収録した「その後の物語」
◎11/24 TOKYO AIDS WEEKS CHOIR 2025 ミニコンサート
コロナ禍から5年振りに復活し、日本エイズ学会会場で開催した昨年に引き続き、今年はこの「合唱ミニコンサート」を、「カミングアウトジャーニーとその後の物語」同時上映会&アフタートークの後に新宿区戸塚地域センターで開催します。
今回の演奏曲は、ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』より《Climb Ev’ry Mountain》、ゴダイゴ《銀河鉄道999》、札幌のHIV啓発イベントから生まれた名曲《大空》、そして、亡くなってから今年でちょうど40年となる坂本九さんの《心の瞳》の4曲です。
すべて男声合唱曲ですが、セクシュアリティやジェンダーにとらわれない編成でパフォーマンスをお届けします。
昨年の参加者の感想文を含む報告、演奏動画はこちらからご覧ください。
TOKYO AIDS WEEKS CHOIR 2025 ミニコンサート
日時:2025年11月24日(月休)15:00-16:00
会場:新宿区戸塚地域センター(東京都新宿区高田馬場2-18-1)
参加無料
定員:先着100名 ※満員になった場合は入場をお断りすることがあります
演者:TOKYO AIDS WEEKS CHOIR 2025
◎11/28 公開授業:キャリアの多様性と社会正義:私とHIV/エイズ 登壇者:マダム ボンジュール・ジャンジ
成城大学キャリアデザイン科目「キャリア・プラクティスⅥ〈多様性と社会正義〉」では、マダム ボンジュール・ジャンジさんをお迎えし、『キャリアの多様性と社会正義:私とHIV/エイズ』をテーマに公開授業を行ないます。学外の方も受講できます。ジャンジさんが大学でお話するのを聞きたい方など、ぜひお出かけください。定員が少ないので、お申込みはお早めにどうぞ。
公開授業:キャリアの多様性と社会正義:私とHIV/エイズ
日時:2025年11月28日(金)16:20-17:50
会場:成城大学(東京都世田谷区成城6-1-20)
入場無料(事前申込制)
定員:10名
登壇者:マダム ボンジュール・ジャンジ
詳細・申込方法はこちら
◎11/29 エイズフェス2025 ~START by KNOWING~
東京都のエイズ啓発拠点事業ふぉー・てぃーの若者たちが中止となって作り上げる予防啓発のフェスです。一般向けイベントですが、ラビアナ・ラベイジャさんも出演しますし、ぷれいす東京のブースも出ます。
「知ることからはじめようHIVとエイズのこと。
若者に人気のゲストによるステージパフォーマンスや、レッドリボンのオリジナルキーホルダー作成、ポスター・メッセージ展示、各種出展ブースなど多彩な企画を通じて、HIV/エイズに関する最新情報や正しい知識を楽しく学ぶことができます。みんなで一緒にHIV/エイズに関する知識のアップデートをしませんか」
エイズフェス2025 ~START by KNOWING~
日時:2025年11月29日(土)13:00-16:00
会場:中池袋公園(東京都豊島区東池袋1-16-1)
入場無料
ゲスト:瀬川あやかさん、KEIKOさん、ラビアナ・ラベイジャさん、Art of soul Dance school by Supriyaのみなさん、S.W.S Instrumental Trio Bandのみなさん
主催:東京都
◎12/1 短編集 日本初上映:Meet Us Where We’re At
HIVとともに生きる人々の現実を、世界のアーティストが支援や共生のまなざしから描く映像集、世界同時初公開+スペシャルトーク開催! 今年の「Day With(out) Art 2025」では、HIV危機と社会の周縁に生きる人々の現実を世界各地のアーティスト6名が映像で描き出す国際上映プログラム「Meet Us Where We’re At」の上映+トークイベントをお届けします。ゲイ、トランス女性、HIV陽性者らが築いてきた〈支援と共生〉の文化としてのハームリダクションを、映画を通して見つめる55分。トークには、倉田めばさんとDJ POIPOIさんが登壇してくれます!(昨年の上映会のレビューはこちら)
短編集 日本初上映:Meet Us Where We’re At
日時:2025年12月1日(月)20:00開始(19:30開場)
会場:Space & Cafe ポレポレ坐
入場料:1000円(1ドリンク代込み|現金のみ)
定員:60名
ゲスト:倉田めばさん、DJ POIPOIさん
予約はこちらから
◎12/13 健全なオンラインコミュニティを作る
Grindrの元副社長のJACKさんと、日本のコミュニティメンバーが語ります。アプリビジネスとコミュニティの健康がテーマです。
健全なオンラインコミュニティを作る
日時:2025年12月13日(土)13:00-14:00
YouTube LIVE(ぷれいす東京Youtubeチャンネル)
入場無料
演者:Jack Harrison-Quintanaさん(元Grindr副社長、BHOC)
モデレーター:松中権さん(KANAZAWAレインボープライド)
トークゲスト:さとしぃさん(SHIKOKU GAY WALKER 元管理人)、RIOさん(GOGO BOY)
◎12/14 NOT ALONE CAFÉ 世界エイズデースペシャル
来日して間もないゲイ、バイセクシュアル男性(トランスジェンダーも歓迎)のためのカフェ・ラウンジを毎月開催するプロジェクト「NOT ALONE CAFÉ」の世界エイズデースペシャルです。ジャンジさんのHUGたいそうもやります!
NOT ALONE CAFÉ 世界エイズデースペシャル
日時:2025年12月14日(日)14:00-17:00
会場:platform3(中野区東中野1-56−5 ホシノビル 401号室)
入場無料
トーク:アキラ・ザ・ハスラー、マダムボンジュールジャンジ、生島嗣 ほか
◎12/18 映画+トークショー『トークバック 沈黙を破る女たち』(明治大学ジェンダーセンター)
誰かの前で本音を話すとき。SNSで本当の自分を表現するとき。少し、ためらいを感じたことはありませんか。
映画『トークバック 沈黙を破る女たち』は、サンフランシスコの元受刑者とHIV陽性者の女性たちが、自分たちの人生を演劇で表現するアマチュア劇団に密着したドキュメンタリーです。他者との出会いを通して“自分の声”を見つけ、人生を取り戻していく過程を丹念に記録しています。語りの場をつくることで、個人の声が公共へと開かれていく――その変化の瞬間が、静かな力をもって映し出されています。また、ジェンダー・セクシュアリティ研究が長く取り組んできた構造的不平等やスティグマの問題を、表現=実践という次元から問い直す作品でもあります。
監督の坂上香氏は、政治哲学者アイリス・マリオン・ヤングの理論を背景に、映像制作とワークショップの実践を往還させてきました。ヤングの社会理論を手がかりに、「誰が語り、誰が聴くのか」、そしてその声がどのように社会へ接続されるのかという課題を、映画というメディアの力学と重ねながら考えます。
映画+トークショー『トークバック 沈黙を破る女たち』(明治大学ジェンダーセンター)
日時:2025年12月18日(木)18:00-20:30
会場:明治大学駿河台キャンパス グローバルフロント グローバルホール(東京都千代田区神田駿河台1-1)
入場無料・要申込
定員100名
ゲスト:坂上香(ドキュメンタリー映画監督)、大島岳(明治大学情報コミュニケーション学部教員)
申込はこちらから
全国各地のキャンペーンやイベント
今年も全国各地で世界エイズデーに関連した(関連していないとしても、この時期に行なわれる)催しが様々あります。大きなイベントは首都圏や関西に集中してしまいがちですが、地方でもHIVの団体・グループが活動していて、臨時の検査会などが開催されます。この機会にぜひ、参加してみてください。
※何か新しい情報が入り次第、追加更新していきます。
◎札幌
レッドリボンさっぽろが昨年に続き、HIV陽性者交流会inHOKKAIDOを開催しています(偶数月第3土曜日)。この交流会は、同じ陽性者の人と会って話してみたい、地元で陽性者が集まって話ができる場を、という声を受けて昨年から実現したものです。参加者はもちろん、交流会のスタッフも全員HIV陽性者です。プライバシーを守れるよう、事前申込制で行ない、会場は参加者のみにお伝えします。
HIV陽性者交流会inHOKKAIDO
日時:12月20日(土)14:00~16:30 (開場は30分前)
会場:参加者にのみ開催の一週間前を目途に通知します
ご参加いただける方:HIV陽性者であれば、性別・セクシュアリティ・感染経路・居住地問わず、どなたでもご参加いただけます
定員:最小4名~最大12名 ※参加者数が定員に満たない場合は中止となります
参加料:500円(会場費・お茶菓子代として)
参加方法:こちらのフォームからお申し込みください
◎仙台
世界エイズデー特例エイズ・梅毒即日検査会が11月22日(土)に開催されます。
令和7年度 世界エイズデー特例エイズ・梅毒即日検査会
日程:2025年11月22日(土)午前の部10:00-11:30/午後の部14:00-15:30
会場:仙台市青葉区役所2階(仙台市青葉区上杉1-5-1)
定員:午前・午後 各30名程度
検査項目:HIV・梅毒即日検査(セット受検、採血検査)
結果説明:採血後、約1時間程度でお知らせします。ただし、混雑している場合には1時間以上かかる場合もあります。
また、やろっこでは、コミュニティセンター「ZEL」で11月22日(金)に性感染症勉強会「What's "UP"?」を開催。今回のテーマは「HIV陽性者と語ろう」ということで、福正大輔さんとぽんつく。さんがお話しします。翌23日には映画『カミングアウトジャーニー』上映会を開催します。
性感染症勉強会「What's "UP"?」
日時:2024年11月22日(土)18:00-20:00
会場:community center ZEL(仙台市青葉区国分町3-3-5 リスズビル9F)
無料
Gay Men Only
映画『カミングアウトジャーニー』上映会
日時:2024年11月23日(日)14:00-16:30、開場13:30
会場:戦災復興記念館4階研修室(仙台市青葉区大町2-12-1)
無料
◎東京
東京都では、世界エイズデーの12月1日を中心とする1ヵ月間(11月16日から12月15日まで)を「東京都エイズ予防月間」として、広く都民に対して啓発キャンペーンを実施します。今年のテーマは「ねえ、知ってる?HIVのこと」です。今年も公共施設、交通機関等でのポスター等による広報を行なうほか、昨年に引き続き、aktaがエイズ学会に際して都と協働した啓発フラッグが、二丁目の仲通りなどに掲出されます。
(1)啓発フラッグの掲出
新宿の2つの通りに、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が世界共通のビジョンとして掲げる「HIVの新たな感染ゼロ」「差別ゼロ」「エイズ関連死者ゼロ」の「0(ゼロ)」をあしらった6種類の啓発フラッグを掲げます(PrEPやU=Uのフラッグもあります。詳細はこちら)
都庁前中央通り:11月16日から12月8日まで
新宿二丁目仲通り:11月18日から12月2日まで
(2)都庁舎でのパネル展示
HIV/エイズの基礎知識や検査・相談室の紹介などをパネル展示します。
日時:11月29日(土)から12月1日(月)まで
会場:都庁第一本庁舎1階中央アートワークスペース
(3)都施設のライトアップ
レッドリボンにちなみ、都施設を赤色にライトアップします。今年は都庁だけでなく、隅田川に架かる橋なども赤く染まります。
◎都庁第一本庁舎
期間:12月1日(月)から12月9日(火)まで
時間:17:00-21:45 ※プロジェクションマッピング上映時間は除く
◎隅田川に架かる橋梁
日時:12月1日(月)日没15分後〜23時
場所:築地大橋のアーチやその他の橋梁の欄干
上記のほか、通年で実施している検査・相談を拡充して臨時検査・相談を実施します。検査情報の詳細は、東京都HIV検査情報Webでご覧ください。
aktaやぷれいす東京などのコミュニティイベントについては、上記のTOKYO AIDS WEEKS 2025のところをご覧ください。
◎横浜
神奈川県のLGBTQ支援団体「SHIP」では、毎月ゲイ・バイセクシュアル男性向けのHIV検査会を実施しています。12月は15日(月)に実施します。HIVだけでなく梅毒とB型肝炎も検査できます。
SHIP ゲイのためのHIV検査
日時:2025年12月15日(月)17:40-20:00
会場:かながわ県民センター 709
検査項目:HIV、梅毒、B型肝炎
◎小淵沢
中村キース・ヘリング美術館では、今年も世界エイズデーにちなんだ特別企画を実施します。
①キース・ヘリングが生前に制作したポスターや資料の展示
今年新たに米国のキース・ヘリング財団より寄贈を受けた1987年制作のポスター「セーフ・セックス!」をはじめ、キース・ヘリングのHIV/エイズ・アクティビズムに関する資料を公開いたします。
②HIV・エイズタイムラインの展示
1981年から2025年にかけてのHIV/エイズの歴史をまとめた年表を、館内のオープンスペースでご紹介しています。ぜひ資料とあわせてご覧ください。
③文化学園大学文化祭での資料展示
④マダム ボンジュール・ジャンジ氏と当館ディレクターによる対談映像の上映
文化学園大学文化祭で行なったディレクターのヒラクさんとマダム ボンジュール・ジャンジさんとのトークイベントの模様を館内のオープンスペースで上映。
⑤ミュージアムショップでのブース展開とコンドームの無料配布
今年も、相模ゴム工業株式会社ご協力のもと、ショップにてコンドームの無料配布を行います(11月22日より配布開始、無くなり次第終了)。館内のミュージアムショップでは、ACT UPのグッズや書籍なども販売します。
中村キース・ヘリング美術館 世界エイズデー2025
日時:2025年11月22日(土)〜12月21日(日) 9:00〜17:00(最終入館16:30) *会期中休館日なし
会場:中村キース・ヘリング美術館(山梨県北杜市小淵沢町10249-7)
入館料:1,500円、障がい者⼿帳等提⽰600円(ご同⾏者1名同料⾦)、16歳以上の学生800円
ミュージアムショップとオープンスペースはどなたでも無料でお入りいただけます。どうぞお気軽にお立ち寄りください!
◎浜松
浜松では2022年に日本エイズ学会が浜松で開催されたことをきっかけに「リボンプロジェクト浜松」が立ち上がりました。昨年は「浜松まちなか検査会」が開催されましたが、今年は11月29日(土)に「浜松HIVプロジェクト&リボンプロジェクト浜松」が実施されます。HIVのことと、差別偏見のない社会を目指すことが目的のイベントです。当日はHIV郵送検査キットが100個無料配布されるほか、参画団体によるブース出展や、ワークショップ、「ドラァグクイーンの納言アパッショナータさんと写真をとろう!」コーナーなどが行われます。
浜松HIVプロジェクト&リボンプロジェクト浜松
日時:2025年11月29日(日)10:00-16:00
会場:はままちプラス(浜松市中央区砂山町320-2)
◎名古屋
名古屋市主催の無料検査会が11月30日(日)に開催されます。
名古屋市主催HIV等無料検査会「iTesting@Nagoya」
日時:11月30日(日)10:00-16:00
会場:栄ガスビル5階カンファレンスルーム
検査項目:HIV・梅毒・B型肝炎・C型肝炎(4種必須)
※結果通知は専用サイトから自分で確認
定員:400名
予約はこちらから
◎岐阜
岐阜県主催でゲイ・バイセクシュアル男性向け無料検査会が実施されます。
岐阜県主催ゲイ・バイ男性向け無料検査(予約制)
採血日:11月18日、20日、22日、12月2日、4日、6日、9日、11日
会場:松波総合病院西館3階 人間ドック健診センター(岐阜県羽島郡笠松町泉町10)
無料
検査項目:HIV・梅毒
無料・匿名・予約制
※結果通知は電話確認も選択可
予約方法:平日14:30-16:30に「058-388-0111」にお電話ください(最初に「県委託検査の予約です」と伝えてください)
◎大阪
世界エイズデーの12月1日、HIV/エイズへの関心を高める機会となるよう、HIV陽性者に対する理解と支援の世界的シンボルであるレッドリボンにちなんで大阪府内のランドマークが赤色にライトアップされます。大阪城や太陽の塔が赤色に!
大阪城天守閣・太陽の塔・旧堺燈台のライトアップ
日時:2025年12月1日 日没から22:00(大阪城天守閣)、日没から23:00(太陽の塔・旧堺燈)
会場:大阪城天守閣・太陽の塔・旧堺燈台
主催:エイズ予防週間実行委員会(大阪府、大阪市、堺市、高槻市、東大阪市、豊中市、枚方市、八尾市、寝屋川市、吹田市)
堂山のコミュニティセンターdistaでは、11月27日から12月28日までdistaに関わる学生スタッフによる展示会が開催されます。HIVや性感染症にまつわること、コンドームの使い方や予防など、学生スタッフのビジョンをもとにセクシュアルヘルスについて一緒に考えてみませんか?
dista de 展示会
会期:11月27日(木)〜12月28日(日)17:00-22:00
会場:コミュニティセンターdista(北区堂山町11-2 堂山山よしビル4F)
定休:月火水
distaではほかにも「ピタッとちぇっくん」というHIV・梅毒の検査会を2ヵ月に1回実施しています。次回は11月15日(土)です。(「¥0性病検査」も11月29日まで実施中。こちらでご確認ください)
distaでピタッとちぇっくん!
日時:11月15日(土)15:00-18:00
会場:コミュニティセンターdista
無料
匿名
予約不要
※検査結果は1週間後、同じ堂山町の貸会議室で個別にお渡しします
※結果の受取り場所の確認や日程の変更を希望する場合、当日担当の方にご相談ください
◎松山
12/7、松山市保健所でゲイ・バイ男性限定HIV検査会が開催されます。
松山市保健所のゲイ・バイ男性限定HIV検査会
日時:12月7日(日)16:00~17:30
会場:松山市保健所
検査項目:HIV・梅毒・B型C型肝炎
通常検査
ネット/電話予約。ネット予約はこちら
◎福岡
福岡市をはじめ、福岡県内各地の保健所で世界エイズデーの近辺にHIVと梅毒の特例検査を行なっています。詳細は特設サイトをご覧ください。
◎沖縄
「PrEPはじめてみようキャンペーン in 沖縄」が来年3月まで開催中。沖縄県内3つの医療機関で診察・検査・薬代込みで9,300円から始められます!
INDEX
- クラブパーティのオーガナイザーさんへの感謝とリスペクトを込めて
- 先行き不透明な状況でもメンタルヘルスを良好に保っていくためのヒント
- 2020年の世界エイズデーキャンペーン
- 私たちを分断する様々な「ダメ。ゼッタイ。」——コロナ禍の今だからこそ真剣に考えたいこと
- 6月1日〜7日は「HIV検査普及週間」。緊急事態宣言が明けた今こそ、検査・相談を!
- コロナ禍のLGBTへの影響についての緊急アンケートの結果が報告され、病院や医療従事者によって「家族」の定義が異なる現状や、緊急連絡先カードなど今できる対策が示されました
- コロナ禍による困り事や不安を解消するためのヒント
- 世界のLGBTはパンデミックに対してどのような影響を受け、どのように動き出しているのか
- RUSH裁判のこれまでとこれから
- 同性婚訴訟の方たちによる院内集会が大盛況、涙なしには見られない熱い会になりました
- HIV予防施策について、世界の最前線の情報や2020東京大会での可能性について話し合うトークイベントが開催されました
- 社内制度づくりのその先へ−−「work with Pride 2019」に参加して感じたこと
- 2019年9月20日、神宮前交差点に「プライドハウス東京2019」がオープンしました
- 日本におけるPrEPの現状と、今後への期待
- LGBTと企業(3) 着実に企業のLGBT施策が進んだ2018年
- 『バディ』誌、25年の輝かしい歴史に幕 〜休刊に寄せて〜
- 杉田議員問題(5)TOKYO LOVE PARADE
- トークイベント「RUSHをめぐる最前線」で浮き彫りになった厳罰主義施策の理不尽さ
- 杉田議員問題(4)『新潮45』10月号のこと
- 杉田議員問題(3)この1ヶ月余の動きを振り返って
SCHEDULE
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